紀州へら竿
和歌山県
紀州へら竿は、竿師の高い技術力で作られるへら鮒用の釣り竿です。
その製造技法は、明治10年代に大阪市で確立し、その後、原材料である高野竹(スズ竹)の産地に近い和歌山県橋本市に根付いて今日に至ります。昭和初期からのへら鮒釣りブームもあり、へら竿づくりは定着し、以後多くの釣り師に愛されてきました。
概要
工芸品名 | 紀州へら竿 |
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よみがな | きしゅうへらざお |
工芸品の分類 | 木工品・竹工品 |
主な製品 | 主にへら鮒釣りを目的とした釣り竿 |
主要製造地域 | 橋本市、伊都郡九度山町 |
指定年月日 | 平成25年3月8日 |
特徴
三尺(約90㎝)程の3~5本の竹を「並継ぎ」し、竿先は円錐状に削って穂先 とし、持ち手はグリップのように太く、バランスの取れた調子と丁寧な装飾の調和が持ち味です。
作り方
紀州へら竿の工程は、
①原竹の乾燥
②生地組み
③火入れ
④中抜き
⑤込み削り
⑥絹糸巻き
⑦漆塗り
⑧差し込み
⑨握り
⑩穂先削り
⑪胴漆塗り(胴拭き)
⑫仕上げ
と、大きく分けて12工程あり、そのいずれもが手作業としての製造であり、これらの作業は通常、同じ竿師が一人で行っています。