九谷焼職人の卵に10万円 能美の作家が支援

 九谷焼作家山田義明さん(72)=能美市泉台町=が8日までに、新型コロナウイルスの影響で困窮している市内の「九谷焼職人の卵」ら30人に、支援金として1人10万円ずつ支給した。春の叙勲で瑞宝単光章を受けた際、山田さんが理事を務める財団から贈られた300万円を全額活用した。収入減にあえぐ若手を応援し、技術の継承につなげる。

 

 山田さんが理事を務める「けやき並木・緑の杜財団」(奈良県生駒市)は伝統文化の振興や美術館の運営などを行っている。これまでも伝統工芸の職人らを対象とした奨学金などを設けて支援活動をしてきた。

 

 山田さんは叙勲を受章した際、同財団から「能美市の九谷焼振興に活用してほしい」として300万円を交付された。使い道を託されていた山田さんは、全額を九谷焼職人を目指す若者に寄付することを決めた。

 

 山田さんは外部講師を務める県立九谷焼技術研修所(能美市)を通じて希望者を募集。5日に同研修所の研修生を含む30人にそれぞれ支給した。

 

 同研修所の5月26日時点の調査によると、研修生の70%がアルバイトで生活費を賄っており、このうち86%が新型コロナの影響で収入が減少したと回答した。

 

 山田さんは「今は大変な時期だが、支援金が少しでも励みになればうれしい。引き続き九谷焼の勉強を頑張ってほしい」と期待を込めた。

 

 8日、同研修所では、支援金を受けた研修生を含む研究科の4人を対象に初のオンライン授業が行われ、山田さんが写生のコツや絵付けの構図への生かし方を説明した。同研修所は1日から授業を再開している。

元の記事を読む *外部サイトへリンクいたします。
totop