2020/4/28(水)

加賀友禅、越前和紙に岡山デニム おしゃれな「ご当地マスクほしい」注文殺到

 新型コロナウイルスの感染拡大で品薄状態が続くマスク。政府による布マスクの配布も始まる中で、染め物や和紙といった全国各地の伝統工芸などを生かした「ご当地マスク」に注文が殺到している。新型コロナは全国に広がり地域経済への影響も大きいが、長年培われた技術が一筋の光明をもたらしている。

 石川県の伝統工芸品「加賀友禅」の技法で染め上げられた綿布を縫製した色鮮やかなマスク(1650円~)には、4月1日から17日までで9050個の注文が入った。当初の想定だった「コロナ収束までの間に5000個」をわずか10日で突破する人気ぶり。現在は縫製する人を増やし、休日返上で生産スピードを上げている。

 
 
越前和紙の特徴を生かしたマスク。特殊な和紙をフィルターのように挟み込んで使う=紙和匠提供

 伝統工芸品を販売する北市漆器店(加賀市)の北市博之社長が染めの技術を持つ奥田染色(金沢市)とともに開発。地元の魅力を発信しようと、耳ひもの産地や縫製といった仕上げ作業も「オール石川」にこだわった。北市社長は「何かできないかといてもたってもいられず、商売度外視で急いで作った。コロナの不安や恐怖で暗くなりがちだが、加賀友禅のおしゃれなマスクで少しでも楽しい気分になってほしい」と話す。

 福井県越前市では1500年の歴史を持つとされる「越前和紙」の特徴を生かしたマスク(1650円)が発売から1カ月で2万セット売れた。いずれも市内にある和紙製造の「石川製紙」と縫製の「ファインモード」が協力して開発したもので、布マスクに消臭効果成分として「ヨウ素」をすき込んだ特殊な和紙をフィルターのように挟み込んで使う。

 
 
越前和紙の特徴を生かしたマスクはキッズサイズの販売も始めた=紙和匠提供

 布部分が繰り返し使えるだけでなく、和紙も4日から1週間程度は使用できるという。販売を担当する石川製紙子会社「紙和匠」の石川靖代社長は「県外の購入者も4割いるなど全国から注文がある。最近では取り換え用の和紙の注文も多く、生産を急いでいる」と話す。

 国産ジーンズ発祥の地として知られる岡山県ではデニム生地のマスクが4カ月待ちの人気だ。同県総社市では市内でのマスク不足解消などを目的に、市内の障害者福祉施設にデニム生地を縫い合わせたマスクの生産を依頼。市が3月中旬から「総社デニムマスク」(1000円、2枚以上で1枚800円)として販売を始めたところ、全国から10万枚以上の注文が殺到した。当初は7事業所が生産していたが、11事業所に増やして生産を急ぐ。市の担当者は「ここまで大ヒットするとは思わなかった。障害者の社会貢献や生活の質の向上につながれば」と話している。

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