伝統的工芸品ニュース

伝統的工芸品ニュース

アーカイブ:2018年08月

2018/8/31伝統的工芸品

グーグルが江戸時代から続く織物の老舗に依頼したこと

 沢井織物工場は、伝統工芸品である多摩織の技法を承継し、江戸時代から続く織物の老舗。一方、ネクタイやストールなど洗練されたデザインを取り入れた新製品や、大手企業との開発に挑む。多摩織の技法を応用し、織物の新たな可能性を見いだす。
 多摩織は「お召織」「紬織」「風通織」「変り綴織」「捩り織」の5種類の織り方があり、1種類または複数を組み合わせる。原料は生糸、玉糸、真綿の紬糸などを使う。糸繰りから整経、絣括り、染色、機巻き、綜光通し、手織りを経て完成までに早くても2カ月。職人が丹精込めて仕上げていく。生地に風合いがあり、しわになりにくいのが特長だ。

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2018/8/30伝統的工芸品

東北6県で作られる「伝統こけし」地域により顔立ち、形違う

 宮城県仙台市から車で約70分。宮城県と山形県の県境にある蔵王連峰の東麓に位置し、遠刈田温泉などがある蔵王町。古くから湯治場として人々を癒してきた場所で、こけし発祥の地としても知られている。同町にある『みやぎ蔵王こけし館』には、こけしや木の玩具が5500点ほど展示されている。これは世界一の数だ。
「こけしには伝統にのっとった作り方をする“伝統こけし”と、これをもとにして発展した“新型こけし”があります。東北6県では、11系統の伝統こけしが作られており、地域によって顔立ちも形もまったく違うのですよ」
 代表的なものには、頭にベレー帽をかぶったような“弥治郎系”、首がキュッキュと音を立てて回る“鳴子系”、子供の遊び人形だった頃の原形に近い細い胴の“作並系”などがある。

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2018/8/30商品

輪島塗の技、宝石箱に詰め 英のデザイナーと製作 中門漆器店

 輪島市二ツ屋町の中門(なかかど)漆器店が、英国の著名デザイナー、ララ・ボヒンツさんと製作を進めていた輪島塗のジュエリーボックスが29日、完成した。複雑なかみ合わせを持ち、円柱や球が連なる独創的なデザインを、漆の都・輪島の技術力を結集し10カ月かけて仕上げた。9月中旬からロンドンのギャラリーで展示、販売される。価格は100万~200万円になるという。

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2018/8/27伝統的工芸品

夏の甲子園、戦前の白磁製メダル 京都市考古資料館で展示

 1938年に行われた全国中等学校優勝野球大会(現全国高校野球選手権)で、選手らに贈られた参加記念のメダルが、京都市上京区の市考古資料館で展示されている。
 直径6・9センチ、厚さ1センチの白磁製。市埋蔵文化財研究所が京焼の浅見五郎助窯跡(東山区)で行った発掘調査で見つかった。この窯で焼かれたものとみられるという。
 メダルの表面には天使がボールを持ち、グローブをはめて羽ばたく姿を描く。戦闘機なども刻まれ、戦意高揚を図ろうとした当時の雰囲気も感じさせる。入場無料。展示は31日まで。

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2018/8/24ニュース

千年の歴史の備前焼を世界へ 陶芸家・松井宏之さんNY初個展

 ニューヨークの天理ギャラリー(43 West 13th Street)で備前焼陶芸家・松井宏之さんが初めての個展を8月20日から開催している。
 備前焼は、岡山県備前市周辺で製作される炻器。備前焼は古墳時代の須恵器の製法が次第に変化したもので、千年近い歴史があり、日本六古窯の一つとされている。 
 松井さんは野村証券、外務省職員(アジア局太平洋地域担当)を経て39歳の時に陶芸をはじめた。以来、途中で妥協せず、古きを温め、新たな素材・技巧・機会も貪欲に試すことを信条として作品づくりを行ってきた。日本では多数個展を開催してきたが、ニューヨークでの個展は今回が初めてとなる。
 今回の個展開催について、松井さんは「歳を重ねてから陶芸の道に入るにあたり、自分が求めるゴールに達する勝算があるか、陶芸を続ける資金があるかなどを、備前焼に対して求めるビジョンの中であえて明確に意識して、作品づくりをしてきた。人間国宝である備前の故藤原啓さんが、40歳近くになって備前焼をはじめ、実家が窯元などの陶芸関係の仕事をしているわけではなく、以前の仕事も陶芸と関係なかったことを知り、自分も勝負する励みになった。作品一つ一つに想いを込めているので是非みにきてほしい。」と意気込む。
 開催時間は月曜~木曜=12時~18時、土曜=12時~15時。入場料無料。8月25日まで。

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2018/8/23ニュース

博多織始祖の遺徳しのぶ 聖福寺で法要

 鎌倉時代に博多織の技術を宋から持ち帰ったとされる満田弥三右衛門をしのぶ法要が21日、墓所のある福岡市博多区御供所町の聖福寺で営まれた。発祥から777年を迎えた博多織。職人たちが業界の発展を先達に誓った。
 博多織は、博多の名刹・承天寺を開山した聖一国師とともに南宋に渡り、1241年に帰国した弥三右衛門が織物の製法を伝えたのが始まりとされる。
 この日は、博多織工業組合の幹部ら13人が参列。細川白峰住職の読経に合わせ祭壇に合掌。その後、境内の弥三右衛門の墓にお参りした。岡野博一理事長は「この伝統を次の時代にどうつないでいくか。秋のイベントに向けて歴史や魅力を発信していきたい」と話した。

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2018/8/23イベント

世界に誇る紀州漆器 伊の学生が伝統体験 黒江の蒔絵天井画も見学

 イタリア・フィレンツェの学生8人が20日から2泊3日の日程で、海南市黒江を訪れ、「紀州漆器」を通じて地元との交流を深めている。21日には、蒔絵が施された寺の見学や漆芸体験を通じて和歌山に伝わる伝統工芸の魅力に触れた。
 今回の訪問は、黒江の漆器職人やまちづくりに取り組む4人が昨年10月、海外PRの一環としてフィレンツェを訪れ、漆器展示や蒔絵体験を実施したことを受け、初めて実現した。

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2018/8/23ニュース

「白備前」作家・木村さん、来年の干支早くも窯出し イノシシらしく突き進む年に

 「白備前」の伝承に取り組む備前焼作家、木村玉舟さん=備前市伊部=の“白い干支シリーズ”で、25回目となる来年用の「亥」が22日、窯出しされた。木村さんは「イノシシらしく突き進むような年になってほしい」と、早くも新年に思いをはせていた。
 白備前は鉄分の少ない特有の土で乳白色に焼き上げる技法。土はこれまで地元で調達してきたが、年々少なくなり、今回は瀬戸内市牛窓地区から採取。
 イノシシの造形は、東京・上野動物園まで出向いて実物をデッサンした。
 7月17~23日に窯だき。猛暑の時期でもあり、窯の温度管理(約1200度)は容易だったという。
 窯から出てきたイノシシは勇ましい面構えのものや、うり坊と呼ばれる愛らしい姿をした子供との親子愛を描いたものなど約40点。
 サイズは最大で長さ約35センチ、高さ約20センチ。最小はその半分程度。うち2点は年末に、イノシシを神の使いとする隣の和気町にある和気神社に奉納する。
 1点ずつでき映えを確認した木村さんは「登り窯も通常より半分のスペースしか使用しないなど、試行的要素が高い分だけ例年より2カ月前倒しで作業を進めたが、無難に仕上がった」と満足気に語っている。

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2018/8/17イベント

夏の宵、千の舞い 熊本「山鹿灯籠まつり」

 約600年前の室町時代から続くとされる「山鹿灯籠(やまがとうろう)まつり」の「千人灯籠踊り」が16日夜、熊本県山鹿市であった。女性約千人が民謡「よへほ節」などの調べに合わせて踊ると、頭に載せた、金色の和紙でできた金灯籠のあかりが揺らめいた。

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2018/8/16ニュース

英仏伊薫る 繊維人の城 綿業会館(もっと関西)

 大阪・船場の綿業会館は重厚な石造りの外観。歴史と風格を感じさせるが、現代のオフィス街にもとけ込む素朴なたたずまいだ。三休橋筋沿いの玄関も装飾を抑え、落ち着いた印象を与える。だが扉を開けて内へ入ると一気に視野が開け、豪勢な内装に圧倒される。
 頭上のシャンデリアが玄関ホールの広い空間を照らし出す。大理石を敷き詰めた床、眼前にそびえる左右対称の石段。整った石造アーチから廊下へと導かれる。荘厳さの中に調和を見いだすイタリアルネサンス様式でまとめられている。

■壁面に「抽象画」

 「部屋ごとの様式の違いに注目して下さい。綿業会館の魅力です」。建物を管理する日本綿業倶楽部の品川和三総務部長が言う。綿業会館は大阪の繊維産業が大いに繁栄した昭和初期、繊維産業を中心とする経済人たちの交流の場として建造された。多様な様式を取り入れることで、各国からの賓客に対応することを想定したのだという。
 3階の談話室は17世紀前半の英国で流行したジャコビアン様式。重厚で直線的なデザインと豊富な装飾が特徴だ。木製の壁や床、柱に細かな装飾が施され、黒光りを放つ。
 室内には同じ様式のテーブルと椅子が並び、往事の繊維人たちがくつろぐ様子が想像できる。ひときわ目を引くのが壁一面を使った清水焼のタイルタペストリー。高さ6メートルの天井までを埋め尽くす。遠目では巨大な抽象画のようであり、近づくと多種多様な模様が楽しめる。館内で最も豪華な場所と言われる。
 3階会議室は通称「鏡の間」。壁の大きな鏡に由来する名称だ。ナポレオン帝政下のフランスで流行したアンピール様式。直線的で均整を重んじる。「じゅうたんをめくってみて下さい」と品川部長。天然石の床材にアンモナイトの化石がいくつも目にできる。木製かと思った扉の枠や壁の部材も、よく見ると木目調の大理石。見上げれば、楕円形にかたどられた天井が不思議な雰囲気を醸す。
 貴賓室と呼ばれる特別室はクイーン・アン様式。窓や壁が直線的なのに対し、天井や壁、調度品に曲線を多用する。大会議室はアダム様式。18世紀後半の英国で流行し、繊細で優雅な室内装飾を取り入れている。

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