伝統的工芸品ニュース

カテゴリー:伝統

2018/5/1伝統

富山)「平成の御車山」が完成披露 職人ら祝う 高岡

 富山県高岡市などの伝統工芸の技術を駆使した「平成の御車山」の完成披露式が4月30日、同市の高岡御車山会館であり、制作に携わった職人ら約50人が完成を祝った。
 平成の御車山は、高岡の金工や漆工、南砺市の井波彫刻などの技を後世に残そうと、江戸期以来初めて新たに作られた。2013年度に制作が始まり、総工費2億8千万円のうち約8千万円を市民らからの寄付でまかなった。
 山車の頂きには県西部・南砺市の井波彫刻で彫られ、2100枚の金ぱくが貼られた「ほうおう」が飾られているほか、車輪は漆で黒く塗られ、高岡市内の鋳物工房で作られたかたかごの花の金具が取り付けられるなど、随所に地元に伝わる伝統の技を見ることができます。
 30日、高岡市で開かれた完成式典には製作に携わった職人や市民など約100人が集まり、高さ7.8メートルのきらびやかな山車を盛んに写真におさめていました。
 高岡市の70代の女性は「新しい山車が完成するのを楽しみに来ました。高岡の宝だと思います」と話していました。
「平成の御車山」は、30日から高岡御車山会館で展示されています。

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2018/3/29伝統

地元団体植樹 苗木200本、成長に15年 輪島漆 未来へつなぐ

 ウルシを中心とした森づくりに取り組む石川県輪島市の住民団体が設立二周年を迎える。市内の山に約二百本を植樹して、生育も順調。団体発起人の漆芸家塩多朋子さんは、輪島漆を使った輪島塗の復活に向けて「今、挑戦することに意味がある」と意気込んでいる。(関俊彦)
 団体は「輪島漆『集いの森』」。二〇一六年四月、塩多さんが漆芸家の夫・政喜さんと呼び掛け、漆器職人や地域住民ら十九人でつくった。結成の背景には、名高い輪島塗の産地にもかかわらず、原材料に地元産の漆がほとんどないことへの疑問があった。
 輪島市では現在、年間で約四万トンの漆を使っているが、国内の生産は約一万トンと少なく、大半は中国産。市内では一九六〇年ごろまで、農家が日当たりの良い畑のあぜでウルシを育てていたが、安価な中国産漆が台頭すると、育てる人が減少した。
 市も七〇年ごろ、漆の確保のため、漆器や林業関係者らにウルシの苗木を配り、十三万本の育成に取り組んだ。しかし、頻繁に雑草を刈る手間などが影響し、現在までに残ったのはわずか二千本。三人いる漆かき職人の仕事もほとんどない状況が続いている。

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2018/3/26伝統

埼玉)秩父銘仙を着て卒業式 秩父市立南小学校

 秩父を代表する絹織物「秩父銘仙(めいせん)」。大胆でモダンな柄で大正から昭和初期までおしゃれな普段着として流行し、国の伝統工芸品にも指定されている秩父銘仙を卒業生や教師が着て臨む卒業式が23日、秩父市立南小学校で行われた。
 銘仙を着ることで秩父の伝統産業への理解を深めてもらい、銘仙の振興につなげたいと、同市地域おこし協力隊の関川亜佐子さんらが企画した。
 卒業生28人と教員2人が、女子は秩父銘仙にはかま姿で、男子は秩父縞(しま)の着物姿で臨んだ。いずれも学区内にある「ちちぶ銘仙館」が所蔵する着物などで、一部は帯や小物などと共に市民から寄贈された。児童らの着付けは約10人のボランティアが手伝った。
 卒業式を終えた辺見茉愛(まな)さんは「すてきな着物で、着心地も良かった。心に残る卒業式になりました」と話した。

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2018/3/23伝統

キレイの一言、カシオ「OCEANUS」江戸切子の技法使用

 3月22日(現地時間)、スイスのバーゼルでウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2018」が開幕しました。会場に大きなブースをかまえるカシオ計算機も、数々の新作ウオッチを発表。
 なかでも、BASELWORLDで披露されるスペシャルモデルは、毎年の恒例であり目玉となっています。今年はG-SHOCK MR-Gスペシャルと、OCEANUSスペシャルが登場。ここでは、現地のカシオブースで押さえた、OCEANUSスペシャル「OCW-S4000S」の実機写真を紹介しましょう(サムネイルのクリックで拡大表示)。OCW-S4000Sは世界限定150本という希少なモデルで、日本での発売や価格は未定です。

○江戸切子のサファイアベゼルは東京の花火

 OCW-S4000Sのもっとも大きな特徴は、サファイアベゼル。これまでのOCEANUSとはガラリと印象が変わっただけでなく、約180年前から続く日本の伝統技法「江戸切子」によって、OCEANUSブルーのサファイアベゼルを加工しています。江戸切子の伝統を受け継ぐ職人集団「堀口切子」から、三代秀石 堀口徹氏が制作と監修にあたりました。
 サファイアベゼルは、複数の色を何層にも蒸着することで、深みのあるOCEANUSブルーを表現。そして、高い硬度を持つため加工が難しいサファイアに対して、精緻なカッティングを施しました。こうして作られたサファイアベゼルは、とてもきれいで繊細な輝きを放ちます。

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2018/3/22伝統

宮城)雄勝硯の再生へ 若き後継者、職人の道に

 石巻市雄勝町の特産の「雄勝硯」。震災の津波で大きな被害を受け、生産量は震災前の1割以下に減った。わずかに残る職人も高齢化する中、伝統を絶やすまいと、地元出身の若者が飛び込んだ。雄勝硯を再生して町に元気を取り戻すと決め、修業に励んでいる。
 ひしゃげた鉄骨、電線に絡まったウキや網。2011年3月、当時富山大1年だった徳水辰博さんは、変わり果てた故郷の姿を前に「空襲でもあったのか」と思った。両親や妹は無事だったが、祖母や親戚を亡くした。身近だった雄勝硯の工場も、すべて流されていた。
 幼い頃から工作や絵が得意で、小学6年の絵画コンクールでは、地元の職人が雄勝硯を彫る姿を版画にして県知事賞をもらった。以来、工芸品にひかれ、大学ではデザイン工芸を専攻していた。震災の年の夏休みに帰省し、がれきの中から拾い集めた原石や硯を水で洗う作業を手伝った。秋には硯の仮設店舗がオープン。その後も、帰る度に硯の磨きなどを手伝った。

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2018/3/22伝統

ハイビスカス40輪鮮やか 久留米高生「マレーシアの着物」お披露目 京友禅職人が手掛ける

 2020年の東京五輪に向け、世界196カ国・地域をイメージした着物を制作する企画「キモノプロジェクト」で、久留米高(久留米市西町)の生徒が担当したマレーシアの着物が完成し21日、久留米市役所でお披露目イベントがあった。デザインを考案した生徒たちも参加、出来栄えを自分の目で確かめた。
 プロジェクトは市内の呉服店経営、高倉慶応さんが代表の一般社団法人「イマジン・ワンワールド」が企画。マレーシアの着物で75カ国分が完成した。
 デザインしたのは、同校英語科の2年生40人。留学生を受け入れていたことから同国を選び、総合的な学習の時間を利用して民族衣装や自然、歴史などについて調べてアイデアを出し合った。生徒たちが描いたデザイン案を元に、京友禅の職人が制作した。
 背景に国旗の月と星を描き、国花のハイビスカス、民族衣装の代表的な模様「バティック」などを取り入れた鮮やかな着物が完成。「ハイビスカス模様はクラスの人数と同じ40輪。それぞれ色も違います」と笠有希さんが説明する。当初案の地色は黄色だったが、よりカラフルな柄を際立たせるため白色に変更し、小さな金の星をちりばめたという。
 会場には同国を含めた10カ国分の着物を展示したほか、生徒たちがパネル展示やスライドを使って制作過程を紹介。「作り手の思いが詰まった着物を多くの人に着てほしい。日本人として、国際人として、日本の文化や良さを世界に届けます」と述べた。

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2018/3/16伝統

砥部焼作家へ決意新たに 「陶芸塾」2年課程、11期生3人が修了

 砥部焼の技と文化を受け継ぐ人材を育てる「陶芸塾」の修了式が15日、愛媛県砥部町宮内の町役場であり、約2年間の課程を終えた11期生3人が次のステップへ決意を新たにした。

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2018/3/16伝統

ネット転売・人気過熱で中止、「おはじき」復活

 筥崎宮はこざきぐう(福岡市東区)と博多人形師のグループ「白彫会はくちょうかい」(同市西区)は13日、同宮で通年販売する新作のおはじきを発表した。
 売り出しは21日。
 同会は1980年、同宮の秋祭り「放生会ほうじょうや」の限定品としておはじきを作り始めた。しかし、人形師が高齢化していることに加え、インターネットオークションで転売されるほどの過剰な人気を理由に昨年、同宮は限定品としての販売を中止。新作に改め、通年で売ることにした。
 新作は「筥崎宮おはじき」で、放生会名物のガラス玩具「チャンポン」、正月恒例の神事「玉せせり」などを題材にした。放生会向けは10円玉大のものが25種類で1セットだったが、新作は一回り大きい500円玉大の20種類に改めた。
 同会の小副川おそえがわ祐二会長は「これまで買う機会がなかった人にも楽しんでもらいたい」と話している。
 桐きり箱入り3000円、額縁入り1万2000円で、当面計2200セットを販売する。20日午後7時から整理券を配り、21日午前9時から売り出す。整理券による優先販売は31日まで。

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2018/3/15伝統

埼玉の伝統雛人形 大学生の知恵で復活

 岩槻人形協同組合(さいたま市)は、文京学院大学(東京・文京)の学生と連携し、江戸時代に作られた「裃雛(かみしもびな)」を現代風にアレンジした新商品を6月に発売する。日本有数の人形産地である岩槻区だが、ひな人形と五月人形の販売が中心。若者の発想を生かした「ゆるかわいさ」が特徴の人形を通年で販売し、産地の発展につなげる。
 裃雛は1800年代に岩槻人形師、橋本重兵衛が考案。裃を着るような立派な男性と結婚できるようにとの願いが込められている。岩槻人形の基礎になったとされ、江戸末期から大正にかけて流行。現在は生産者がおらず流通していない。
 同組合と文京学院大は2016年3月、産学連携推進協定を締結。16年度に裃雛を現代に復活させるプロジェクトに取り組み、頭が大きく、居眠り姿の新裃雛の試作モデルを制作した。

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2018/3/5伝統

古武雄~魅力再認識する仕掛けを

 江戸時代に佐賀藩武雄領内で生産された陶磁器群「古武雄」に関する明るい話題が続いた。武雄市の青磁作家で重要無形文化財保持者(人間国宝)の中島宏さんが、約600点のコレクションを佐賀県に寄贈。武雄市観光協会は古武雄の祖といえる深海宗伝の顕彰事業に乗り出す。古武雄を再認識し、広く周知する契機にしたい。
 古武雄は17世紀前半から19世紀前半にかけて佐賀藩武雄領内で生産された陶磁器群。陶器は褐色の素地に白の化粧土を施し、緑釉(りょくゆう)や鉄釉で文様を描いたり彩色する点に特徴がある。象嵌(ぞうがん)や打ち刷毛目、釉のかけ流しなど、文様表現も多様だ。古唐津の流れをくむものの、唐津焼とは異なる意匠や技法もみられ、その独創性から価値が再評価されている。

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