伝統的工芸品ニュース

カテゴリー:伝統

2018/7/17伝統

夏の日差しで漆精製 輪島の工房、天日黒目始まる

 生漆を夏の日差しにさらして精製する「天日黒目(てんぴぐろめ)」の作業が16日、輪島市横地町の大徹漆器工房で始まった。気温30度を超す暑さの中、職人が汗を拭いながら漆を丁寧にかき混ぜた。
 天日黒目は、輪島塗の仕上げ工程「上塗り」用に漆を精製するため水分を減らす作業で、市無形文化財となっている。炎天下、職人2人が交代で、おけに入れた乳白色の漆を櫂(かい)でかき混ぜると、1時間半ほどで光沢のある茶色に変わった。
 同工房は長年、岩手県浄法寺町産の漆を使っており、今年は12キロを精製する。初日は4キロで、八井凡親会長は「暑すぎて冷ますタイミングなど調整は難しかったが、上質の漆ができた」と話した。

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2018/7/11伝統

「三線」国の伝統工芸品に指定を

 沖縄の伝統楽器「三線」の、国の伝統的工芸品への指定を目指す団体らの会議が那覇市で開かれ、来月に国に説明を行うなど指定に向けた取り組みを活発化させていくことを確認しました。
 那覇市の県立博物館・美術館で10日開かれた会議には、三線の製作者でつくる団体や有識者などおよそ20人が参加しました。
 三線は、製作を担う若い職人が減るなど伝統の継承が課題となっていて、団体などでは、活性化対策として後継者の育成などに補助金が受けられる国の伝統的工芸品への指定を目指しています。
 会議では、国の指定を受けるには、日常生活で利用されていることや、100年以上伝わる技術や技法があることなど5つの要件を満たす必要があることが説明されました。
 そのうえで、三線は、琉球王国時代から演奏され、戦後も琉球古典音楽や民謡で幅広く使用されているなど、要件を満たしていることが報告されました。
 会議では、団体などが指定を目指して来月に国に説明を行うなど、三線の伝統の継承に向けて取り組みを活発化させていくことを確認しました。
 三線製作事業協同組合の渡慶次道政理事長は「三線の生産は危機的な状況で、後継者の育成も必要です。県産品の良さを子どもたちに伝えるためにも、一丸となって取り組みたい」と話していました。

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2018/6/25伝統

小松の歌舞伎文化、金沢和傘で発信 石川の伝統文化PRへ制作

 小松市に息づく歌舞伎文化を発信する「金沢和傘」が制作される。小松市高堂町の九谷焼作家北村隆さんが歌舞伎役者の隈取りをデザインし、金沢市千日町の「松田和傘店」の3代目松田重樹さんが仕上げる。24日には歌舞伎「勧進帳」に込められた「智仁勇」の言葉が傘に記された。8月ごろ小松市への寄贈を予定する松田さん、北村さんは「『小松和傘』として石川の伝統文化をPRする機会に活用してほしい」と話している。
 県の伝統的工芸品の一つである金沢和傘を手掛ける松田さんは、伝統工芸の九谷焼を鑑賞するのが好きで、歌舞伎などの伝統芸能にも興味があるため、小松市を頻繁に訪れている。

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2018/5/28伝統

奄美産の天蚕糸活用へ 大島紬新ブランドも期待 有識者や織元が取り組み

 天蚕と呼ばれる蚕の繭から取れる糸を大島紬に織り込んで、新たな製品づくりにつなげようという試みが奄美大島で進んでいる。昆虫に詳しい研究者と奄美市の織元が連携した取り組み。関係者は、奄美大島に分布する天蚕の糸は成分などが本土産と異なる可能性があるとみて、新ブランド創出にも期待している。
 天蚕は国内に分布するヤママユガの幼虫。体長約10センチで、緑色が鮮やか。採取される天蚕糸(テグス)は織物の原料にも使用され、光沢があってしなやかでしわになりにくいことから「繊維のダイヤモンド」ともいわれる。江戸時代に天蚕飼育が始まった長野県安曇野市では天蚕糸を原料とした和装、洋装品が生産、販売されている。
 奄美大島での研究は東京農工大学農学研究院の横山岳准教授など有識者4人による研究グループと、大島紬織元の南修郎さん(奄美市名瀬)、奄美昆虫同好会事務局長で奄美市立小宿小学校教諭の鮫島真一さんが連携。一般財団法人大日本養蚕会の助成を受け、2017年度にスタートした。

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2018/5/1伝統

富山)「平成の御車山」が完成披露 職人ら祝う 高岡

 富山県高岡市などの伝統工芸の技術を駆使した「平成の御車山」の完成披露式が4月30日、同市の高岡御車山会館であり、制作に携わった職人ら約50人が完成を祝った。
 平成の御車山は、高岡の金工や漆工、南砺市の井波彫刻などの技を後世に残そうと、江戸期以来初めて新たに作られた。2013年度に制作が始まり、総工費2億8千万円のうち約8千万円を市民らからの寄付でまかなった。
 山車の頂きには県西部・南砺市の井波彫刻で彫られ、2100枚の金ぱくが貼られた「ほうおう」が飾られているほか、車輪は漆で黒く塗られ、高岡市内の鋳物工房で作られたかたかごの花の金具が取り付けられるなど、随所に地元に伝わる伝統の技を見ることができます。
 30日、高岡市で開かれた完成式典には製作に携わった職人や市民など約100人が集まり、高さ7.8メートルのきらびやかな山車を盛んに写真におさめていました。
 高岡市の70代の女性は「新しい山車が完成するのを楽しみに来ました。高岡の宝だと思います」と話していました。
「平成の御車山」は、30日から高岡御車山会館で展示されています。

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2018/3/29伝統

地元団体植樹 苗木200本、成長に15年 輪島漆 未来へつなぐ

 ウルシを中心とした森づくりに取り組む石川県輪島市の住民団体が設立二周年を迎える。市内の山に約二百本を植樹して、生育も順調。団体発起人の漆芸家塩多朋子さんは、輪島漆を使った輪島塗の復活に向けて「今、挑戦することに意味がある」と意気込んでいる。(関俊彦)
 団体は「輪島漆『集いの森』」。二〇一六年四月、塩多さんが漆芸家の夫・政喜さんと呼び掛け、漆器職人や地域住民ら十九人でつくった。結成の背景には、名高い輪島塗の産地にもかかわらず、原材料に地元産の漆がほとんどないことへの疑問があった。
 輪島市では現在、年間で約四万トンの漆を使っているが、国内の生産は約一万トンと少なく、大半は中国産。市内では一九六〇年ごろまで、農家が日当たりの良い畑のあぜでウルシを育てていたが、安価な中国産漆が台頭すると、育てる人が減少した。
 市も七〇年ごろ、漆の確保のため、漆器や林業関係者らにウルシの苗木を配り、十三万本の育成に取り組んだ。しかし、頻繁に雑草を刈る手間などが影響し、現在までに残ったのはわずか二千本。三人いる漆かき職人の仕事もほとんどない状況が続いている。

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2018/3/26伝統

埼玉)秩父銘仙を着て卒業式 秩父市立南小学校

 秩父を代表する絹織物「秩父銘仙(めいせん)」。大胆でモダンな柄で大正から昭和初期までおしゃれな普段着として流行し、国の伝統工芸品にも指定されている秩父銘仙を卒業生や教師が着て臨む卒業式が23日、秩父市立南小学校で行われた。
 銘仙を着ることで秩父の伝統産業への理解を深めてもらい、銘仙の振興につなげたいと、同市地域おこし協力隊の関川亜佐子さんらが企画した。
 卒業生28人と教員2人が、女子は秩父銘仙にはかま姿で、男子は秩父縞(しま)の着物姿で臨んだ。いずれも学区内にある「ちちぶ銘仙館」が所蔵する着物などで、一部は帯や小物などと共に市民から寄贈された。児童らの着付けは約10人のボランティアが手伝った。
 卒業式を終えた辺見茉愛(まな)さんは「すてきな着物で、着心地も良かった。心に残る卒業式になりました」と話した。

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2018/3/23伝統

キレイの一言、カシオ「OCEANUS」江戸切子の技法使用

 3月22日(現地時間)、スイスのバーゼルでウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2018」が開幕しました。会場に大きなブースをかまえるカシオ計算機も、数々の新作ウオッチを発表。
 なかでも、BASELWORLDで披露されるスペシャルモデルは、毎年の恒例であり目玉となっています。今年はG-SHOCK MR-Gスペシャルと、OCEANUSスペシャルが登場。ここでは、現地のカシオブースで押さえた、OCEANUSスペシャル「OCW-S4000S」の実機写真を紹介しましょう(サムネイルのクリックで拡大表示)。OCW-S4000Sは世界限定150本という希少なモデルで、日本での発売や価格は未定です。

○江戸切子のサファイアベゼルは東京の花火

 OCW-S4000Sのもっとも大きな特徴は、サファイアベゼル。これまでのOCEANUSとはガラリと印象が変わっただけでなく、約180年前から続く日本の伝統技法「江戸切子」によって、OCEANUSブルーのサファイアベゼルを加工しています。江戸切子の伝統を受け継ぐ職人集団「堀口切子」から、三代秀石 堀口徹氏が制作と監修にあたりました。
 サファイアベゼルは、複数の色を何層にも蒸着することで、深みのあるOCEANUSブルーを表現。そして、高い硬度を持つため加工が難しいサファイアに対して、精緻なカッティングを施しました。こうして作られたサファイアベゼルは、とてもきれいで繊細な輝きを放ちます。

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2018/3/22伝統

宮城)雄勝硯の再生へ 若き後継者、職人の道に

 石巻市雄勝町の特産の「雄勝硯」。震災の津波で大きな被害を受け、生産量は震災前の1割以下に減った。わずかに残る職人も高齢化する中、伝統を絶やすまいと、地元出身の若者が飛び込んだ。雄勝硯を再生して町に元気を取り戻すと決め、修業に励んでいる。
 ひしゃげた鉄骨、電線に絡まったウキや網。2011年3月、当時富山大1年だった徳水辰博さんは、変わり果てた故郷の姿を前に「空襲でもあったのか」と思った。両親や妹は無事だったが、祖母や親戚を亡くした。身近だった雄勝硯の工場も、すべて流されていた。
 幼い頃から工作や絵が得意で、小学6年の絵画コンクールでは、地元の職人が雄勝硯を彫る姿を版画にして県知事賞をもらった。以来、工芸品にひかれ、大学ではデザイン工芸を専攻していた。震災の年の夏休みに帰省し、がれきの中から拾い集めた原石や硯を水で洗う作業を手伝った。秋には硯の仮設店舗がオープン。その後も、帰る度に硯の磨きなどを手伝った。

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2018/3/22伝統

ハイビスカス40輪鮮やか 久留米高生「マレーシアの着物」お披露目 京友禅職人が手掛ける

 2020年の東京五輪に向け、世界196カ国・地域をイメージした着物を制作する企画「キモノプロジェクト」で、久留米高(久留米市西町)の生徒が担当したマレーシアの着物が完成し21日、久留米市役所でお披露目イベントがあった。デザインを考案した生徒たちも参加、出来栄えを自分の目で確かめた。
 プロジェクトは市内の呉服店経営、高倉慶応さんが代表の一般社団法人「イマジン・ワンワールド」が企画。マレーシアの着物で75カ国分が完成した。
 デザインしたのは、同校英語科の2年生40人。留学生を受け入れていたことから同国を選び、総合的な学習の時間を利用して民族衣装や自然、歴史などについて調べてアイデアを出し合った。生徒たちが描いたデザイン案を元に、京友禅の職人が制作した。
 背景に国旗の月と星を描き、国花のハイビスカス、民族衣装の代表的な模様「バティック」などを取り入れた鮮やかな着物が完成。「ハイビスカス模様はクラスの人数と同じ40輪。それぞれ色も違います」と笠有希さんが説明する。当初案の地色は黄色だったが、よりカラフルな柄を際立たせるため白色に変更し、小さな金の星をちりばめたという。
 会場には同国を含めた10カ国分の着物を展示したほか、生徒たちがパネル展示やスライドを使って制作過程を紹介。「作り手の思いが詰まった着物を多くの人に着てほしい。日本人として、国際人として、日本の文化や良さを世界に届けます」と述べた。

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