栃木県伝統工芸品展のトークショーPart2
青山スクエアでは先週の金曜日、
2月5日より「栃木県伝統工芸品展 in青山2016」が行われています。
展示は来週の水曜日17日までで、約2週間の会期も後半戦を迎えました。
そして今日、12日14時より青山スクエアでは、
二週続けてのトークショーが行われましたので、
その様子をお伝えいたします!
![20160212_to01](http://kougeihin.jp/system-manager/wp-content/uploads/20160212_to01-600x401.jpg)
野州てんまりの作り手、
赤池民子(右)さんと長谷川和子(左)さん
野州てんまりとは中山春枝さんが作り始めた手まりのことで、
その歴史はまだ他の工芸品に比べると浅いものの、
自然をモチーフにした図柄は多種多様あり見る人の心を惹きつけています。
赤池さんと長谷川さんは主婦をしながら、
その合間に時間を作ってコツコツと作品を作り上げている匠です。
野州てんまりの価格は大きさによって異なります。
大きなものは10.000円を超えますが、
1.000円台のものもあり、よく売れるのは3.000円台の小ぶりのものだとか。
![20160212_to04](http://kougeihin.jp/system-manager/wp-content/uploads/20160212_to04-600x400.jpg)
一番小さいタイプの野州てんまり
ストラップにもできる一番小さいものは、810円前後で買うことができるので、
気軽に購入することも出来ます。
ですが作り手としては、
小さいからと言って簡単にできてしまうわけではなく、
この小さいタイプでも1日かかってしまうのだとか。
消費者からは解らない苦労が、
この小さなてんまりには込められています。
野州てんまりに使われている糸は、
6本が1組になっている木綿の糸。
場所によっては、この本数を減らして強弱をつけているそうです。
ただ、天皇が身体を崩されたときに、
献上した野州てんまりは木綿の糸ではなく、
普段はめったに使わない絹の糸。
絹の糸は木綿のようにまとまりにくいので、
作りづらいのですが、
出来上がった時の光沢は木綿とは比べ物にならないもの。
絹の糸を使った野州てんまりを3つお渡しになったそうです。
最後に野州てんまりの良いものを見つけるチェックポイントを、
教えていただきました。
・針目
・糸が平らになっているかどうか
の2点。
購入の際にはぜひチェックしてみてくださいね。
次に、益子焼の大塚さんにお話をしていただきました。
![20160212_to02](http://kougeihin.jp/system-manager/wp-content/uploads/20160212_to02-600x401.jpg)
益子焼の作り手、大塚邦紀さん
大塚さんは神奈川県の小田原で育ちましたが、
結婚を機に益子へ婿入りをし、
それから益子焼を作り始めたそうです。
現在は、奥さまが販売を担当し、息子さんが益子焼の窯を引き継いでおり、
大塚さんは一歩後ろに引いているものの、まだまだ現役。
大塚さんの家には登り窯があり、
年に2回焼いています。
緊張感があるものの達成感もあるので、
大塚さんは三日三晩、窯に張りついていないといけなかったとしても、
とても好きな時間だとおっしゃっていました。
また、現在主流になってきているガス窯や電気窯は置いておらず、
登り窯一つで焼き上げています。
大塚さん曰く、
ガス窯や電気窯で焼くよりも、
登り窯で焼いたものの方が、発色が違うそうです。
登り窯で焼いたものは、色味に奥行きがあり重厚感があるので、
これからも登り窯を使い続けたいとおっしゃっていました。
![20160212_to05](http://kougeihin.jp/system-manager/wp-content/uploads/20160212_to05-600x401.jpg)
大塚さんの特徴の一つ、「馬の目」柄の益子焼
これからはどうしていきたいですか?という質問に対し、
大塚さんは、若手育成に尽力したいとおっしゃっておりました。
若い人たちと一緒に勉強会をして、
その中で若手が自分のやりたいことを見つけてくれると、
とても嬉しい気持ちになるそうです。
益子焼は陶磁器の中でも人気があるので、
外から習いに来る人はいるものの、
それだけに頼らずに地元の若手も育てていきたい、
というのが大塚さんのこれからの目標の様でした。
「栃木県伝統工芸品展 in青山2016」では、まだまだ制作体験も行われます!
明日、13日(土)は、益子焼のてびねり体験。
明後日、14日(日)は、益子焼のてびねり体験と竹工芸の竹盛器の製作体験。
ぜひぜひ、青山スクエアにお越しくださいませ。