伝統的工芸品ニュース

カテゴリー:伝統的工芸品

2018/11/16伝統的工芸品

晩秋の装い山肌パッチワーク 丹波焼の里 兵庫・篠山

 日本六古窯の一つ「丹波焼」で知られる兵庫県篠山市今田町はこの時期、もう一つの魅力に包まれる。周囲の山では、点在するクヌギやナラなどの落葉広葉樹が色づき、パッチワークのように彩られる。白壁といぶし銀の瓦屋根が特徴の兵庫陶芸美術館周辺はとりわけ華やかだ。
 江戸期から続く窯元で伝統工芸士の大上巧さんによると、一帯は岩山でやせた土のため、木材として価値のあるスギやヒノキなどの植林ができなかったという。「結果的にはそれが幸いし、ここならではの景観を形作っている。一年で最も好きな季節です」
 同館からは窯元群も眺められる。兵庫陶芸美術館TEL079・597・3961

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2018/11/12伝統的工芸品

学生がガイド、登り窯で知る京焼・清水焼の魅力

 京焼・清水焼の魅力を伝えるイベント「登り窯で知る京焼・清水焼 歩く器 食べる器 覗く器」が10日、京都市東山区の五条坂京焼登り窯であった。多くの来場者が通常非公開の登り窯の見学ツアーなどを楽しんだ。
 イベントは、京都造形芸術大と東山区役所が企画。同大学の1、2年生計11人が参加し、区内の陶芸職人が作品展示で協力した。
 会場では、学生たちがガイドとなって見学ツアーを行い、登り窯の歴史や京焼・清水焼の制作方法を解説した。作家の作品で抹茶や茶漬けを楽しむカフェコーナーもあり、2年生の眞先巧さんは「京焼・清水焼を知るきっかけになればうれしい」と話した。

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2018/11/8伝統的工芸品

「奈良墨」が国の伝統的工芸品に 県内3品目の指定

 県産業振興総合センターは7日、奈良市内で生産されている「奈良墨」が、経済産業相から国の伝統的工芸品に指定されたと発表した。国の指定を受けるのは、県内では昭和50年の「高山茶筌(ちゃせん)」、52年の「奈良筆」に次いで3品目。
 奈良墨は室町時代に興福寺(奈良市)で燈明(とうみょう)のすすを集め、膠(にかわ)と合わせて油煙墨(ゆえんぼく)を作ったのが始まりとされる。社寺が多い奈良では、写経などで墨を使う機会が多いことから墨作りが産業として発展し、現在では国内シェアの9割を占めている。
 今年6月、市内の製墨業者でつくる奈良製墨組合が初めて指定の申し出を行い、実現した。後継者不足が深刻といい、今後は県や奈良市がパンフレットを作成するなど、県内外へのPRを強化するという。
 同組合の綿谷昌訓理事長は、「大変うれしい。これを機に、多くの人に墨になじみを持ってもらえるよう活動し、奈良墨の技術を後世に継承していきたい」とコメントした。

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2018/11/8伝統的工芸品

沖縄の楽器「三線」国の伝統的工芸品に指定 楽器は全国2件目

 琉球王国時代に中国から伝わり、独自の発展を遂げ、広く庶民に普及した三線が7日、国の伝統的工芸品に指定された。経産省が官報に掲載した。県内からの指定は2017年の「南風原花織」以来で、16品目となる。楽器が指定されるのは全国で2件目。
 沖縄県三線製作事業協同組合は、県産三線普及ブランド化委員会を16年に発足させ、ブランド化事業の一環として指定を目指してきた。同組合が経産省に6月末に申請し、8月の伝統的工芸品指定小委員会での審議などを経て、正式に決定した。
 指定を受け、生産者の後継者育成や販路開拓、技術の伝承などに対して、経産省からの補助金が得られる。
 同組合理事長の渡慶次道政氏は「感無量でうれしい。三線の普及・ブランド化に取り組みたい」と話した。
 国の伝統的工芸品の指定には、日用品であることや100年以上続く伝統的な技術・技法であることなどの五つの要件がある。

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2018/11/5伝統的工芸品

子どもの成長見守った人形に手合わせ、感謝込め別れ惜しむ「捨てるのは忍びない」 さいたまで人形供養

 さいたま市岩槻区太田の岩槻城址公園で3日、恒例の「人形供養祭」が行われ、市内外から訪れた約6千人が人形との別れを惜しんだ。
 岩槻人形協同組合が毎年この時期に行っており、1965(昭和40)年に始まり、今年で54回目。飾らなくなった人形を心を込めて供養しようと、ひな人形などの日本人形だけでなく、西洋人形や縫いぐるみなど、さまざまな人形を受け入れている。今年は各店などに事前に寄せられた約7千体と、会場に持ち寄られた約1万5千体の計約2万2千体が供養された。
 持ち寄られた人形は公園内に建てられた「人形塚」脇の黒門前に並べられ、愛情を注ぎ、子どもたちの成長を見守った人形たちに感謝の言葉を送るとともに、静かに手を合わせる人々の姿が見られた。式典では岩槻仏教会の僧侶による読経の中、参加者による献花、焼香が行われた。

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2018/11/2伝統的工芸品

映画「ハルカの陶」岡山・備前ロケ順調 リアルさ追求し陶友会が全面協力

 備前焼を題材にした映画「ハルカの陶(すえ)」のロケが、舞台となる岡山県備前市を中心に順調に進んでいる。制作の過程をリアルに映して備前焼の魅力を発信しようと、作家らでつくる岡山県備前焼陶友会などが全面協力。主演の奈緒さん、人間国宝役の笹野高史さんらに技術指導し、画面を彩る小道具として作品を提供するなど撮影を支えている。
 ロケ2日目の10月22日は、前日まで繰り広げられた備前焼まつり会場で撮影。作務衣(さむえ)姿の笹野さんがろくろを回す場面では、陶友会の若手が「手全体で土を包むように」などと実演しながらアドバイスした。
 原作の漫画で修の工房のモデルとなった備前焼作家榊原清人さん方(同市伊部)もロケ先に。窯焚(た)きシーンでは、陶友会員が3日間張り付きで火入れした窯を管理。まきのくべ方やせりふが不自然でないかなど確認し、窯の温度計の示す数値にまでこだわった。
 備前焼の美術監修も同会が引き受け、はるかが魅了される鮮やかな焼け色の大皿などを用意した。平山さんは「備前の皆さんと一緒に作品を作り上げている感覚」、奈緒さんは「備前焼に一生懸命になることが、はるかを演じることにつながる。映画の主役は備前焼」と笑顔をみせた。
 景気の低迷などにより売り上げが落ち込み、備前焼を取り巻く環境は厳しく、陶友会は映画化を魅力を広く伝える好機と期待を掛けている。同会の木村宏造理事長は「映画には備前焼の制作の難しさや繊細さが表現されている。国内外に作品を発信し、新たなファン獲得につなげたい」と話している。
 撮影は2日まで行う予定で、来年秋の公開を目指す。

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2018/10/11伝統的工芸品

「奥会津編み組細工」 農村の技 人呼ぶ宝 今風バッグ 高値&人気 アカデミー開講定住きっかけに 福島県三島町伝統的工芸品

 山ブドウ籠やマタタビざる……。かつて農作業などで日常的に使われていた民具を活用し、移住対策や地域おこしにつなげる取り組みが東北地方で進む。伝統的工芸品「奥会津編み組細工」の産地、福島県三島町では、都市住民らに今風にアレンジしたバッグ作りや農作業を1年間体験してもらい、技術の継承者として高齢化が進む町への定住を狙う。製品を販売する町の祭りには2万人以上が訪れるほど。農山村の技が地域に人を呼び込む宝に変わっている。
 30~50代の男女5人が集まり、薄い緑色の縄で黙々とバッグを編んでいく。5人は、三島町が2017年に開講した「生活工芸アカデミー」の2期生。作っているのは、細長い葉の植物「ヒロロ」を使ったヒロロ細工。もともとは、山仕事や農作業に行く際に、道具や弁当を入れる腰籠などが、手提げや斜め掛けバッグといった実用品に形を変えた。ヒロロの他、山ブドウ細工とざるなどのマタタビ細工がある。

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2018/9/21伝統的工芸品

伝統工芸の生き残りをかけたブランディング

 世界で勝負するラグジュアリーブランドへ―。岡野(福岡県那珂川町、岡野博一社長、092・952・3586)が博多織の伝統を生かしながら、洗練されたデザインの製品を次々と打ち出している。商業施設「GINZA SIX」や「六本木ヒルズ」に相次いで出店するなど、ブランド確立へ果敢に突き進む。
 経糸を通常の織物より多く使う博多織は締めやすく緩みにくいとされ、繊細な柄を表現できる。締める時にキュッと音が出る「絹鳴り」も絹織物としての特徴の一つ。
 そんな特徴を凝縮したネクタイが「ERIOBI」。帯と同様に襟元を「締める」共通点を生かし、風車やうろこなどが連なる模様をあしらっている。スカーフ「KAI」のデザインは江戸時代に幕府へ献上した献上柄がベース。「暮らしの道具として目に写る形で伝統を飾ってもらえたら」(岡野社長)と「OKANO」ブランドの新作を出し続ける。

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2018/9/10伝統的工芸品

西陣織支える知的障害者 工房開所15年、10業者から受注

 「ガッシャン、ガッシャン」-。3階建てビルの中から、機織りの音がリズム良く響いてくる。慣れた手つきで布を織り上げるのは、京都市北区の就労継続支援事業所「西陣工房」で働く知的障害のある人たち。工房は開所から今年で15年目を迎え、「福祉から地場産業を支える」という目標に向かって着実に歩を進めている。
 工房ができたのは2004年9月。西陣織の工程の一つで経糸を整える「整経」を行う家で育ち、京都市内の福祉施設で長く働いていた河合隆施設長が、西陣織と福祉をつなげられないかと考え、立ち上げた。
 はじめは知的障害のある3人で組みひもの生産からスタート。2007年には修学旅行生や観光客に、工房で働く人が組みひも作りを指導する体験教室を始め、今では年間に約700人が工房を訪れる。その後、糸繰り機や複雑な文様を織れる「ジャカード機」を順次導入し、本格的な西陣織の技術習得に乗り出した。
 中村賢太郎さんは、工房に通い始めて2年目。今年8月から、手織りできるジャカード機を使って作業を始めた。正絹の糸を機械に通し、美しい紋を織り上げていく。「手で織るのは楽しい」と、笑顔を見せる。

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2018/9/7伝統的工芸品

受講生縫った菅笠贈る 福岡の菅笠製作技術保存会

 高岡市の越中福岡の菅笠(すげがさ)製作技術保存会(城山孝会長)は6日、市役所福岡庁舎で福岡町観光協会(石澤義文会長)に花笠用の菅笠60個を贈った。
 23、24日に開かれる福岡町つくりもんまつり(北日本新聞社共催)の最終日に行う「越中菅笠音頭」「福岡つくりもん囃子」の街流しで福岡小学校6年生が使用するほか、同校の運動会などでも使われる。
 菅笠は市が実施している「菅笠づくり後継者育成講座」の講師と受講生、事務局の職員合わせて20人が製作した。
 同保存会の城山会長は「講師や受講生が一生懸命縫った菅笠を大切に使って下さい」と話した。石澤観光協会長は「福岡地域が誇る菅笠を子どもたちに伝えるために使わせてもらいます」と述べた。

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