2019/8/16(金)

鎌倉彫製作70年の集大成に

鎌倉彫の職人として70年近くにわたって製作活動を続け、鎌倉彫伝統工芸士会会長なども歴任した小園博さんがこのほど、『鎌倉彫 遊心集』と題した作品集を出版した。小園さんはこれまで依頼を受けて製作した商品以外はほとんど販売しておらず、掲載した作品の多くは工房に眠って来たもの。「集大成と言える作品集になった」と話す。

小園さんは秋田県由利本荘市の出身。同県の職業訓練校で学んだ後、1952年に市内長谷の鎌倉彫工房に入社し、58年には独立して「小園漆工房」を設立した。

これまでに朝日現代クラフト展をはじめ多くの美術展、漆器展で受賞してきたほか、2009年には神奈川県から「卓越技能者」として表彰。また、伝統鎌倉彫事業協同組合理事長や鎌倉彫伝統工芸士会会長などを歴任し、業界の発展にも力を尽くしてきた。

追及してきたのは「生活の用の美」だ。小園さんはある雑誌の寄稿で「私は彫りの躍動感、漆の深い色、侘び寂、古くて新しい文様、文様の中の時間性、絵画風の構成のなかの叙情性、現代の暮らしの中で使える『もの』としての鎌倉彫を創っていくことに至福感を持っている」と語っている。

70年に迫るキャリアのなかでは、依頼を受けて製作した「実用品」以外にも、自らの思いやアイデアを表現した数百点に及ぶ「1点物」の作品を完成させてきた。ただ、これらのほとんどは販売しておらず、人目に触れるのは個展などわずかな機会だけだったという。

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