江戸表具

表具の歴史は奈良時代に始まりますが、江戸表具は17世紀初頭、江戸に幕府が開かれたことにより、大名や寺社と共にお抱えの表具師が江戸に居を構えたのが始まりです。
紙や布地を糊で貼り合わせる技術「裏打ち・下張り・上張り」や、本紙の周囲に布地や紙を継ぎ合わせ一体化する技術「切継ぎ」。これらの技術は掛軸、巻子、襖、屏風、額、衝立、壁張付など部屋や押入れの仕切り、室内装飾及び書や絵画の保存を目的に様々な用途で用いられます。江戸の武家文化から発展してきた江戸表具は、控えめで軽妙な意匠の中にも豪華さや華やかさをあわせ持つのが特徴です。また、乾燥した東京の気候にも耐えられる堅牢な製品となっています。

  • 告示

    技術・技法
    1
    掛軸及び巻子にあっては、次の技術又は技法によること。
    (1)本紙及び布地の裏打ちは、「肌裏打ち」をした後、「増裏打ち」をすること。
    (2)本紙の周囲に「切継ぎ」をすること。
    (3)打刷毛を用いて「上裏」を行い、乾燥後に「裏摺り」をすること。
    2
    屏風、額、襖及び衝立にあっては、次の技術又は技法によること。
    (1)下張りは、「骨縛り」、「ベタ貼り」、「蓑張り」、「蓑押え」、「回りすき」及び「袋張り」によること。
    (2)屏風の蝶番は、「羽根付け」によること。
    (3)仕上げの張り込みは、「上張り」によること。
    3
    壁張付にあっては、次の技術又は技法によること。
    (1)下張りは、「廻りベタ・総ベタ」、「袋張り」及び「清貼り」によること。
    (2)仕上げの張り込みは、「上張り」によること。
    原材料
    1
    紙は、和紙とすること。
    2
    布地は、絹、木綿、葛布若しくは芭蕉布又はこれらと同等の材質を有する織物とすること。
    3
    糊は、正麩糊又はこれと同等の材質を有するものとすること。

概要

工芸品名 江戸表具
よみがな えどひょうぐ
工芸品の分類 その他の工芸品
主な製品 掛軸、巻子、襖、屏風、額、衝立、壁張付
主要製造地域 大田区、江東区、台東区ほか 埼玉県/さいたま市、川越市ほか 千葉県/浦安市 神奈川県/鎌倉市
指定年月日 令和4年11月16日

連絡先

■産地組合

一般社団法人東京表具経師内装文化協会
〒110-0015
東京都台東区東上野4-10-14 第2東ビル402号室
Tel:03-5826-1773 Fax:03-5826-1774

https://tokyo-hyougu.jp/

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