伝統工芸 青山スクエア
青山スクエアブログ
2018/3/23(金)展示会情報

「伝統工芸の若きあとつぎ」と「鎌倉彫」のトークショー

青山スクエアでは、

特別展「伝統工芸の若きあとつぎ 石川・熊本 ~城下町の春~」と匠コーナー「鎌倉彫 青山常昭 鏡展」が、

今日から始まり、2時からはトークショーが行われました。

 

まず初めに特別展に出展中の麻生さんからお話を伺いました。

 

肥後象がんの作り手、麻生さん

肥後象がんは熊本県の伝統的工芸品で、

元々は刀の鐔(つば)に使われたのが始まりです。

 

純金や純銀を鉄にはめ込んでいき、

鉄を黒くサビさせるのが肥後象がんの特徴。

 

黒サビは、鉄にサビ液をかけて赤サビをだし、

ブラシでこすって硬いサビだけ残します。

 

この工程を何度か繰り返したあと、

タンニンの豊富なお茶で煮込んで黒サビを出し、

油をかければ完成です。

 

 

麻生さん自身は細かい仕事は好きで、

アクセサリー類を作ることが多いそうです。

 

今後も、自信を持ってどの商品でも進められるようなものを作っていきたいと、

おっしゃっていました。

 

続いて、細川さんにお話を伺いました。

福井の仏壇の作り手、細川さん

今回は福井県の手づくりのものを、

数名の作り手と組んで出展しました。

 

細川さんは仏壇造りの中でも漆塗り、金箔押しを営んでいます。

家族で作っているということもあり、

仏壇制作7職あるうちの、

木地作り、漆塗り、金箔押し、出来た木工の最後の組立てから完成までという、

全行程の半分を行っているそうです。

 

現在は、各家庭の様式が変わってきたため、

一家に一台の立派な仏壇という時代ではなくなってきました。

 

お客様からは、箪笥の上に置けるものや、

壁掛けとして使えるものという要望があり、

実際に作っているそうです。

 

また今回は、福井の工芸品は他にもあります。

今日は作り手の人は来ていませんが、

和ろうそく、越前水引細工、草木染、挽物、和紙人形など、

それぞれこだわりのものばかりです。

 

続いて、福井の工芸品を作っている、もう一人の橋本さんにお話を伺いました。

 

洋傘の作り手、橋本さん

洋傘といえばこうもり傘ですが、

日本では江戸時代後期から作られていました。

 

一番栄えていたのは昭和中期で、

その頃はだいたい850社あったそうです。

それが今では、橋本さんの家だけが作るだけになってしまいました。

 

橋本さんが作っている洋傘の中で、

トークショーを聞きに来ていた人たちが驚いたのが大島紬で作られた、この傘です。

 

なんと値段は1本、100万円。

 

その理由は、一つ一つがこだわって作られているからです。

大島紬一反を使って一本しか作れないこと。

露先(つゆさき)は竹でできており、赤漆を塗って、その上から黒漆を塗っています。そうすることで使っているうちに、下の赤漆が表面に出てきて、何とも言えない風合いになります。

さらに中心の部分は樫の木でできており、とって部分は竹でできています。

 

と、細部にわたって、他の傘とは違うことがわかります。

 

またジャノメになる傘の骨は24本ありますが、これにも意味があるそうです。

暦は24節気で出来ており、その数と合わせることで厄をよけるという縁起を担いでいるのです。その他にも、傘は「つゆ払い」といって縁起物として扱われており、もっと多くの人に傘のことを知ってもらいたいとおっしゃっていました。

 

次に木下さんにお話をしていただきました。

 

山中漆器の作り手、木下さん

山中漆器は、ここ数年他県から作り手になりたいといって、

若手が増えてきています。

 

木下さんが、手に取れる物作りがしたいという気持ちで何かないかと探していたところ、

山中漆器と出会い作り手になったそうです。

 

今は木目の見えるお碗やぐい飲みを作っています。

山中漆器で使われる木は、

けや木、ミズメ桜、栃、桜、檜ですが、

用途によって使う木を変えているのが楽しいと言っていました。

 

また昨年からは、デザイナーとコラボしてアクセサリーも作るようになったそうです。

 

続いてお話しいただいたのは、松尾さんです。

 

能登仁行和紙の作り手、松尾さん

もともと別の場所で和紙を作っていた松尾さんは、

故郷でも和紙を作っている場所があると知り、

能登仁行和紙作りの門を開けました。

 

能登仁行和紙は、地元で取れる自然のもので和紙を作るというのが特徴です。

始めは杉皮や竹皮の和紙を作っていましたが、

ここに嫁いできた奥様が、和紙の中に花を入れるものを作るようになり、

現在に至っています。

 

松尾さんは、まだ能登仁行和紙の工房に入って2年ですが、

和紙作りがとても楽しいとおっしゃっていました。

 

最後に匠コーナーに出展中の青山さんにお話をしていただきました。

 

鎌倉彫の作り手、青山さん

青山さんは愛知県出身で、

北海道の旭川で木彫をしていました。

 

北海道に行きつくまでにも色々あったのですが、

子どもの頃に欄間作りを間近で見ていたということもあり、

木を彫るということが、

青山さんの心の中に住み着いていたのかもしれません。

 

旭川で木彫をしていた青山さんは面白いと感じ、

美術大学に行くために勉強をし始めました。

 

そして大学の教授からイタリアに行ってみるかと勧められて実際に行き、

フレンチェを巡っている時に鎌倉彫を叔母に持つ日本人と出会い、

鎌倉彫をしようと決意したとおっしゃっていました。

 

今では、鎌倉彫といえば青山さんと言われるぐらいになりましたが、

訓練校を卒業して間もない頃は、

作ったものが売れず、苦難の日々でした。

 

工房に3年いましたが、

自分が作ったものだけが残ってくるので、

居辛さもあって独立したそうです。

 

ですがその頃はちょうどバブルの時期で、

独立してすぐにお店と契約を結べ、

作ったものが売れるようになりました。

 

ただバブルがはじけると、

また売れなくなってしまい、

その時、ようやくお客様が求めているものを作ろうという意識になり、

現在に至ったそうです。

 

現在の青山さんにはお弟子さんもいて、

週明けからはお弟子さんも青山スクエアで実演をします。

 

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今回お話しして頂いた作り手の方たちは、

特別展「伝統工芸の若きあとつぎ 石川・熊本 ~城下町の春~」は4月4日まで、

匠コーナー「鎌倉彫 青山常昭 鏡展」は3月28日まで行っています。

 

実演や体験もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。