伝統工芸 青山スクエア
青山スクエアブログ
2018/11/2(金)展示会情報

【ブログ更新】「岩手の伝統工芸品」と「村上木彫堆朱」のトークショー

今日から特別展「岩手の伝統工芸品展~みちのくの息吹 秋のカタチ~」と匠コーナー「~越後村上伝統の技~村上木彫堆朱展」が、それぞれ始まりました。

 

青山スクエアでは久しぶりにトークショーが行われ、それぞれの魅力を話していただきました。

 

最初に話していただいたのは、盛岡手づくり村の佐藤さんです。

 

手づくり村の佐藤さん

手づくり村の中には15の工房があり、

工房内では体験をして頂く場所もあります。

 

工房は南部鉄器、岩谷堂箪笥、藍染め、竹細工、木工品、煎餅焼など、

工芸品から食べるものまで様々あるのが特徴です。

 

岩手県の伝統的工芸品は、

南部鉄器、浄法寺塗、秀衡塗、岩谷堂箪笥の四つで、

今回の特別展には工芸士が作ったものだけを持ってきました。

 

南部鉄器は江戸時代から続いている工芸品で、

湯釜だったものが鉄瓶に変わり現代の形に繋がっています。

 

海外でも人気がありますが、

それはお茶の文化が根付いている、

中国やヨーロッパへの進出が主です。

 

国内では、鉄瓶から鉄が出るということで、

日本人の鉄分不足に役立ったり、

鉄瓶で湯を沸かすと、お湯がまろやかになるということから、

日本での人気も不同なものになりつつあります。

 

南部鉄器の使い方としては、

南部鉄器はお湯を沸かすためのもののため、

決して中は洗わないことです。

 

残った湯は流してから、

水滴がなくなるように火をかけて水分を飛ばす。

これだけで、お手入れは充分です。

 

たとえスポンジであったとしても、

鉄瓶の中を傷つけることに繋がり、

そこから錆が発生する危険が高まるので十分に気を付けてください。

 

次に浄法寺塗は、

西暦800年頃、天台寺のお坊さんの食器として使われていたのが始まりといわれているほど古くからある漆器です。

 

世の中では国産漆の流通は2%ほどしかありませんが、

その2%のうち70%が浄法寺で生産されています。

 

岩手には20万本の漆の木がありますが、

漆掻きが少なくなってきたため、

漆が採れなくなってきているという問題を抱えているのが現状です。

 

今、岩手県と二戸市が漆の掻き手を育てようと、

環境を整えているところだとおっしゃっていました。

 

秀衡塗は、菱型の模様が特徴です。

 

秀衡塗に金箔が使われているのは、

昔岩手県では金の名産地だったという時代背景があります。

 

今では金は全く取れなくなりましたが、

その名残として、

今も秀衡塗には金箔が使われているようです。

 

最後に岩谷堂箪笥は、

嫁入り道具の一つと言われていた整理たんすとして有名でした。

 

ですが、現代の日本人は大きな箪笥を置くような家には住んでおらず、

岩谷堂箪笥もインテリア箪笥と呼ばれるものを作るようになったそうです。

 

インテリア箪笥は小ぶりなものが多く、

洋間でもお洒落な箪笥として置くことができます。

 

そんな岩谷堂箪笥の特徴は、

飾り金具。

 

手打ちで作ったものとそうでないものがありますが、

この飾り金具の作り方で、

箪笥自体の価格も大きく変わっていくとのことでした。

 

続いて匠コーナーの村上木彫堆朱の作り手の方に、お話を伺いました。

 

村上木彫堆朱の作り手、鈴木さん

村上木彫堆朱は新潟県の伝統的工芸品です。

特徴は、先に彫りを施してから漆を塗るところ。

 

「堆朱」は中国から来たものですが、

堆朱自体は何百回と漆を重ね塗りして、

漆を削って模様を描くもののことを指します。

 

そのため村上木彫堆朱とは、

手法が異なったものになっています。

 

村上木彫堆朱は分業制をとっていますが、

鈴木さんはお父様が彫りと塗りを行っていたため、

同じように両方ができる作り手になりました。

 

どちらの方に時間を使っているかといえば、

彫りは集中して行えば一気に彫ってしまうことができますが、

塗りは乾かす時間も必要のため、

どうしても塗りの方に時間を割くことになるとおっしゃっていました。

 

また村上木彫堆朱の彫りの難しい所は、

他の産地では使っていない両刃の彫刻刀一本で全ての工程を終えるというところ。

 

曲線も直線も細かい図柄も、

全て一本の彫刻刀で行っているので他ではなかなか真似することができません。

 

また塗りの難しい所は、

細かく彫られた溝に漆が入り込んで図柄を消してしまわないように塗るところ。

 

村上木彫堆朱を手に取ってみて、

図柄がはっきりしていて、

立体感があるものの方が良いものだと教えてくださいました。

 

また新潟県は米の産地ということもあり、

日本酒も有名です。

 

そのためぐい呑みが人気ということもあって、

今回は特にぐい呑みを多く持ってきたとおっしゃっていました。

 

中には関東地方のデザイナーと組んで作ったぐい呑みもあるので、

見ているだけでも楽しくなってきます。

 

今後は、若い人にも手に取って貰えるように、

根付など安いものも作り、

村上木彫堆朱を知る入口になってもらえたらと、

おっしゃっていました。

 

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今回お話しいただいたお二人は、

特別展「岩手の伝統工芸品展~みちのくの息吹 秋のカタチ~」~11月14日まで

匠コーナー「~越後村上伝統の技~村上木彫堆朱展」~11月7日まで

出展しています。

 

特別展は土日に実演があり、

村上木彫堆朱は期間中ずっと実演が行われていますので、

ぜひ青山スクエアに遊びに来てくださいね。