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TRADITIONAL CRAFTS

大堀相馬焼Obori Soma Ware

大堀相馬焼は江戸時代初期(1690年)に作り始められたと言われています。当時その地方を治めていた相馬藩が、焼き物作りを保護、育成したため、江戸時代末期には100余りの窯元が並ぶ、東北地方で一番大きな産地になりました。
明治時代になると、他の仕事に変わる生産者が出て来たこと等から少しずつ数が減り、現在では24軒の窯元が焼き物を作り続けています。これらの窯元は300年の伝統を守りながら、21世紀に向けて新しい製品を作り出す努力をしています。

Indications are that the origins of Obori Soma Yaki go back to toward the end of the 17th century.
Under the patronage and protection of the local Soma clan the kilns flourished and by the middle of the 19th century, there were more than 100 at work, making it the largest production center in the whole of the Tohoku region of northern Japan. With the changes which took place in the commercial sector on entering the Meiji period (1868-1912), the number of working kilns fell and now there are just 24 at work. Fueled by the 300-year-old heritage of ceramics in the area, however, the creative spirit is still alive.

The majority of pieces are glazed with a clear, glasslike celadon glaze, verging on green. Overall crazing is also a common feature, which makes this ware all the more approachable. The source of the celadon glaze is found locally, but it is not the only glaze used. An ash glaze as well as an amber colored one and a white slip glaze are also used. There are now making vases, tea bowls, cups and flasks for sake and other distinctively decorated pieces.

  • 告示

    技術・技法


    成形は、ろくろ成形、押形成形又は手ひねり成形によること。


    素地の模様付けをする場合には、「鋲止め」、「泥塗り」、「海面」、「菊押し」、「花ぬき」、「二重」、櫛目、イッチン盛り、面とり、「さるぽ塗り」、はり付け、飛びかんな、布目又ははけ目によること。


    釉掛けは、浸し掛け、流し掛け又は塗り掛けによること。この場合において、釉薬は、「青磁釉」、「白流釉」、「灰釉」又は「あめ釉」とすること。


    絵付けをする場合には、手描きによること。

    原材料


    使用する陶土は、大堀粘土、鹿島粘土又はこれらと同等の材質を有するものとすること。


    青磁釉に使用する陶石は、砥山石又はこれと同等の材質を有するものとすること。

  • 作業風景

    大堀相馬焼の主な製作工程を見てみましょう。

    工程1: 成形

    陶器をつくる製造工程の中で、最も重要な部分が成形です。大堀相馬焼きではろくろ成形を主として行っています。

    工程2: 削り仕上(けずりしあげ)

    生渇きの成形品を製品に応じて高台削り、外削り、また飛びかんななどの装飾を行います。

    工程3: 生地加色(きじかしょく)

    その表現法により、半乾きのときに行う花抜、泥塗り、菊押し、また完全に乾燥させた状態で行う彫り等があります。

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    工程4: 乾燥

    生製品の乾燥を急激に行うと、乾燥収縮時に亀裂を生じたり、歪んだりしますので、最初陰干しにしてから天日干しにします。

    工程5: 素焼

    完全に乾燥させた作品を窯に入れて、900度から950度で焼成します。

    工程6: 下絵付

    吸水性のある素焼の表面に、呉須という鉄分を含んだ絵具で走り駒、山水、松竹梅などの絵を筆で描きます。

    工程7: 釉かけ(くすりかけ)

    浸しかけ、回しかけ、流しかけなどの方法で「うわぐすり」をかけます。

    工程8: 本焼き

    釉かけの終わった作品を窯に入れ、1250度から1300度で本焼きします。

    工程9: 上絵付け

    本焼きの終わった製品は、そのまま販売するものと、上絵付けするものがあります。

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    工程10: 墨入れ

    出来上がった製品の「ひびわれ」をはっきり見せるため、墨汁を擦り込んで布でふきとり、完成品とします。

     

  • クローズアップ

    陶器に踊る駒 躍動感みなぎる職人の技

    大堀相馬焼は、元禄3年(1690年)、阿武隈酸味役の麓秘窯の里、大堀に窯焼きの煙が立ち上って以来、300有余年の歴史と伝統を引き継ぎ今日にいたる。窯元「明月窯」の長橋明孝さんに伝統のスタイルと新しい展開についてうかがった。

     

    疾駆する馬とひびの手法

    阿武隈山ろくを背にした福島県双葉郡浪江町の大堀地区。阿武隈山脈の山間を縫う高瀬川の流れも豊かなこの地域に大堀相馬焼が生まれたのは元禄時代。相馬藩の特産物として栄えて以来、年月を経て大堀相馬焼の代表的なシンボル「走り駒(はしりごま)」や、みやびな青磁に細かい亀裂を刻む「青ひび焼(あおひびやき)」のスタイルが生まれた。伝統のスタイルにとらわれない新作が生まれる近年、ますます伝統にこだわりたいという長橋さん。
    美しく力強く走る馬「走り駒」はほとんどの陶器に描かれている。なぜこの馬を描くようになったか?その由来にはいくつかの伝説があるという。馬上で華麗な神旗争奪戦を演じる、現在も相馬を代表するお祭り、相馬野馬追いもそのひとつ。その妙見様を祭った神馬はまさに鎌倉武士の威風。走る馬を描く長橋さんの筆先も速く、仕上げの墨入れによってさらに躍動感が宿る。それとひび割れが網の目のように陶器の表面全体にできて、模様のようになっている「青ひび」は全国に知られている相馬焼の手法である。「やっぱりこれがないとね」長橋さんは馬の絵を紙に書いてお客さんに手渡しする。

    「走り駒」

    スピードの技

    ろくろを回すスピードは驚くばかり。父の代にはアメリカ輸出向けにビアジョッキやコーヒーカップなど大量に作らねば追いつかない時代もあったとか。大堀には湯のみなら1日に500個をまわす職人もいた。大量につくるのも職人の技となった。「仕事の速さでは、大堀の陶工は日本一」とい長橋さん。石には自然の「意志」がある。だから体で覚えるしかない。そのスピード感こそ、大堀相馬焼の威風堂々とした個性を生むのである。

    伝統と新しいデザインの出会い

    「伝統として伝わるものは、じつに機能的だ」という長橋さんは大堀相馬焼のもうひとつの特徴となった「二重焼」の湯のみを手に語る。ひとまわり大きさの違う器を2個重ねて焼いて「二重」になっている湯のみは入れたお茶が冷めにくく、熱いお湯を入れてもがっしりと手に持つことができる。こうした感性を生かし生活に即した新たなデザインの器、「納豆鉢」が誕生した。もちろん表面には「走り駒」や「青ひび」が施され、大堀相馬焼の器であることを雄弁に物語っている。この「納豆鉢」は左手でしっかり柄を握り、安定して力いっぱい納豆を練ることができる。山芋をおろすことも出来るように底には刻みが入っているこのタイプの器は使いやすさで大好評。あくまでも大堀相馬焼らしさを主張しながら新しい機能を加えていく工夫によって、日常に愛される器作りにこだわっている。

    • 納豆鉢

    • 「二重焼き」

    • 勇壮な「走り駒」の絵付け

    信頼感で結ばれた関係

    長橋さんは近年、各都道府県の伝統工芸の催しなどで、伝統の技を紹介する仕事にも力を入れている。会場で実演しながら陶器を通してお客さんと直接言葉を交わし、実際に土に触れ、器を手にとってもらい、作る楽しさを広げている。そこでは焼き物に関心のある大人から、小さな子どもまでさまざまな出会いがある。ここ「明月窯」でも焼き物教室を開催し、一回、一回の出会いを大切にしている。「こうした活動も伝統工芸の大事な仕事のひとつじゃないですか」という長橋さん。確かに話上手で、親しみ深い長橋さんの思いが伝わった器で食卓を囲めば朝夕の食卓も実に豊かで、かき回す納豆に楽しい力が加わりそうである。

    明月窯

    職人プロフィール

    長橋明孝

    父の代からの「明月窯」を17歳で引継ぎ、現在、大堀相馬焼協同組合理事長として地域作りにも貢献。

    こぼれ話

    使いやすさから生まれた優れたデザイン

    「納豆鉢」
    同じく優れもの、「納豆鉢」があります。あの北大路魯山人も、「納豆は上手に糸を出せば出すほど美味くなる、不精せず極力練り返すべきである」と納豆練りの極意を記しているとか。「納豆鉢」は中味が飛び出すことのないよう、胴体がほどよく膨らみ、力を入れて練り上げることのできるよう、器に柄がついています。右利きには左柄、左利きには右柄。こうして納豆を練り上げる姿にも型がはまり、魯山人の教え通り、糸を出しに出して練り上げることができます。もともとは、この大堀で正月1日に自家製納豆を食べる習慣があったため、窯元が自宅用に作ったことが始まり。風習から生まれたグッドデザイン。納豆練りの日用品にいかがでしょう。

    • かた口の付いた「納豆鉢」。このまま食卓までどうぞ

     

概要

工芸品名 大堀相馬焼
よみがな おおぼりそうまやき
工芸品の分類 陶磁器
主な製品 茶器、酒器、花器、灰皿
主要製造地域 福島県/双葉郡浪江町
指定年月日 昭和53年2月6日

連絡先

■産地組合

大堀相馬焼協同組合
〒969-1513
福島県二本松市小沢字原115-25
陶芸の杜おおぼり 二本松工房内
TEL:0243-24-8812
FAX:0243-24-8813

http://www.somayaki.or.jp/

■関連展示場・施設

特徴

青磁釉という青みのある透明なガラス質で、表面をおおった陶器を主に作っています。ひび割れが模様のように器全体をおおっていることから「青ひび」と呼ばれており、このひび割れ模様が、作品を親しみやすいものにしています。青磁釉の主な原料である砥山石はこの産地のみで採れる原料です。青磁釉の他には、灰釉(かいゆう)、あめ釉(ゆう)、白流釉(しろながれゆう)等を使っています。

Obori Soma Yaki is primarily known for producing ceramic pieces coated in a glaze of celedon blue. Another well known characteristic of Obori Soma Yaki pieces is the “Ao-hibi” or cracked blue pattern that covers the works - created by the fine cracks within the surface. The stones used for producing the celedon blue glaze can only be found in the Obori region of Fukushima, Japan. In addition to celedon blue, ash colored glaze, clear glaze and white glaze are also used for the ceramic pieces.

作り方

地元の陶土を陶器作りの材料に使っています。この土を水に入れて泥水にし、粘土として使うものと不要なものとにより分けます。より分けた泥を乾燥させて粘土を作り、良く練った粘土をろくろにのせ、手作りで形を作ります。 形が出来たら仕上げをして陰干しにし、完全に乾いたら約950度の温度で素焼をします。素焼の済んだものに絵を付けていきますが、このとき描かれる「走り駒」と呼ばれる馬の絵はこの産地だけにある絵のかたちです。絵の描かれた器に釉薬(ゆうやく)をかけてもう一度窯に入れ、1,250~1,280度の温度で焼いて仕上げます。

Local clay earth is used to make the pottery clay for the pieces. This soil is immersed in water, reduced to mud and then separated into the clay that can be used for pottery and other components that will be discarded. The mud which has been sorted this way is dried and made into pottery clay and the well kneaded clay is shaped on a potter’s wheel. Once the clay is shaped, it is dried in darkness. Once it is completely dry, the piece is fired in a kiln at about 950 degrees. After the clay is fired, a picture is drawn on the surface, and the famous “Hashirikoma” running horse drawings are something that can only be found in Obori ceramic pieces. After the picture is drawn, the surface is covered in glaze and then fired once more in the kiln at between 1,250 to 1,280 degrees to finish the piece.

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