2019/5/14(火)

西陣織/中小企業後継ぎ、会社改革で危機脱出

関西各地で家業を継いだ若手や後継者による中小企業の事業刷新が進んでいる。なり手不足などの影響で全国的に中小企業数は減少し、取り巻く環境が厳しくなっている中での後継者らの挑戦。民間企業で経験を積んだ後継ぎによる自社ブランドの立ち上げなど、柔軟な発想が廃業危機を乗り越えるきっかけになるかもしれない。(地主明世)

「西陣織の後継者と知り合ったことがきっかけで、この靴の製作が実現しました」。華やかな織り柄があしらわれた靴を手に取り、説明するのは大阪市浪速区の婦人靴製造販売会社「インターナショナルシューズ」の専務、上田誠一郎さん(31)。西陣織と靴職人の技術が合わさった婦人靴は4月から高島屋大阪店に並び、好評だという。

上田さんは大手靴メーカーに務めた後、後継者として平成27年、祖父が創業した会社に戻った。神戸市長田区や東京・浅草と並ぶ靴産地の大阪市浪速区と同西成区周辺は、最盛期に靴工場が100以上あったが、安価な海外製品の流通などで打撃を受け、現在は20社にも満たない。

「このまま何もしなかったら自然淘汰される危機感があった」。もともと大手メーカーの下請けだったが、上田さんは自社ブランドを設立。日本製の商品にこだわるファッションブランド「ファクトリエ」との共同開発を行い、29年9月からインターネットでの販売にこぎ着けた。価格は2万円以上と高値だが、靴職人の手作りにこだわった履きやすさなどが人気を集めている。

海外への流通を目的に中国・上海などのイベントにも参加し、納品を実現したほか、観光客向けの工場見学ツアーも始めた。「これまでの技術を生かして、今までとは違うことにチャレンジしたい」と上田さんは意気込んでいる。

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