2019/9/27(金)

全米ベストセラーで日本の伝統工芸「金継ぎ」が使われた深いワケ

アメリカの出版業界で最も権威あるとされるニューヨーク・タイムズが発売前から記事にし、人気番組『60ミニッツ』が特集を組んだ。   ミラーさんはスタンフォード大学のすぐそばで育った中国人ハーフの女性。発売日、近所の書店は目立つところに彼女の著書を並べた。一方、スタンフォード大学構内の書店は目立つ場所での陳列がなく、まるで事件から目を背けたいかのような光景に見えた。ただ、書店から出てすぐの広場には学生たちが手作りのチラシを並べ、ミラーさんを支持する運動を展開していた。  

スタンフォード大学の構内

  実は、この本に関して特筆すべきなのが、表紙に日本の「金継ぎ」をイメージしたデザインがあしらわれたことだ。   すき焼き、芸者に始まり、寿司、カラオケなど英語ネイティブにそのまま伝わる日本文化は数知れない。着物、過労死なども最近話題になったし、Sudoku(数独)などむしろ日本人の方が知らないような言葉も広く普及している。   すでに普通の名詞では飽き足らず、解説が必要な少し深い言葉もうんちく付きで広がっている。「旨味」は5番目の味覚と叫ばれ、“ウマミスパイス”がスーパーの棚に並び、ウマミバーガーが人気となった。   そして、次なる流行語として、知識人が目をつけた日本文化が「金継ぎ(ゴールデンリペア)」である。壊れた部分を補強し、それをあえて強調することで、新しいものを作り上げるという日本独特の感性が共感を呼んでいる。   ミラーさんが事件から立ち直って強くなっていく姿を、日本の芸術になぞらえたのだ。   本の裏表紙、ミラーさんのプロフィールの下には金継ぎの解説文が添えられている。使い捨て文化がはやる昨今、金継ぎされた物を見る機会はほぼなくなっている。直した部分の景色を楽しむなど、日本文化の奥深さをこの本によって再発見させられた。   外国人の理解力は日本人の想像よりも深い。
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