岐阜和傘

江戸時代に武士の内職として奨励され、岐阜の和傘作りが盛んになりました。岐阜市を流れる長良川流域に和紙や竹、荏胡麻油などの良質な材料が豊富だった事から地場産業として発展していきます。
普段使いされる蛇の目傘や番傘、日傘、そして歌舞伎などに使われる舞踊傘、祭事や神事のための野点傘や差掛け傘など、多種多様な和傘が生産されてきました。

  • 告示

    技術・技法

    傘骨づくりは、次の技術または技法によること。

    (1)

    「粗割」における親骨の竹の切断では、竹節を基準に位置を決め、竹切ノコを用いて切断すること。

    (2)

    「骨そろえ」では、小刀を用いて傘骨の表面を平滑で隙間なく仕上げること。

    「轆轤・柄づくり」における「繰込み」では、竹釘を用いて頭轆轤と柄を固定すること。

    「張り」は、次の技術又は技法によること。

    (1)

    「平張り」における傘紙の張りでは、刷毛を用いて親骨に糊を塗り、確実に接着させること。

    (2)

    「たたみ込み」における傘紙の織り込みでは、竹ヘラ及び締め輪を用いて細身に仕上げること。

     

    原材料

    傘骨の竹材は、マダケ若しくはモウソウチク又はこれらと同等の材質を有するものとすること。

    轆轤の木地は、エゴノキ又はこれと同等の材質を有するものとすること。

    傘紙は、和紙又は絹織物とすること。

概要

工芸品名 岐阜和傘
よみがな ぎふわがさ
工芸品の分類 木工品・竹工品
主な製品 雨傘、日傘、舞踏傘、野点傘、差し掛け傘
主要製造地域 岐阜市、瑞穂市、本巣郡北方町、羽鳥郡岐南町
指定年月日 令和4年3月18日

連絡先

■産地組合

一般社団法人 岐阜和傘協会
〒500-8445
岐阜県岐阜市八島町7番地
TEL: 058-271-0468
FAX: 058-271-5181

https://gifuwagasakyokai.jimdofree.com/

特徴

和傘を畳むと細く収まる「細物」が岐阜和傘の特徴と言われています。傘を開いた時だけではなく、閉じた時の佇まいも美しくなるように技術が継承されています。また様々な技法を駆使して繊細な模様が施された蛇の目傘や、デザイン性に富んだ日傘などが生産されています。

作り方

傘の持ち手である柄(竹や木の棒)に取り付けられたロクロという部品に、竹で作られた傘骨を1本ずつ糸でつなぎます。傘骨を水平に開いた状態で和紙を張り、和傘の用途に応じて油引き、天日干し、塗装、糸かがりの作業を行い、最後に部品を取り付けます。岐阜和傘は分業制で行われる事が多く、何人もの職人の手に渡り、ようやく1本の和傘が出来上がります。

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