2013.09.02
青白磁の原点とは、素材を生かすこと
波佐見焼 : 山口 正美さん
2013年9月2日 青山スクエアにて制作実演中の山口 正美さんを訪ねました。
波佐見焼 現代の名工 正右衛門窯 青白磁展
-波佐見焼の基礎知識-
16世紀末に、大村藩主が、豊臣秀吉の朝鮮出兵に参加し、
帰国する時に連れてきた朝鮮の陶工によって始められたとされています。
江戸時代の初期には磁器が焼かれるようになり、茶碗や皿の他、徳利等の日用品が生産されました。
中でも厚手の染付の茶碗は、大阪の船着場で船上の人々に酒や食事を売る食器として使われ、
「くらわんか碗」として良く知られていました。
透けるような白磁の美しさと、青い呉須(ごす)で絵付けされた染付の、繊細で深い味わいが特徴です。
また時代の変化に合わせて改良して作り続けてきことから、伝統的なものからモダンなものまで、
幅広い製品があります。
生まれながらにして 陶芸家。
ひとつの作品は、通常どのくらいの時間をかけて出来上がるのですか?
土煉り→成型→乾燥→素焼き→釉薬→焼成で、だいたい1か月程度かかります。
作品を創る際、何に気を遣いますか?
私は比較的大きな作品を創ることが多いので、(60cm程度)大きな作品ほど乾燥の際には気を遣います。
季節によって湿度や温度なども違いますので、長年の経験により修得してきた感覚に頼っています。
特に大きな作品は、子どもをお守りするような感覚で大切に創っています。
ろくろで作品を成型していく上で、注意している点などを教えてください。
乾燥していく過程で形が変化していくので、常に出来上がりを想定して成型しています。
乾燥すると、作品は約2割縮小するんです。
伝統工芸青山スクエアの匠コーナーでは毎週のように工芸士さんの実演や体験が行われています。
熟練の職人さんの”技”を、間近でご覧になれる貴重なチャンスです。
たくさんの皆さまのご来館をお待ちしております。