熊本地震復興特別企画「がんばるけん!くまもとけん!」のトークショー
特別展では熊本地震復興特別企画「がんばるけん!くまもとけん!」が今日から始まり、
青山スクエアでトークショーが行われました。
まず初めに、一般財団法人熊本県伝統工芸館の学芸員の池田さんにお話しいただきました。
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学芸員の池田さん
熊本県伝統工芸館は熊本城の前にあります。
もともと熊本城の米蔵が立っていた場所でしたので、
地盤が良くないということもあり、
熊本地震が起きた際には陶磁器などの工芸品がいくつか割れてしまいました。
ですが、改修工事もようやく終わり、
現在は通常通りに戻ったそうです。
熊本県には今、国指定の伝統的工芸品が4種類あります。
・山鹿灯籠
・肥後象がん
・小代焼
・天草陶磁器
その中でも、今回は山鹿灯籠と肥後象がんの職人さんが、会期中にこちらに実際に来ていただけます。
また熊本県には県指定の工芸品もあります。
例えば、今回の特別展に持ってきているのは、
郷土玩具や染物、竹細工など。
国指定のものよりも数が多く、
普段はあまり目にしないものもあるかもしれません。
次に、山鹿灯籠の職人、中島さんに話をしていただきました。
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山鹿灯籠の中島さん
山鹿灯籠の歴史は、とても古いものと言われています。
その昔、景行天皇が山鹿の地に巡行をしに来た時に、
山鹿の人たちが松明の灯りで出迎えたそうです。
その後、その場所に大宮神社(現在も山鹿市に鎮座)を作ったのですが、
松明の代わりに和紙で燈籠を作りました。
それが山鹿灯籠の始まりです。
これは室町時代から続いていることがわかっています。
山鹿灯籠の中にはロウソクを入れていたという説があるのですが、
綺麗な状態で保存されているものがないため、
証明することができないそうです。
昔は、ノリに米を使っており、
虫が付きやすく、
和紙を虫に食べられてしまったためと言われています。
現在では、
山鹿灯籠の中にはペンライトを入れて、
灯りをともし、
毎年お盆の時期には、
山鹿灯籠祭りが行われ、各メディアでも取り上げられるほど有名になっています。
そして、山鹿灯籠では新しい形にも挑戦をしています。
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和紙工芸から生まれたスタンドモビール「TORO」
形としては全部で4種類あり、
色のバリエーションもあります。
デザイナーと組んで作ったもので、
今月発表したばかりのものです。
山鹿灯籠は、これまでの伝統的な作品を作りつつ、
「TORO」のような新しいことへの挑戦をしていくとおっしゃっていました。
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今回お話しいただきましたお二人は、
特別展熊本地震復興特別企画「がんばるけん!くまもとけん!」に出展している方です。
3/24(金)~3/26(日)まで山鹿灯籠の制作実演、
4/1(土)~4/5(水)には肥後象がんの製作体験がありますので、
ぜひ青山スクエアまでおこしください。