2017.05.19

わざもん衆と益子焼のトークショー

今日より、青山スクエアでは特別展「名古屋伝統工芸わざもん衆まつり」と匠コーナー「益子焼伝統工芸士 大塚雅淑展」が始まりました。

 

そして14時からは恒例のトークショーが行われましたので、その様子をお伝えいたします!

 

まずは、わざもん衆、代表、名古屋友禅の赤塚さんに話をしていただきました。

 

名古屋友禅の赤塚順一さん

赤塚さんが代表を務める、わざもん衆は結成から4年弱が過ぎました。

参加しているのは、名古屋市周辺の伝統工芸ばかりです。

 

わざもん衆は、職人が一人で活動するよりも、

作るものが違う職人たちが一緒に活動することで、伝統工芸品がより広まるのではないかという考えのもと始まりました。

 

青山スクエア以外にも、催事やデパートに出展したり、名古屋城でイベントをしたりしています。

名古屋城は、地元の人も観光客も大勢の人が通る場所ですので、幅広い人達に伝統工芸品を知ってもらえますし、制作体験もしているので、お客様にも喜ばれているそうです。

 

赤塚さんご自身は、名古屋友禅の作り手で、もちろん着物も作っていますが、型紙で手染めにするのが好きということもあり、染めたものを色々な形にしています。

 

手で染めたものと、手で染めていないものは、並べてみるとすぐに違いが分かるそうです。

 

次に名古屋提灯の伏谷さんに話をしていただきました。

 

名古屋提灯の伏谷健一さん

名古屋提灯は、名古屋市の指定の工芸品で、室町時代から作られ続けています。

 

また江戸時代になると、提灯が大量に作られるようになりました。

例えば、武家が夜道を歩くときには必ず持参していたということもあり、必需品だったと言えるでしょう。

 

現代はというと、提灯はお祭りの時に使われるぐらいになっています。

それでも提灯には様々なデザインが施されているので、その違いを見るのも面白いとおっしゃっていました。

 

最近では、わざもん衆のメンバーでコラボ商品を作ったそうです。

それはスタンド式の提灯。和紙だけではなくシルクも取り入れて作られたもので、

名古屋友禅の赤塚さん、瀬戸組子の山田さん、名古屋仏壇の後藤さん、そして名古屋友禅の伏谷さんの4人で作ったものは、今の時代にあったスタイリッシュな提灯でした。

 

次にお話をしていただいたのが、瀬戸組子の山田さん。

 

瀬戸組子の山田典幸さん

 

山田さんは瀬戸組子を作っていく上で一番重要視しているのは、観賞用ではなく、実際に使える物にしたいと、おっしゃっていました。

 

山田さんの作る瀬戸組子は、色にもバリエーションがあるのですが、それは染めているわけではなく、木の本来の色だそうです。ヒバの木を使ったり、桜の木を使ったりして色の違いを表現しています。

 

また、どういうものを作ろうかと考える時には、先にモチーフを決めてから、想像力を膨らませていくとおっしゃっていました。

 

一風変わった商品が多いのも特徴です。

 

続いて、匠コーナーの益子焼の作り手、大塚さんにお話を伺いました。

 

益子焼の大塚雅淑さん

大塚さんは作り手になってから20年。

 

その間思っていたのは、現代の食卓に合うものを作りたいという欲求と伝統的なものを作っていきたいという欲求。

 

新しい物を作っていくことも必要ですが、それだけでは伝統は守れないと考えるのが大塚さんの個性です。

 

益子焼の特徴と言えば「柿釉」。そして、ぽってりとしたフォルムだそうです。

柿釉を使わなくなってしまうと、どこから益子焼と言っていいのかの線引きができなくなってしまうため、そこだけは崩さないようにしているとおっしゃっていました。

 

ただフォルムは、ぽってりした感じの物ばかりではなく、現代風にすらっとしたものを作ってみたり、下地の絵付けに使っている呉須を浮かび上がらせるようにしたりと、様々な工夫を重ねています。

 

さらに最近は、わざもん衆の影響を受けて、他の産地とのコラボにも挑戦してみようと考えるようになったそうです。

 

今回、制作体験で行うのが、まさしくコラボ商品。

結城紬と益子焼をあわせたものを考案し、広めて行こうと思っているとおっしゃっていました。

 

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今回お話をしていただいた、

特別展「名古屋伝統工芸わざもん衆まつり」は5月31日まで。

匠コーナー「益子焼伝統工芸士 大塚雅淑展」は5月24日まで。

 

それぞれ体験や実演もありますので、ぜひ青山スクエアまでおこしください。

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