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TRADITIONAL CRAFTS

三川内焼Mikawachi Ware

16世紀末の豊臣秀吉による朝鮮出兵に参加していた土地の支配者が、朝鮮から連れ帰った陶工に窯を焼かせたのが起こりです。
明治維新までは平戸藩の御用窯として栄えました。平戸藩が窯の経営を行っていた時代に、天草地方で陶石が発見され、技術・技法が飛躍的に発展し、その伝統は今も受け継がれています。

The origins of Mikawachi ware date back to the building of a kiln by Korean potters that were brought back to this area of Kyushu by landowners who had taken part in Toyotomi Hideyoshi's campaign to the Korean Peninsular at the end of the 16th century. The kiln here was used to fire porcelain for the Hirado clan up to the Meiji Restoration in 1868. As well as running the kiln, the Hirado clan was responsible for finding porcelain clay at nearby Amakusa and for the rapid development of skills and techniques, which are till alive today.

This ware is characterized by its over painting of cobalt on a white porcelain. Ever since the kiln was first fired, pieces were sent as tributes to both the court and warrior families and as a consequence, this china is of the highest quality, whether it be for everyday use or a special decorative item. The degree of care to produce items of such beauty and the delicacy of the work are part of its well established reputation. A great deal of tableware is being produced for use at some of Japan's finest restaurants. Items for use at the tea ceremony are also being made along with incense burner, sake flasks and vases. All are of the highest quality. The craft is now headed by 14 government recognized Master Craftsmen among the 240 employed by the 35 firms maintaining a craft of class.

  • 告示

    技術・技法


    成形は、ろくろ成形、型押成形、型打ち成形、「手ひねり成形」又は素地がこれらの成形方法による場合と同等の性状を有するよう、素地の表面全体の削り整形仕上げ及び水拭き仕上げをする袋流し成形若しくは「二重流し成形」によること。


    素地の模様付けをする場合には、透かし彫り、線彫り、浮彫り、はり付け、盛り上げ、イッチン、「おどりがな」、面とり、編み上げ手又は布目によること。


    下絵付けをする場合には、線描き、だみ、つけたて、墨はじき又は掻き取りによること。この場合において、絵具は、「呉須絵具」とすること。


    釉掛けは、「どぶ掛け」、流し掛け又ははけ塗りによること。この場合において、釉薬は、「石灰釉」、「柞灰釉」又は「青磁釉」とすること。


    上絵付けをする場合には、線描き、だみ、はけ塗り、掻き取り又は漆まきによること。この場合において、絵具は、「和絵具」又は「金銀彩絵具」とすること。

    原材料

    はい土に使用する陶石は、天草陶石又はこれと同等の材質を有するものとすること。

     

  • 作業風景

    工程1: 砕石

    三川内焼の陶石は、熊本県の天草で採取された高品質の天草陶石を使用します。原石をクラッシャーで叩き、スタンパーでさらに細かくします。一日じゅうつきつづけると、白い粉になります。

    工程2: 沈殿

    水槽で荒い粒子を沈殿させて取り除き、フィルタープレスで絞ると、細かい陶石の粉だけが集まり、粘土となります。最後に真空ドレイン機で粘土から空気を抜きます。これが陶器を焼くための「陶土」です。

    工程3: 成形(せいけい)

     

    器に「透かし彫」「手びねり」「貼り付け」といった技法もあります。

     

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    工程4: 乾燥

    太陽のもとで乾燥された器の表面を削り仕上げをし、滑らかにします。

    工程5: 素焼き

    器を窯に入れ素焼きします。900度、約8時間で適度な固さになり、この後の絵付作業が行いやすくなります。

    工程6: 下絵つけ、濃(だみ)

    呉須(ごす)という絵の具を使い、下絵をつけます。線描きした絵に、呉須で濃淡をつけます(「濃(だみ)」)。呉須は黒っぽく見えますが、焼きあがると青く美しいコバルト色に変化します。ここでも熟練の技が光ります。

    工程7: 施釉(せゆう)

    絵付が終わった器に釉薬をかけます。釉薬は、高温で焼き上げると、溶けてガラスのようになり、美しい光沢と強度をもった被膜となります。

    工程8: 本焼成(ほんしょうせい)

    1320度、20時間かけて焼き上げます。焼きあがると、器が壊れないよう、ゆっくり時間をかけて冷まし、いよいよ窯だしです。

    工程9: 上絵(うわえ)つけ

    本焼成の後、器の上から赤や黄色といった鮮やかな色を付けることもあります。上絵をつけた後は、上絵焼成といって、750度の窯で7時間かけて色を定着させます。

     

     

  • クローズアップ

    白磁の輝き、青の濃淡

    薄手の白磁(はくじ)に青一色で描かれた器は、一見地味に見えるが、手にとると繊細な輝きを放つ。三川内は平戸藩御用窯として栄え、近年は業務用食器を主流としてきたが、一般家庭むけの陶器づくりを模索している。

     

    白磁の輝き

    九州・佐賀の佐世保に近い三川内山(みかわちやま)。天満宮のすぐ手前に、平戸洸祥窯(ひらどこうしょうがま)がある。400年前に平戸藩御用窯の創設に大きくかかわった陶工のひとり、中里えい(なかざとえい、高麗媼=こうらいば)の直系で、明治より昭和16年まで、宮内省御用達を拝命してきた由緒ある窯元である。
    工房の隣にあるギャラリーにでは、青の濃淡で描かれた白磁が日の光に透き通って、美しい輝きを放っていた。
    17代目当主の伝統工芸士、中里一郎さんと、妻の由美子さんは、ともに伝統工芸士。一郎さんが器の形と窯の経営を担当し、由美子さんが絵付を一手に引き受ける。呉須(ごす=青い色を染める絵の具)で濃(だみ=青の濃淡で塗る)を入れながら、由美子さんは、「夫婦二人でやらないと完成しないんですよ」と微笑んだ。

    伝統工芸士・中里一郎さんは国家検定の一級技能士でもある。

    三川内焼の歴史~御用窯から民窯へ、業務用から一般家庭用へ~

    三川内焼は、激動の歴史の中にあって、輝きを増してきたといってもよいだろう。中世には南蛮貿易港として繁栄した長崎・平戸の港が近くにある三川内の皿山は、豊臣秀吉の朝鮮の役を契機に、二十六代平戸藩主松浦鎮信(しげのぶ)が連れ帰った李朝陶工のひとり、巨関(こせき)が、陶石に恵まれた三川内の地に窯を置いたのが始まりである。藩用作陶所が開かれ、御用窯として盛大に発展すると同時に、オランダや中国へむけた輸出用陶器の開発も盛んになった。
    慶長4(1868)年、徳川幕府が倒れると、御用窯であった三川内も民窯に転じた。しかし、早くから民窯としての経営実績をもっていた近隣の有田や伊万里と競争できるはずがなく、存亡の危機に瀕した。その後、販路拡張や意匠伝習所の創設などの甲斐あって盛り返し、料亭などで使われる業務用食器の生産が主流となり、近年は一般家庭用の食器生産にも力を入れるようになった。

    平戸洸祥窯の代表的な蕪絵(かぶらえ)。平戸藩主、松浦隆信公が子孫繁栄を願って蕪作りを奨励したところからきている

    三川内焼の伝統を背負う

    平戸洸祥窯は、高級品から日用食器まで、幅広く手がけている。最近は、介護用食器にも力を入れている。中里さん夫妻が作る介護用食器は、三川内焼独特の白磁の美しさと温かみに加え、持ちやすさに工夫が凝らされていて、使いやすいと評判だ。
    一郎さんは、生家が窯元であったため、幼い頃から窯を見ながら育った。中学生になれば、窯焚きや土を踏む手伝いをさせられた。「窯と一緒に育ったようなものです」と一郎さん。
    400年続く窯元といえども、産業として三川内の窯元の看板を背負うのは並大抵ではない。先祖から受け継いできた伝統を守りぬきながらも、時代の求める新しいものを生み出そうと切磋琢磨する。ひとつの形が完成したら、消費者に飽きられないよう、常に新しいものを生み出す。その繰り返しなのだそうだ。『これがいいね』と言われるようになるまで、ひたすら探求の毎日です」と、一郎さんは語る。

    下絵つけ。取っ手を握りやすいよう一郎さんが考案した介護用マグカップ

    新しい時代を担う後継者

    中里さん夫妻の長男、太陽(たいよう)さんは、昨年、若手工芸家国外派遣の研修生に選ばれ、2000年10月から2001年2月までの半年間、オランダ随一の陶器産地デルフトで染付と色出しを学んだ。「これから自分がやっていくうえで、とても良い時間を過ごすことができました」と太陽さん。オランダ王立製陶所ロイヤル・ポーセリン・フレス社で2週間の実地製作を経験する機会にも恵まれた。伝統工芸の職人は、一人前になるために長い時間を必要とする。「三川内の伝統的な染付絵を大切にしながら、父にはない自分らしいものを見つけていきたい」と抱負を語る太陽さんが、とても頼もしく感じられた。

    オランダのデルフトで研修中の太陽さん

    結婚の記念にもどうぞ!

    平戸洸祥窯では、お客さん一人ひとりの希望にもっとこたえていこうと、注文陶器を作り始めた。絵や柄もお客さんの好みを聞いて描く。問屋を通さず窯元に直接注文してもらえば、ふだん使いの和食器をひととおり揃えても、同じ値段で市販されている食器より1グレード良いものができる。奥さんの由美子さんが絵付した小鉢のセットは、娘さんの結婚式の引き出物として大好評だったそうだ。「希望されるお値段の範囲で、世界にひとつしかない和食器セットが作れます。食卓を揃えたい方はぜひご相談ください」と一郎さん。
    伝統工芸士が絵付をほどこす、自分だけの器。新婚の食卓が白磁の輝きに彩られるなんて、素敵ではないか!自分が気に入ったものにはお金をかける今の時代、ちょっと贅沢な、こんな楽しみ方が増えてくるかもしれない。

    平戸洸祥窯
    〒859-3155長崎県佐世保市三川内町889
    TEL 0956-30-8606FAX 0956-30-8632
    E-MAIL:hirado_kohsyo@pop01.odn.ne.jp
    (営業時間8:30~16:30、定休日:土・日・祝日)

    こぼれ話

    唐子の献上品、平戸藩御用窯

    三川内焼のモチーフである唐子(からこ)模様は、愛らしい中国の子どもが扇を持って蝶を追い、松と牡丹のそばで戯れている様子を描いています。唐子絵は、平戸藩の御用窯・三川内の他では焼くことが許されない「お止め焼き」とされました。描かれる唐子の人数により、七人唐子は「献上品」として諸国大名へ献上され、五人唐子は藩の公用品、三人唐子は一般品と区別され、明治までは庶民が使うことを許されませんでした。
    その薄手白磁の美しさは国内にとどまらず、国外にも販路を広げました。17世紀の大航海時代には、南蛮貿易で栄えた平戸の港からは、オランダや中国へむけて、薄手のコーヒーカップなどが輸出され、王侯貴族たちに愛されました。

     

概要

工芸品名 三川内焼
よみがな みかわちやき
工芸品の分類 陶磁器
主な製品 香炉、酒器、花器、茶器、割烹食器
主要製造地域 長崎県/佐世保市
指定年月日 昭和53年2月6日

連絡先

■産地組合

三川内陶磁器工業協同組合
〒859-3151
長崎県佐世保市三川内本町343
三川内焼伝統産業会館内
TEL:0956-30-8311
FAX:0956-30-8312

http://www.mikawachi-utsuwa.net/

■関連展示場・施設

特徴

白磁に呉須(ごす)の青で絵柄を付けた染付が特徴です。窯を開いて以来、朝廷や、将軍家への献上品が多かったので、日用品から装飾品に至るまで、常に高級品を作り続けてきました。製品は繊細優美で、精巧緻密さには定評があります。

Mikawachi Yaki features gosu (cobalt blue) painting on a white porcelain. They are always created as luxury goods high quality enough to be conceded to the Emperor and the Shogun ever since the opening of the kiln. The products are reputed for its delicate elegance and sophistication.

作り方

原料は天草地方の陶石を使用し、手ろくろ、手ひねり、型打ち、袋流し等の技法で成形したあと、削り仕上げをし、約900度で素焼をします。素焼した素地に呉須による絵付けをし、釉薬(ゆうやく)を施し、1300度で本焼して完成させます。

Pottery stones in Amakusa region are used for its raw material. They are biscuit-fired at around 900℃ after shaped through wheel throwing, hand-twisting, casting and other methods. The biscuit is baked again at 1,300℃ after painted by gosu and gloss is applied.

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