匠を訪ねて~美濃焼 つきつめていく自分の美濃焼
2017年11月17日 青山スクエアで匠コーナーに出展中の加藤音さんを訪ねました。
美濃焼:加藤音
美濃焼は岐阜県の伝統的工芸品で歴史の古い陶器です。一番古いものは1300年も昔からありましたが、安土桃山時代に織田信長のために茶器を作るようになってから、有名になったと言われています。
物作りに魅せられて
東京の陶芸教室で
東京で生まれ千葉で育った加藤さんは、昔から何かを作ってみたいと思っていました。
ただ、作ることと生業にするということが一致しないまま大人になり、一般企業に勤めたそうです。
そんな時、東京にある近代的なものをつくっている人が講師を務める陶芸教室と出会います。
加藤さんは、ここで少し習ってみようかなと思い、この時になってようやく陶芸の道を一歩進みました。
思いのままに作る
教室に通いながら、作ることの楽しさをかみしめる毎日を過ごします。ただこの時はまだ、美濃焼や伊万里・有田焼、京・清水焼など「〇〇焼」をしたいということは考えていなかったそうです。
先生に教わりながら「物を作る」という欲求を満たし、より一層陶芸の世界が好きになったと言います。
そしてこれは、その当時は意識していなかったそうですが、思い返せばその先生は美濃焼出身の人で、知らず知らずのうちに美濃焼を学んでいたそうです。
加藤さんの作品たち
作り続けることで見えてくる自分が作りたいもののカタチ
今、加藤さんの作品は大きく分けると炭化、酸化の白雪釉、還元のものの3種類があります。これらは同じ窯で焼くことが出来ません。それぞれ温度や方法が違ってくるためです。
一種類を焼くのに窯をいっぱいにしないといけないため、3種類も作っていると日々作り続けていないといけないのですが、これが今の加藤さんのカタチだと信じて作っているそうです。
生業として始めた美濃焼も、初めから今のスタイルではなかったそうです。作って焼いて、窯から出した作品を見て、ここはもっとこうすればよかった、まだまだここが足りないなと毎回感じ、修正を繰り返していくうちに今のカタチになったとおっしゃっていました。
可愛くカッコいい器たちを
加藤さんの感性で
加藤さんが現在、美濃焼を作る上で頭においているのが「可愛い」「カッコいい」という感覚。この感覚が、他の美濃焼とは違った作品を生み出すのかもしれません。
この先、どんなものを作っていきたいですかと聞いたところ、あえて考えないようにしていると、おっしゃっていました。
未来を不透明にしておくことで、他とは違った未来を引き寄せ、さらに新しい美濃焼きの姿を見せてくれるかもしれません。
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今回お話をしていただいた加藤さんは、
匠コーナー「美濃焼 加藤音 陶展」で11月22日まで青山スクエアにて出展しています。
期間中は制作体験も行っているので、ぜひあそびに来てくださいね。