2018/4/2(月)

願いましては~播州そろばんへの思い

 国産シェア7割を誇る兵庫県小野市の「播州そろばん」。高山辰則さんは4年前、その職人の世界に10年以上続けたプログラマーを辞めて飛び込んだ。70代の職人に弟子入りし約1年で独り立ち。「作った物が実物として残るのは楽しい」と充実した表情だ。
 だが、現状に満足はしていない。播州そろばん職人19人の平均年齢は75歳。このままでは業界は立ち行かない。そろばん職人を支援する東京の市民団体に参加し、そろばん玉を使ったアクセサリー販売で後継者育成資金を積み立てる。
 大阪府出身。大学で情報工学を学び、東京や神戸のIT会社でシステム開発を手がけた。転機は妻の実家がある小野市に引っ越したこと。播州そろばんは最盛期に年間360万丁を生産したが、7万丁に落ち込んでいると知った。市と業界団体が後継者を募っていた。「地域の伝統を守りたいとの気持ちがわいた」。父親がそろばん教室の先生だった縁もある。妻に相談すると「やってみたら」と背中を押された。だが子供2人を抱え、収入は3分の1に。共働きの妻が支える。「生活が成り立つ仕事にしないと。伝統をつなぐ土台作りから始めたい」。駆け出し職人の目は先を見ている。【待鳥航志】

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