伝統的工芸品ニュース

カテゴリー:伝統

2018/9/4伝統

中ノ沢こけし「独立」 猪苗代発祥、全国コンクール名称承認

 伝統こけしの新系統を掲げる猪苗代町発祥の「中ノ沢こけし」が、宮城県大崎市で開かれた「全国こけし祭り」で"独立"を認められた。全国で11系統ある「伝統こけし」以外の分類が全国規模のコンクールで認められたのは初めて。
 中ノ沢こけしはデザインや木地技術に違いがあったが、全国に11系統ある伝統こけしとしては同町に接する福島市の土湯温泉を本拠とする土湯系に含められてきた。
 今回は中ノ沢こけしの工人でつくる「たこ坊主会」(柿崎文雄会長)が土湯こけし工人組合から独立呼称の承諾を得たことなどから、コンクール審査委員会が「中ノ沢こけし」の名称を認めた。
 全国こけし祭りはこけしの三大コンクールの一つで、8月31日~2日に開かれた。

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2018/7/24伝統

「大暑」…兵庫・出石の児童ら浴衣姿で打ち水、涼を呼ぶ

 「大暑」の23日、豊岡市出石町では、地元の子供や住民らが浴衣姿で「打ち水」を行った。涼感を誘い、連日の猛暑を乗り切ろうと、かけ声にあわせて水をまいていた。
 「城下町出石打ち水大作戦」と名付けた試みで、但馬國出石観光協会の呼びかけに町内の商店などが協力。8月末まで、気温30度を超えるとみられる日の午前と午後、一斉に打ち水を行うことにしている。
 この日は市立弘道小学校の児童や同協会の関係者ら計約20人が集い、強い日差しの中、いずし観光センター前や辰鼓楼前などで「せぇの」の声にあわせ、柄杓にくんだ水をまいた。4年生の女児は「涼しい気持ちになった」。
 出石城跡前には出石焼の風鈴約400個も飾られ、夏の風情を演出している。同協会は「冷たい出石そばでもぜひ涼感を味わってほしい」とPRしている。

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2018/7/17伝統

夏の日差しで漆精製 輪島の工房、天日黒目始まる

 生漆を夏の日差しにさらして精製する「天日黒目(てんぴぐろめ)」の作業が16日、輪島市横地町の大徹漆器工房で始まった。気温30度を超す暑さの中、職人が汗を拭いながら漆を丁寧にかき混ぜた。
 天日黒目は、輪島塗の仕上げ工程「上塗り」用に漆を精製するため水分を減らす作業で、市無形文化財となっている。炎天下、職人2人が交代で、おけに入れた乳白色の漆を櫂(かい)でかき混ぜると、1時間半ほどで光沢のある茶色に変わった。
 同工房は長年、岩手県浄法寺町産の漆を使っており、今年は12キロを精製する。初日は4キロで、八井凡親会長は「暑すぎて冷ますタイミングなど調整は難しかったが、上質の漆ができた」と話した。

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2018/6/25伝統

小松の歌舞伎文化、金沢和傘で発信 石川の伝統文化PRへ制作

 小松市に息づく歌舞伎文化を発信する「金沢和傘」が制作される。小松市高堂町の九谷焼作家北村隆さんが歌舞伎役者の隈取りをデザインし、金沢市千日町の「松田和傘店」の3代目松田重樹さんが仕上げる。24日には歌舞伎「勧進帳」に込められた「智仁勇」の言葉が傘に記された。8月ごろ小松市への寄贈を予定する松田さん、北村さんは「『小松和傘』として石川の伝統文化をPRする機会に活用してほしい」と話している。
 県の伝統的工芸品の一つである金沢和傘を手掛ける松田さんは、伝統工芸の九谷焼を鑑賞するのが好きで、歌舞伎などの伝統芸能にも興味があるため、小松市を頻繁に訪れている。

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2018/5/28伝統

奄美産の天蚕糸活用へ 大島紬新ブランドも期待 有識者や織元が取り組み

 天蚕と呼ばれる蚕の繭から取れる糸を大島紬に織り込んで、新たな製品づくりにつなげようという試みが奄美大島で進んでいる。昆虫に詳しい研究者と奄美市の織元が連携した取り組み。関係者は、奄美大島に分布する天蚕の糸は成分などが本土産と異なる可能性があるとみて、新ブランド創出にも期待している。
 天蚕は国内に分布するヤママユガの幼虫。体長約10センチで、緑色が鮮やか。採取される天蚕糸(テグス)は織物の原料にも使用され、光沢があってしなやかでしわになりにくいことから「繊維のダイヤモンド」ともいわれる。江戸時代に天蚕飼育が始まった長野県安曇野市では天蚕糸を原料とした和装、洋装品が生産、販売されている。
 奄美大島での研究は東京農工大学農学研究院の横山岳准教授など有識者4人による研究グループと、大島紬織元の南修郎さん(奄美市名瀬)、奄美昆虫同好会事務局長で奄美市立小宿小学校教諭の鮫島真一さんが連携。一般財団法人大日本養蚕会の助成を受け、2017年度にスタートした。

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2018/5/1伝統

富山)「平成の御車山」が完成披露 職人ら祝う 高岡

 富山県高岡市などの伝統工芸の技術を駆使した「平成の御車山」の完成披露式が4月30日、同市の高岡御車山会館であり、制作に携わった職人ら約50人が完成を祝った。
 平成の御車山は、高岡の金工や漆工、南砺市の井波彫刻などの技を後世に残そうと、江戸期以来初めて新たに作られた。2013年度に制作が始まり、総工費2億8千万円のうち約8千万円を市民らからの寄付でまかなった。
 山車の頂きには県西部・南砺市の井波彫刻で彫られ、2100枚の金ぱくが貼られた「ほうおう」が飾られているほか、車輪は漆で黒く塗られ、高岡市内の鋳物工房で作られたかたかごの花の金具が取り付けられるなど、随所に地元に伝わる伝統の技を見ることができます。
 30日、高岡市で開かれた完成式典には製作に携わった職人や市民など約100人が集まり、高さ7.8メートルのきらびやかな山車を盛んに写真におさめていました。
 高岡市の70代の女性は「新しい山車が完成するのを楽しみに来ました。高岡の宝だと思います」と話していました。
「平成の御車山」は、30日から高岡御車山会館で展示されています。

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2018/3/29伝統

地元団体植樹 苗木200本、成長に15年 輪島漆 未来へつなぐ

 ウルシを中心とした森づくりに取り組む石川県輪島市の住民団体が設立二周年を迎える。市内の山に約二百本を植樹して、生育も順調。団体発起人の漆芸家塩多朋子さんは、輪島漆を使った輪島塗の復活に向けて「今、挑戦することに意味がある」と意気込んでいる。(関俊彦)
 団体は「輪島漆『集いの森』」。二〇一六年四月、塩多さんが漆芸家の夫・政喜さんと呼び掛け、漆器職人や地域住民ら十九人でつくった。結成の背景には、名高い輪島塗の産地にもかかわらず、原材料に地元産の漆がほとんどないことへの疑問があった。
 輪島市では現在、年間で約四万トンの漆を使っているが、国内の生産は約一万トンと少なく、大半は中国産。市内では一九六〇年ごろまで、農家が日当たりの良い畑のあぜでウルシを育てていたが、安価な中国産漆が台頭すると、育てる人が減少した。
 市も七〇年ごろ、漆の確保のため、漆器や林業関係者らにウルシの苗木を配り、十三万本の育成に取り組んだ。しかし、頻繁に雑草を刈る手間などが影響し、現在までに残ったのはわずか二千本。三人いる漆かき職人の仕事もほとんどない状況が続いている。

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2018/3/26伝統

埼玉)秩父銘仙を着て卒業式 秩父市立南小学校

 秩父を代表する絹織物「秩父銘仙(めいせん)」。大胆でモダンな柄で大正から昭和初期までおしゃれな普段着として流行し、国の伝統工芸品にも指定されている秩父銘仙を卒業生や教師が着て臨む卒業式が23日、秩父市立南小学校で行われた。
 銘仙を着ることで秩父の伝統産業への理解を深めてもらい、銘仙の振興につなげたいと、同市地域おこし協力隊の関川亜佐子さんらが企画した。
 卒業生28人と教員2人が、女子は秩父銘仙にはかま姿で、男子は秩父縞(しま)の着物姿で臨んだ。いずれも学区内にある「ちちぶ銘仙館」が所蔵する着物などで、一部は帯や小物などと共に市民から寄贈された。児童らの着付けは約10人のボランティアが手伝った。
 卒業式を終えた辺見茉愛(まな)さんは「すてきな着物で、着心地も良かった。心に残る卒業式になりました」と話した。

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2018/3/23伝統

キレイの一言、カシオ「OCEANUS」江戸切子の技法使用

 3月22日(現地時間)、スイスのバーゼルでウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2018」が開幕しました。会場に大きなブースをかまえるカシオ計算機も、数々の新作ウオッチを発表。
 なかでも、BASELWORLDで披露されるスペシャルモデルは、毎年の恒例であり目玉となっています。今年はG-SHOCK MR-Gスペシャルと、OCEANUSスペシャルが登場。ここでは、現地のカシオブースで押さえた、OCEANUSスペシャル「OCW-S4000S」の実機写真を紹介しましょう(サムネイルのクリックで拡大表示)。OCW-S4000Sは世界限定150本という希少なモデルで、日本での発売や価格は未定です。

○江戸切子のサファイアベゼルは東京の花火

 OCW-S4000Sのもっとも大きな特徴は、サファイアベゼル。これまでのOCEANUSとはガラリと印象が変わっただけでなく、約180年前から続く日本の伝統技法「江戸切子」によって、OCEANUSブルーのサファイアベゼルを加工しています。江戸切子の伝統を受け継ぐ職人集団「堀口切子」から、三代秀石 堀口徹氏が制作と監修にあたりました。
 サファイアベゼルは、複数の色を何層にも蒸着することで、深みのあるOCEANUSブルーを表現。そして、高い硬度を持つため加工が難しいサファイアに対して、精緻なカッティングを施しました。こうして作られたサファイアベゼルは、とてもきれいで繊細な輝きを放ちます。

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2018/3/22伝統

宮城)雄勝硯の再生へ 若き後継者、職人の道に

 石巻市雄勝町の特産の「雄勝硯」。震災の津波で大きな被害を受け、生産量は震災前の1割以下に減った。わずかに残る職人も高齢化する中、伝統を絶やすまいと、地元出身の若者が飛び込んだ。雄勝硯を再生して町に元気を取り戻すと決め、修業に励んでいる。
 ひしゃげた鉄骨、電線に絡まったウキや網。2011年3月、当時富山大1年だった徳水辰博さんは、変わり果てた故郷の姿を前に「空襲でもあったのか」と思った。両親や妹は無事だったが、祖母や親戚を亡くした。身近だった雄勝硯の工場も、すべて流されていた。
 幼い頃から工作や絵が得意で、小学6年の絵画コンクールでは、地元の職人が雄勝硯を彫る姿を版画にして県知事賞をもらった。以来、工芸品にひかれ、大学ではデザイン工芸を専攻していた。震災の年の夏休みに帰省し、がれきの中から拾い集めた原石や硯を水で洗う作業を手伝った。秋には硯の仮設店舗がオープン。その後も、帰る度に硯の磨きなどを手伝った。

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