2015.07.14

匠を訪ねて~駿河指物 徳川家光の時代から続く駿河指物

2015年7月14日 青山スクエアにて制作実演中の大間晁さんを訪ねました。

 

 

駿河指物とは・・・

「指物」は釘などの金具などを使用せずに家具、茶道具、什器、小道具などを組み立てて作ることを指します。

 

駿河指物は三代将軍家光公によって、全国各地から職人が集められその中で指物漆器を得意とする職人が、後世に技術を伝え現在の駿河指物静岡漆器の基盤となったと伝えられています。

 

駿河指物は繊細な伝統工芸品

手は伝統工芸士の宝の一つ

釘などを一切使わない駿河指物は全て木と木を組み合わせてはめ込んで形を作っていくため、コンマミリでも厚さが違うとはめ込むことが出来ずモノを作ることが出来ないそうです。

 

ですが大間さんはお店に訪れたお客さんと話をしながらでも、手で触って「これは厚さが違うな」とつぶやいたかと思うとカンナを取り出して木を削り、木と木を組み合わせていきました。
長年駿河指物をしているおかげで手が厚さの違いに気づくのだといいます。

 

これにはお客さんも「伝統工芸は一日にしてならずですね!」と絶賛されいました。

 

思い出のある雑誌

その後、大間さんは静岡県のカルチャーセンタ駿府匠宿で講師として携わることになりました。

 

「この雑誌には駿河指物の作り方が一から十までしっかりと書かれているので、気になる方は是非読んでみてください。

15年ほど前の話なのですが雑誌の取材を受けました。静岡で匠工房を作った時にマスコミの方が私を訪ねてくれたんです」

 

制作実演中は雑誌も大間さんの作品の近くに置かれています。

 

ケガも病気も気持ち次第

何でも自分の意志で自分の体をコントロール

これまで大間さんは右手の親指をのこぎりで切ったり、ご自身の失敗でペーパーウェイトを作る際に鉛の煙を吸い過ぎて血糖値が正常値を越えたり、心筋梗塞になったりと様々な危機を迎えてきました。

 

ですがどんな時も、「これくらい何とかなる」そう思い、自分の体を冷静に分析してきたそうです。

 

「その結果、どんな出来事も乗り越えることができ現在の自分がいるんです。ただ、医者には勝手に決めて行動するなと怒られたり、なんで素人がそんなに自分の体のことがわかるんだと驚かれたりしましたけどね」と、にこやかな表情で話されていました。

 

大間さんの趣味は山登りだそうで、「あちこちの山を登りに行ったりしていたおかげで、今のように元気でいられる要因かもしれません」と、山の話もしてくださりました。

 

強い気持ちを持つ事が人生を楽しくする秘訣

大間さんは本当にいつもにこやかな表情で話をしたり、駿河指物の工芸品を作ったりしています。そんな大間さんが楽しい人生を送るために実践していることがあるそうです。

 

「どんな状況下におかれても、決してネガティブな考えを持たないこと。ポジティブに物事を捉えて考えて行く事で、必ず物事は好転していく。それを信じているからこそ、今の自分の人生がある。
ネガティブな考えを持つと、未来はネガティブな意思に引きずられて悪い方にいってしまうので、絶対に想像しない方がいいですよ」と、まっすぐな強い瞳でおっしゃっていました。

 

大間さんは、静岡県でカルチャーセンターを今も行っています。生徒さんには駿河指物技術を惜しみなく伝えているためか、かなりレベルの高い作品を作るようになってきたようです。
静岡に来た際には、ぜひともお立ち寄りください。

 

大間さんが在籍している駿府匠宿はこちら
http://www.sunpurakuichi.co.jp/takumi/

青山スクエアでは7月22日まで「ふじのくに 伝統の技と和の文化展」の中で大間さんの作品を置いております。
http://kougeihin.jp/exhibition/2015_0710fuji/

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