栃木県伝統工芸品展のトークショーPart2
青山スクエアでは先週の金曜日、
2月5日より「栃木県伝統工芸品展 in青山2016」が行われています。
展示は来週の水曜日17日までで、約2週間の会期も後半戦を迎えました。
そして今日、12日14時より青山スクエアでは、
二週続けてのトークショーが行われましたので、
その様子をお伝えいたします!
野州てんまりとは中山春枝さんが作り始めた手まりのことで、
その歴史はまだ他の工芸品に比べると浅いものの、
自然をモチーフにした図柄は多種多様あり見る人の心を惹きつけています。
赤池さんと長谷川さんは主婦をしながら、
その合間に時間を作ってコツコツと作品を作り上げている匠です。
野州てんまりの価格は大きさによって異なります。
大きなものは10.000円を超えますが、
1.000円台のものもあり、よく売れるのは3.000円台の小ぶりのものだとか。
ストラップにもできる一番小さいものは、810円前後で買うことができるので、
気軽に購入することも出来ます。
ですが作り手としては、
小さいからと言って簡単にできてしまうわけではなく、
この小さいタイプでも1日かかってしまうのだとか。
消費者からは解らない苦労が、
この小さなてんまりには込められています。
野州てんまりに使われている糸は、
6本が1組になっている木綿の糸。
場所によっては、この本数を減らして強弱をつけているそうです。
ただ、天皇が身体を崩されたときに、
献上した野州てんまりは木綿の糸ではなく、
普段はめったに使わない絹の糸。
絹の糸は木綿のようにまとまりにくいので、
作りづらいのですが、
出来上がった時の光沢は木綿とは比べ物にならないもの。
絹の糸を使った野州てんまりを3つお渡しになったそうです。
最後に野州てんまりの良いものを見つけるチェックポイントを、
教えていただきました。
・針目
・糸が平らになっているかどうか
の2点。
購入の際にはぜひチェックしてみてくださいね。
次に、益子焼の大塚さんにお話をしていただきました。
大塚さんは神奈川県の小田原で育ちましたが、
結婚を機に益子へ婿入りをし、
それから益子焼を作り始めたそうです。
現在は、奥さまが販売を担当し、息子さんが益子焼の窯を引き継いでおり、
大塚さんは一歩後ろに引いているものの、まだまだ現役。
大塚さんの家には登り窯があり、
年に2回焼いています。
緊張感があるものの達成感もあるので、
大塚さんは三日三晩、窯に張りついていないといけなかったとしても、
とても好きな時間だとおっしゃっていました。
また、現在主流になってきているガス窯や電気窯は置いておらず、
登り窯一つで焼き上げています。
大塚さん曰く、
ガス窯や電気窯で焼くよりも、
登り窯で焼いたものの方が、発色が違うそうです。
登り窯で焼いたものは、色味に奥行きがあり重厚感があるので、
これからも登り窯を使い続けたいとおっしゃっていました。
これからはどうしていきたいですか?という質問に対し、
大塚さんは、若手育成に尽力したいとおっしゃっておりました。
若い人たちと一緒に勉強会をして、
その中で若手が自分のやりたいことを見つけてくれると、
とても嬉しい気持ちになるそうです。
益子焼は陶磁器の中でも人気があるので、
外から習いに来る人はいるものの、
それだけに頼らずに地元の若手も育てていきたい、
というのが大塚さんのこれからの目標の様でした。
「栃木県伝統工芸品展 in青山2016」では、まだまだ制作体験も行われます!
明日、13日(土)は、益子焼のてびねり体験。
明後日、14日(日)は、益子焼のてびねり体験と竹工芸の竹盛器の製作体験。
ぜひぜひ、青山スクエアにお越しくださいませ。