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TRADITIONAL CRAFTS

駿河竹千筋細工Suruga Bamboo Ware

江戸時代初期に、主として武士の内職として始まりました。
19世紀中頃、竹細工の技を持っていた岡崎藩士が、清水猪兵衛に細工の技法を伝えたところから、この技を駆使して菓子器や虫籠を作り、東海道を上り下りする旅人に工芸品として売るようになりました。

Suruga bamboo ware dates beck to the beginning of the Edo period (1600-1868) when warriors almost exclusively made bamboo goods as a side job in more peaceful times. In the 19th century, the feudal lord in Okazaki, who was skilled in the art of bamboo weaving, passed on his techniques to Shimizu Inobei. Using these techniques, he made candy bowls and insect cages to sell to travelers on the Tokaido, the main road between Kyoto and Edo.

By bending strips of bamboo which have been whittled down to thin round canes and gradually assembling them into a ring of bamboo, it is possible to create various different shaped articles such as flower vases, trays, coasters, and insect cages. When complete, the round narrow canes have a tangible warmth and softness. This simple yet elegant craft is being sustained by 9 government recognized Master Craftsmen, among the 50 people employed by the 30 firms managing this small craft industry

  • 告示

    技術・技法


    「千筋ひご造り」は、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    「皮むき」は、「甘肌」部分を残すこと。

     
    (2)
    「くじき」をした後、「荒引き」、「二度引き」及び「仕上げ引き」をすること。

     
    (3)
    「煮沸」をした後、乾燥をすること。

     
    (4)
    「もみ込み」をすること。

     
    (5)
    「曲げ」をする場合には、「こて」を用いること。


    「輪造り」は、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    「煮沸」をした後、乾燥すること。

     
    (2)
    「みがき」には、もみがら若しくは、わら又は「左刃」を用いること。

     
    (3)
    「面取り」をすること。

     
    (4)
    「縁曲げ」には、「こて」又は「胴乱」を用いること。

     
    (5)
    継手の接合は、「はす継手」及び「止めくぎ」によること。

     
    (6)
    「目盛付け」には、「目盛定規」を用いること。


    「編み」をする場合には、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    「煮沸」をした後、乾燥をすること。

     
    (2)
    手作業による「へぎ」をすること。

     
    (3)
    「剪台」を用いて「厚み決め」をした後、「幅決め」をすること。


    「天上」又は「柱」がある場合のその接合は、「丸ほぞ」又は「角ほぞ」によること。


    仕上げをする場合には、木ろうを使用する「みがき仕上げ」又は漆塗りによること。

    原材料


    使用する竹材は、マダケ、モウソウチク、ハチク若しくはクロチク又はこれらと同等の材質を有するものとすること。


    くぎは、竹製とすること。


    漆は、天然漆とすること。

  • 作業風景

    工程1: 材料寸法取り

    ものさしで寸法をはかりながら鋸で竹を切ります。

    工程2: 小割り

    竹の皮は削り、「なた」で必要な寸法に割ります。

    工程3: 厚み決め

    小割りしたものを「せん台」で厚さを一定にします。

    工程4: 輪作り

    銅乱を熱し、竹を巻きつけて曲げ「輪」を作ります。

    工程5: ひご作り1

    小刀で切り込みを入れて、細かく割っていきます。先は細く削ります。

    画像をクリックすると動画が再生されます

    工程6: ひご作り2

    鉄板の穴に通して丸い「ひご」を作ります。

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    工程7: 曲げ

    ひごを熱したこてで曲げていきます。

    工程8: 穴あけ

    輪の部分にひごを通す穴をあけます。

    工程9: 組み立て

    輪にあけた穴に「ひご」を通して組み立てます。

     

  • クローズアップ

    繊細な竹千筋細工に宿る和の心

    登呂遺跡からも竹製のざるが見つかっているように、静岡では古くから竹細工が盛んに行われてきた。駿河竹千筋細工として精巧な技術が用いられるようになったのは1840年ごろからという。いさぎよい直線としなやかな曲線、その竹の妙技に心打たれる。

     

    竹に親しんできた静岡の歴史

    静岡駅に下り立つと、北口ロータリーの植え込みに孟宗竹が数十本、空に向かって伸びているのが目に入る。竹文化が根づいた土地なのだとあらためて感じられる。そして、思い出すのは「竹取物語」。かぐや姫の伝説をもつ町は日本中に多くあるらしいが、静岡県でも富士市にかぐや姫と竹取の翁が暮らしたと伝えられる場所がある。「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづの事に使ひけり。」この物語の冒頭の一節のとおり、竹は生活用具の多くに利用されてきたのだ。竹の弾力性を活かし、ひごを巧みに組み合わせた竹千筋細工は、伝統的な技術を使いながらも、つねに現代性を取り入れて時代に合ったものに進化している。

    問屋仕事からオリジナル作品へ

    「竹工房はなぶさ」の黒田英一さんは、この道に入り50年を超える。もともと物を作ることが好きで、子ども時代は模型の飛行機や船に興味があったという。祖父と叔父が竹細工職人。小学校5年のときに漆職人だった父が亡くなり、16才で叔父に弟子入りした。6年ほどで独立したが、最初は問屋からの注文仕事をこなす日々だった。「当時の職人は自分の仕事を人に見せたがらなかったですね。それから世の中が変わり、しだいに研修などを行うようになったんです。職人が互いに技術を見せ合い、いろいろなものが作れるようになりました。」

    柔軟さとしたたかさ

    「千筋」とは、畳の幅3尺(約90センチ)に1000本並ぶほどの細いひごという意味らしい。他産地では平ひごを編んで使うが、駿河竹千筋細工は丸ひごを使い、輪に穴をあけてひごを差し込む。「竹を割ったような性格」というが、竹が縦方向に割れていく様は、やはり潔い。先端部分に切り込みを入れてしならせると、どんどん切り裂かれてひごになる。それを微妙に大きさの違う数種類の穴をあけた鉄板に通して丸くする。熱を加えて曲げるとしなやかな流線を描くが、柔らかさの中にもどこか頑固さ、したたかさが感じられ、完成された花器や虫かごや行灯には、そうした竹の魅力が存分に活かされている。

    丸ひごが静岡の竹細工の特徴

    街を歩き、アイディアを吸収する

    住宅インテリアとしての需要が高まるにつれ、デザインも多様化しているようだ。「籐を加えて作ったり、木を台にしたり、あるいは四季を通して使えるように色を加えたりしていますね。」たしかに、生地のままの竹細工は涼しげで夏によく合うが、茶や黒の色を塗るとまた趣が変わり、落ち着いた印象を与える。「自由に作れるところに、やりがいを感じます。」と黒田さんは話す。アイデアはいろいろなところに転がっている。ある時、デパートの前の敷石が波打ったような模様になっているのを見て、「これは面白いかな」と思い、波型のフロアスタンドを作った。「女の人をイメージして作ったのかと言われますけどね。」

    黒田さんの作品「竹峰」

    つねに上を向いて努力する

    「自分の作品が思うように作れなかった最初のころは、楽しむよりは生活のため。ひとつでも多く作ろうと思いながらの仕事でしたが、こういう時代になって良かったと思いますよ。」と語る黒田さん。「展示会などで、たくさんの種類の中から自分の作品を目の前で買っていただけると、本当にうれしい。」新しいものに取り組むのが何より楽しそうだ。発表する場があれば、それに向けて意欲がわく。毎年新作展が開かれるので、つねに「今度は何を作ろうか」と考える。
    若い世代への期待も大きい。「若いからこそ、思い切ってチャレンジしてほしいですね。なかなかうまくいかなくても、そこからひとつひとつ階段を上がっていけばいいんですから。」

    使い慣れた古い道具で竹を自在に操る

    職人プロフィール

    黒田英一 (くろだえいいち)

    1931年静岡市生まれ。
    竹細工一筋50年。「自分で納得できる作品が、お客さんにも認めてもらえたときには最高の喜びがある。」

    こぼれ話

    インテリアとしての虫かご

    虫かごといえば今ではプラスチック製がほとんどですが、竹千筋細工の虫かごを見ると、あまりの繊細さに驚くばかりです。虫を入れるのにこんな立派なものを、という考えが一瞬浮かびましたが、そういえば、昔は「虫の音」を聞くのが秋の風流だったんですよね。
    なるほど、それならおしゃれな虫かごもぴったりです。駿河の竹細工で使われる丸ひごは、鳥かごや虫かごを作ったときに羽や触覚を痛めないという役割も果たしたそうです。
    ところで、こんなに素敵な虫かごですから、インテリアとしても幅広く使えそうです。電球を入れて小さな間接照明として使ったり、観葉植物の小さな鉢を入れてみたり。いろいろ工夫してみてはいかがでしょう。

    • いろいろな使い方を楽しめそうな繊細な虫かご

    • いろいろな使い方を楽しめそうな繊細な虫かご

     

概要

工芸品名 駿河竹千筋細工
よみがな するがたけせんすじざいく
工芸品の分類 木工品・竹工品
主な製品 花器、盛籠、茶托(ちゃたく)、盛器、盆、虫籠、菓子器
主要製造地域 静岡県/静岡市
指定年月日 昭和51年12月15日

連絡先

■産地組合

静岡竹工芸協同組合
〒420-0075
静岡県静岡市葵区五番町3-11
TEL:054-252-4924
FAX:054-273-2679

http://www.takesensuji.jp/

■関連展示場・施設

駿府匠宿

特徴

細く丸く削られた竹ひごをしなやかに曲げ、竹の輪に組み込んでゆく技法から、色々な形が生み出されます。出来上がりには丸ひごの持つ温かさ、柔らかさが感じられます。

Bamboo strips are shaved into thin, round pieces, and bent, then inserted into a bamboo ring, a technique that enables the creation of a variety of shapes. The rounded strips lend a softness and warmth to the finished product.

作り方

ニガタケ、モウソウチクという竹を主に用います。ひご作り、輪作り、編み、組み立ての四つの工程に大きく分けられ、ほぼ全工程を1人で行います。竹を割って材料を作り、熱を加えて竹を曲げ、竹を細くし、ひご通しに通してひごを作ります。輪に穴を開け、それにひごを組み立て仕上げます。

Mainly Japanese timber bamboo and moso bamboo are used. The construction is divided into four major steps: making the strips, making the rings, the weaving, and assembly. Nearly everything is done by a single person. Bamboo is split to make the materials, then heat is applied to bend it, then it is cut thin and passed through a stripper to make the bamboo strips. Holes are drilled in the ring, and the bamboo strips are inserted to assemble the items.

産地からの声

駿河竹千筋細工は生きものと考えて下さい。ちりやほこりは柔らかな刷毛で払い、汚れは十分に絞った布で軽く拭いて下さい。水、湯の中等で洗わないで下さい。風通しの良い乾燥した場所で使って頂ければ、竹特有のわびさびの風格ある色合いになります。

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