2016.07.06
木地師と塗師の合わせ技が輝く飛騨春慶
岐阜県の伝統的工芸品「飛騨春慶」
その歴史は、江戸時代初期にまで遡ります。
大工の棟梁が綺麗な木目のサワラを目にしてお盆を作り、
当時の高山城の当主、金森可重の子である重近に献上しました。
重近はお盆をたいそう気に入り、
塗師に色付けさせたことが始まりとされています。
現在、飛騨春慶で使われている木材の種類は多く、
サワラやヒノキはもちろんのこと、
ケヤキ、カツラ、ブナ・・・そして紫檀など堅い木も使用され、
用途ごとに使い分けをしています。
飛騨春慶の作り手は、
木地師と塗師の2人が携わり、ようやく完成します。
ただし、木地師は板物師と挽物師の2人がいる場合があり、
板物師は木材の良しあしを見定めて木表の細工をするまでが担当。
挽物師は板物師が作った木材から、実際に形にするまでを担当。
という風に分けられています。
それぞれが自分の技量を最大限に生かして作るので、
完璧なものが出来るのでしょう。
当初、飛騨春慶は茶人や将軍に献上する工芸品として、
その名をとどろかせました。
現在は日常使いの漆器として多くの人に使われていますが、
庶民も使う漆器になったのは戦後からだそうです。
青山スクエアには、
たくさんの飛騨春慶の商品が並べられていますが、
オンラインショップでも販売しているものがあります。
などなど、お店で取り扱っているものとは、
少しランナップが違います。
飛騨春慶が気になったなら、
お店とオンラインショップの両方を見て、
自分が気に入るものを探すのもいいかもしれません。
これからの暑い時期だからこそ、
真っ赤な漆器を贈り物として選ばれるのはいかがでしょうか?
飛騨春慶の赤は決して暑苦しいとは思わない、
涼しげな色合いです。
漆の赤に包まれて、この夏を乗り切りましょう!