2020/6/18(木)

薩摩深水刃物の鍛造技術に職人のプライドを感じる | 枕崎市

鋭い切れ味。野鍛冶の技!

昔ながらの鋼(はがね)を使った「深水金(きん)」シリーズの「白紙 (しろがみ)」の小包丁は、刃渡り15cm、80gの小ぶりな造りが女性の手になじむ。鋭い切れ味と使いやすさで年間1,000本以上売る看板商品だ。

伝統の鍛造技術を駆使して刃物を製造する枕崎市の深水は、1919(大正8)年、創業者が加世田からこの地に移り鍛冶屋を始めた。荷馬車の車輪・車軸を造っていたが、昭和に入り自動車が普及。戦後、包丁を本格的に手掛けるようになった。

白紙のほか、地金を加工した「青紙」や高品質ステンレス系鋼材を使用した「薩摩守(さつまのかみ)」、地元のかつお節工場で使われる特殊な包丁類、鎌や鍬など多種多様な刃物を製造。2017年に県指定伝統的工芸品「薩摩深水刃物」の生産者指定を受けた。

包丁一丁ができるまでには50弱の工程があり、多くが手作業による。職人の迫洋一さん(53)は「一つ一つの工程が繊細で、角度や力の入れ具合が一つ狂えば最後に台無しになる。温度管理やタイミングは毎日違うから難しい」と語る。

深水 包丁作りの工程1

利器材(鋼と鉄を合わせた材料)をガス炉で熱する

深水 包丁作りの工程2

ガス炉で熱した後、ベルトハンマーで叩いて鍛造する

深水 包丁作りの工程3

細かい調整は手作業で。厚みやバランスを見ながら整える

深水 包丁作りの工程4

焼き入れの作業場。包丁に砥の粉をぬり乾燥させ加熱した後、水で冷やし硬くする。焼き入れの条件は門外不出だ

深水 包丁作りの工程5

砥石で刃を研ぎ出す仕上げの工程

近年は主力事業をサッシ販売や林業機械製造に移し、刃物職人は1人になった。

5年前に帰郷し家業を継いだ深水清充(きよみつ)社長(50)は「もともと付加価値の高い商品。まずは深水品質を知ってもらうことから」と、東京五輪公式ライセンス商品や東京での展示即売など次の一手を模索。

生活の道具造りを担ってきた南薩摩の“野鍛冶”のプライドを継ぐ。

深水清充社長

 

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