「行田足袋」「江戸押絵」「浪華本染め」が伝統的工芸品として新たに指定されました
本日、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(以下「伝産法」)に定める伝統的工芸品として、経済産業省により埼玉県の「行田足袋」、東京都、埼玉県、神奈川県の「江戸押絵」、大阪府の「浪華本染め」の3品目が新たに指定されました。
1.伝統的工芸品の新規指定等について
埼玉県の「行田足袋」、東京都、埼玉県、神奈川県の「江戸押絵」、大阪府の「浪華本染め」は、令和元年9月18日に開催した産業構造審議会製造産業分科会伝統的工芸品指定小委員会において審議を行った結果、新規指定することについて了承されたことから、本日、官報告示によって、経済産業大臣指定品目となりました。これにより、伝統的工芸品は235品目となります。
2.新規指定品目の概要
(1)行田足袋
行田足袋は埼玉県行田市において生産される足袋です。江戸時代の中頃から特産品としてその名が知られるようになり、江戸や東北地方にも出荷されました。明治時代後半にミシンが導入されると生産量が増加し、行田は全国一の足袋の産地となりました。現在まで、長い伝統を保持し、和装文化に欠かせないアイテムとなっています。
(2)江戸押絵
江戸押絵は、江戸時代より「歳の市」が行われる浅草周辺で多く生産され、関東大震災や戦災による疎開などのために現在は生産者が近県にもいます。かつては江戸三座といわれる芝居小屋が浅草にあり、歌舞伎の着物、装束、風俗などを題材に、日本画の画法も交えながら発展し現在に至っています。現在の江戸押絵は羽子板、肖像画、額装、また、屏風や団扇などの装飾にも使われています。
(3)浪華本染め
浪華本染めは、模様手拭を量産化する目的で、明治時代に大阪で開発された日本固有の染色法です。一般に注染と呼ばれており、繊細な図柄や鮮明な発色が特徴で、この染色法を応用したゆかたが評判を呼び全国に広まりました。差し分けやぼかしなどの技法を用いて表裏両面から染めるので、風合いのある染め上がりになります。現在は、手ぬぐい、ゆかたのほか、日傘やアロハシャツ、コースターなど各種日用品に用途は広がっています。