温泉土産こけしのお祭り
東北の温泉土産として親しまれているこけし。皆さんのお宅にも一体や二体あるのではないでしょうか?そんなこけしが主役のお祭りを見に行ってきました。
宮城県仙台市から電車で約1時間半の山の中に鳴子温泉郷があります。いわゆる温泉リゾートではなく、素朴な湯治場といった雰囲気の温泉街です。東北地方の各地で作られるこけしのうち、鳴子系と呼ばれるこけしが作られている産地です。
こけし工人(こけしを作る職人さんは工人(こうじん)と呼ばれます)が約80人いるという鳴子の町を歩けば、すぐにこけし店、こけし工房を見つけることができます。こけしだけでなく、独楽や笛などの木地玩具、こけしモチーフの雑貨なども取り扱っています。
そんな鳴子にはこけしの博物館「日本こけし館」があります。ここには、鳴子系をはじめ11系統あるといわれるあらゆる種類のこけしが展示され、どの産地で作られるこけしがどんな形なのかが分かりやすく説明されています。愛好家の方たちから寄贈された貴重なこけしがたくさんあるので、おおよそ1年ごとに展示内容を入れ替えているそうです。館内では制作実演が行われ、こけしの絵付け体験もできます。
さて、わたしが今回目的としていたこけし祭りは3日間にわたって開かれます。初日はこけし神社の境内で供養祭があります。全国から送られたり持ち込まれたりした、役目を終えたこけしたちが、多くの人が見守る中供養されました。
2日目からは、鳴子小学校体育館でこけしの即売会や制作実演、座談会などが行われ、盛り上がりを見せます。
中でも座談会は大盛況でした。こけし工人さんや、識者の方たちがこけしの歴史や、こけし作りのエピソードについて語ります。現在、第三次こけしブームが来ていると巷で言われていますが、たしかに、こけし女子と思しき若い女性が結構いらしていたのが印象的でした。
2日目の夜にはこけし祭り最大のイベント「フェスティバルパレード」が行われました。鳴子のメインストリートを、はりこのこけしや盆踊りを踊る婦人会の方々、こども神輿などが通っていきます。はりこのこけし、かなりシュールなんですが、完成度は高いです。こけし工人さんたちが絵付けしているのでしょうか。
こけし祭りは年に一度の行事ですが、鳴子はそれ以外の時期に行ってもとても魅力的な場所です。温泉は種類が豊富ですし、10月から11月にかけては、鳴子峡で美しい紅葉が見られます。町中でいろんなこけしが迎えてくれますよ。