2017.01.27

出石焼、岩谷堂箪笥、盛岡のトークショーの様子

今日から、

匠コーナー「伝統工芸出石焼 四人展」、特別展「盛岡の伝統工芸~岩手山麓・幾多のめぐみ~」、中央ステージ「岩谷堂簞笥と岩谷堂くらしな展」の展示が始まりました。

 

青山スクエアでは14時から恒例のトークショーが行われ、

それぞれの作品について、

お話しいただきました。

 

まずは、出石焼の山本さん。

 

この道37年の作り手

出石焼は、兵庫県北部の豊岡市に産地を持つ、

伝統的工芸品です。

 

特徴は白で、磁器で作られています。

 

出石焼が初めに作られたのは、

江戸の終わりの頃でした。

 

ただ最初の頃は、土で作っていたそうです。

それから五年くらい過ぎた頃、

磁器で有名な有田へ修行に行き、その後、職人を連れて帰ります。

そして兵庫県出石でも「柿谷陶石」という土が取れるようになったため、

磁器を作り始めたという歴史があります。

 

出石焼は、

見たとおり真っ白な磁器なのですが、

蝋抜きされている器に関しては、

その部分(釉薬がかかっていないため、手で触るとザラザラしています)だけ、

月日が経つと飴色の模様が出てくるようになります。

 

磁器にしては珍しく、

使えば使うほど味わい深くなるのが特徴なのです。

 

ただ、このことを知らないと、

茶渋が飛んで汚れてきたと勘違いしてしまう人もいます。

 

出石焼が飴色になるのは、

丁寧に使い続けてきた証。

 

そのことを、使い手にも覚えてほしいとおっしゃっていました。

 

続いて、岩谷堂箪笥の八重樫(やえがし)さんに、

お話をうかがいました。

 

岩谷堂箪笥の作り手

岩谷堂箪笥は岩手県の伝統的工芸品の一つです。

 

江戸中期から作られ始め、

ケヤキ、桐を使って組立て、

その上に漆をつけて、

鉄の金具をつけるのが特徴。

 

岩谷堂箪笥は、

3.11の大地震を経験し、建物が崩壊したり、

津波にあったりしました。

 

けれど、岩谷堂箪笥は、

傷はついたものの壊れず、

さらには中に入っていたものも無事だったという報告が上がっています。

 

そのため現在、

岩手県を中心に、

岩谷堂箪笥は急激に売り上げを伸ばしているとおっしゃっていました。

 

また、

岩谷堂箪笥が、

現在でも人気の工芸品として残っているのは、

デザイン性にもあるのではないかと考えているそうです。

 

昔は、畳の部屋に合う和の中の和箪笥を目指していましたが、

今は、フローリングの部屋でも合う、和だけど洋風の箪笥へと姿を変えています。

 

昔は結婚式の花嫁道具として買われていた岩谷堂箪笥ですが、

現在は幅が90cmのもので、

ブライダルとは関係のない時に売れているのも、

特徴の一つだとおっしゃっていました。

 

最後に、

盛岡手づくり村の佐藤さんに、

お話をしていただきました。

 

手づくり村の佐藤さん

今回「盛岡の伝統工芸~岩手山麓・幾多のめぐみ~」では、

伝統的工芸品だけではなく、

盛岡で作られている工芸品の中から、

27つの工房の人に参加をしていただきました。

 

とくに見ていただきたいのは、

草紫堂さんの「紫根染め」。

 

紫根染めは、昔から作られていたものでしたが、

ある時を境に途絶えてしまいました。

 

ですが、大正に入ってから復活し、

現在に至っています。

 

その他にも、

南部鉄器や竹細工、ぶどうやくるみで作った籠なども、

盛岡を現すのに代表的な工芸品です。

 

また、「亀甲織り」という、麻の工芸品があるのですが、

この特徴は、麻を育ててから繊維に加工し織り上げる――、

1から10まですべて自前で作っているとのことでした。

 

2月4、5日には青山スクエアで職人が来て実演をするので、

ぜひ見ていただきたいとのことでした。

 

さらに今週末の28日、29日は浄法寺塗りの作り手が、

実演をしに来ます。

国産漆の素晴らしさを、生でじっくりと見てほしいとおっしゃっていました。

 

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今回お話しいただいた方たちは、

匠コーナー「伝統工芸出石焼 四人展」~2月1日まで、

特別展「盛岡の伝統工芸~岩手山麓・幾多のめぐみ~」~2月8日まで、

中央ステージ「岩谷堂簞笥と岩谷堂くらしな展」~2月8日まで行っていますので、

是非一度、青山スクエアへお越しください。

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