伝統工芸 青山スクエア
青山スクエアブログ
2017/3/10(金)展示会情報

石川の若き後継たちと東京手描友禅のトークショー

本日より特別展「石川の若き後継たち」と匠コーナー「東京手描友禅 小倉貞右・隆 親子展」が始まりました。

 

そして青山スクエアでは、匠によるトークショーが行われました。

 

まずは、特別展を開催しようと考え、若手の方たちを集めた、

輪島塗の田谷さんです。

 

田谷さんは石川県の伝統工芸を愛する一人。

 

石川県のよさをもっとアピールしていきたいと考えた時に、

たとえ一つ一つの産地がそれほど大きくなかったとしても、

集まれば何か大きなものになるのではないかと思い、

今回の企画を立案したそうです。

 

田谷さん自身は、

輪島塗の会社に入っており、

現在は営業職に就いています。

 

作り手としては、

下地塗りをしており、

いずれ輪島塗全124工程の全てが出来るようにと日夜努力を続けているそうです。

 

今回、田谷さんがトークショーに持ってきていただいたのは、

おかゆわん。

 

シリアルを入れることもできる、

少し大きめのお碗です。

 

少し変わった形をしているのですが、

これは現在の食生活が和洋折衷になってきている為、

何を入れても収まりの良いものを、

営業部全員で話し合ってデザインをしたそうです。

 

この商品はオーダーメイドにすることもできるため、

カラーは赤、黒、オレンジ、溜色など、

何色でも対応できるようになっています。

 

輪島塗は昔から高級品ではなく日用品として、

広く愛用されてきた工芸品。

 

これからも、

日用品としての輪島塗の幅を広げていきたいとおっしゃっていました。

 

次に九谷焼の架谷さんにお話しいただきました。

 

架谷さんが得意としているのは赤絵付けです。

 

九谷焼の学校へ行った時に、

福島武山さんと出会い、

赤絵付けに魅了されたのが始まりだとおっしゃっていました。

 

架谷さんの赤絵付けの模様は草木花が多く、

とても繊細です。

 

描くときに注意をしているのは、

白地と赤絵のバランス。

 

白の空間を多く取るものもあれば、

赤色が好きな人もいるので、

細かな模様をびっしりと書くときもあるそうです。

 

今後は、伝統的な模様と現代的な模様を融合させるようなデザインを、

施していきたいとおっしゃっていました。

 

続いてもう一人の九谷焼の匠、北出さん。

 

北出さんは、明治元年から続く九谷焼の窯元の血筋。

北出さんで7代目だとおっしゃっていました。

 

鳥などの動物を描くのが好きで、

今回青山スクエアに持ってきていただいた作品も、

スズメを少しデフォルメしたようなデザインにして描いています。

 

お父様を早くに亡くし、

高校生になった時に祖父に選択を迫られ、

この世界に入りました。

 

その祖父も現在は他界しているそうですが、

色の調合などは、

しっかりと教わり、現在にも伝統を受け継いでいるそうです。

 

今後は、三猿や風神雷神のような古典的な絵を、

現代風にアレンジして描いていきたいとおっしゃっていました。

 

次にお話しいただいたのは、能登仁行和紙の松尾さん。

能登仁行和紙は、

輪島市の中にある仁行という町で作られている和紙です。

 

1949年頃から作られ始めたと言われています。

元々は、輪島塗の食器を包むための包装紙として作られていましたが、

現在はそこから発展して包装紙以外の物も作っています。

 

和紙の間に実際の花を挟み込んでいるもの

他の和紙とは少し違ったものもあり、

杉皮紙や野集紙と言われるものがあります。

 

 

松尾さん自身は、

元々別の場所で和紙に携わっていたのですが、

実家のある石川県に戻ってきてから、

やはり和紙の仕事がしたいと思い立った頃、

この能登仁行和紙とであったそうです。

 

今後も能登仁行和紙の作り手として頑張っていきたいとおっしゃっていました。

 

最後に、東京手描友禅の小倉さんにお話をしていただきました。

 

小倉さんは青山スクエアの3月の匠コーナーに毎年出展されている方です。

 

今回は、

組紐作家とコラボをして作った作品を持ってきていただきました。

 

万葉集の「あかねさす」という言葉から連想して、

実際のアカネをモチーフにして作ったのが写真のデザイン。

 

アカネの葉っぱはハートの形をしており、

その真ん中に白い花を咲かせます。

 

古典的な日本の文化から、

現代風にアレンジした作品の一つ。

実際に、このデザイン、色合いよりも少し濃い色の茜色の組紐も作ったそうです。

 

小倉さんが得意とするのは、

唐草模様やヨーロッパの壁画のようなデザイン。

 

例えばペイズリーやウィリアムモリスのようなイメージです。

 

地色を明るい色や変わった色にしているのも特徴で、

古典的な図案が多いお父様とは、

また違った路線の作品を作り続けています。

 

今後は、訪問着や逸品ものと呼ばれるものを作っていきたいと、おっしゃっておりました。

 

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今回お話しいただいた、

特別展「石川の若き後継たち」と匠コーナー「東京手描友禅 小倉貞右・隆 親子展」はそれぞれ、

特別展が22日まで、匠コーナーが15日まで行われています。

 

実演や製作体験もありますので、

この機会にぜひ青山スクエアまでお越しくださいませ。