<樺細工>と<波佐見焼>のトークショー
今日から青山スクエアでは「秋田県伝統工芸品展」と、
「波佐見焼伝統工芸士 竹ノ下左千夫 作陶展」が始まりました!
そして、青山スクエアの恒例となっているトークショーも開催されたので、
その様子をお伝えします!
まずは秋田県伝統工芸品展を代表して、
樺細工のお話をしていただきました。
そもそも樺細工とは?
山桜の木の皮を使って作る伝統的工芸品です。
樺細工は大きく分けると三種類あります。
『型もの』『木地もの』『畳みもの』
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型ものは仕上げたい形に山桜の木の皮を合わせて、
何層かにして木の皮のみで作られるもの。
木地ものは木で形を作った上に、木の皮を貼って作られるもの。
畳みものは、節の部分がない木の皮を折りたたんで作る小さなものです。
樺細工で使われる山桜は、
樹齢30年以上生きている木から皮を剥ぎます。
ただし、皮を剥いでも山桜が死なないように、
人の背丈よりも上の部分の木の皮を剥ぐのがルール。
そうすれば、一度剥いでも、何年か経つとまた樺細工で使えるような木の皮が再生して、
二度皮として使えるようになります。
また伐採された山桜は、木の皮が堅くなってしまい剥げなくなるため、
樺細工としては使えないそうです。
樺細工で一番の売れ筋は茶筒。
中にお茶の葉を入れておくと、
ちょうどいい通気性で茶葉を美味しい状態で保存できる優れもの。
最近は、海外進出もしている樺細工ですが、
海外でも茶筒は人気が高いそうです。
樺細工の伝統工芸士は10名ですが、
伝統工芸士以外の作り手も含めると、
総勢100名ほどいるそうで、
まだまだこれからの発展が見込めます。
以前は、工芸士や作り手、問屋が商品のデザインを考えていましたが、
一般的にも注目を浴びてきている樺細工は、
デザイナーが間に入ることも増えてきている様子。
伝統的工芸品としての側面だけではなく、
クラフト、オシャレなものという視点も入ってきているので、
若い人にも受け入れられるようになってきたと山形さんはおっしゃっていました。
最後に、樺細工のお手入れ方法として注意してほしい点を教えてくれました。
樺細工は決して水で洗わないこと。
水で洗ってしまうと、せっかくの艶が消えてしまう恐れがあります。
洗うときは、あくまでからぶきで拭くこと。
そうすれば、いつまでも艶やかで綺麗な樺細工を楽しむことができるとのことです。
その次に、波佐見焼のお話をしていただきました。
波佐見焼は九州の長崎県で作り続けられている伝統的工芸品です。
竹ノ下さんは波佐見焼に携わるようになって35年。
分業が当たり前の焼き物の世界ですが、
竹之下さんはろくろから絵付けまですべてを一人で行っています。
分業にしないことで、
ろくろで形を作りながら、どんな絵をつけようかと考えることができるそうです。
竹ノ下さんの父親は絵を描いている人で、
その影響もあってか、
昔から絵を描くことが身近にあったようです。
竹ノ下さんが最も影響を受けているのは、
陶芸家の板谷波山。
彼の絵を研究し、それを実際に自分の作る波佐見焼でも表現しています。
また、絵を描くのも得意な竹ノ下さんは、
花の絵を描くのでも有名です。
下絵を描かずに、いろんな花の絵を描いていきます。
お客さんのリクエストに応えているうちに、
様々な花を描くことになったそうです。
そして、写真の真ん中にある赤い花瓶。
これは絵付けではなく、
釉薬に秘密があり、
銅の赤みを利用して作られた作品です。
この赤を出すのにとても苦労したようです。
他の陶芸家が簡単には真似できないものだとおっしゃっていました。
波佐見焼は現在、人気が出てきている伝統的工芸品の一つで、
伝統工芸士も30人います。
その30人がそれぞれ、
自己流の作品を作っていることで、
波佐見焼の幅はどんどん広がっているそうです。
竹ノ下さんもそのうちの一人。
これからも新しいことに挑戦しながら、
波佐見焼を盛り上げていきたいとおっしゃっていました。
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今日お話しいただいた樺細工は、
「秋田県伝統工芸品展」で、11月25日まで開催されています。
樺細工の他にも、川連漆器、大館曲げわっぱ、秋田銀線細工も出展しています。
また波佐見焼は、
11月18日まで開催されており、
今日から18日まで竹ノ下さんのろくろの実演も見ることができます。
ぜひ、青山スクエアに足をお運びください!