京焼・清水焼のトークショー
今日から開催の特別展「京焼・清水焼特別展」にて、
14時からトークショーが行われました。
今回はその一部を、ご紹介いたします。
まず初めに今日、実演をしてくださっている藤田さん。
藤田さんはこの道51年。
京焼・清水焼の現会長を務めていらっしゃいます。
そんな藤田さんに「京焼・清水焼」を一言で表すとと聞くと、
「何でもありの世界」とおっしゃっていました。
それというのも、
京焼・清水焼は京都の焼き物ですが、
例えば他の県で陶芸をしていた人が、
京都で一旗揚げようと京都をめざし、
自分の得意分野を活かして作り続けるということが多かったそうです。
そのため、
京都の陶芸は様々なものが混ざり合ったり、
窯によって雰囲気が全く異なったりするものが生まれるようになりました。
また京都には、
大きく分けて二つの焼き物があります。
一つは、藤田さんが所属している工芸士として焼き物を焼いている人たち。
もう一つは、名家として焼き物を焼いている人たち。
工芸士は職人というふうに置き換えられますが、
当時は公家がスポンサーのような役割でした。
そのため、
京焼・清水焼は軽くて雅な世界観が好きな公家好みの作風へと変わっていき、
結果として京焼・清水焼は公家に育てられた焼き物になりました。
最後に、藤田さんの得意とするものは何ですか?
と聞いたところ、
割烹食器だそうです。
割烹食器とは料亭などで出される食器のことで、
藤田さんも料亭のオーナーさんと話をして、
食器を作っていきます。
とくに藤田さんがこだわっているのは、
一番目立つものは料理でなくてはならないということ。
そして、料理をおいしく食べた後で、
最後に残ったお皿を見て、
「素敵な食器・・・」と、思ってもらうことが重要だとおっしゃっておりました。
続いて、清水さんにお話をお伺いしました。
清水さんは、その昔、信楽焼を見て感銘を受け、
何か手づくりで出来るもの職にしたいと思うようになりました。
京都出身だった清水さんは、
親に反対されるものの、
反対を押し切って地元の京焼・清水焼の窯に修行に入ります。
10年ほど修業をしたのち独立し、
現在に至っているようです。
清水さんが特にこだわっているのは、
土の柔らかい感じを活かしたいということ。
そのため、成形にろくろは使わず、
たたらを使っているそうです。
また自分で絵付けもしているのですが、
絵でも柔らかさを出すために、
自由な雰囲気作りを心がけています。
主に赤の顔料を使い、
女性らしさも出していっているとおっしゃっていました。
そしてまた、藤田さんにマイクが移りました。
京焼・清水焼では若手を育てるために、
寺子屋を作りました。
ここでは、普通であれば1年かかるところを、
半年で教え込んだりと、
時間の短縮を狙った活動をしています。
そうすることで、
修業期間が短くなり、
若手もこの業界にどんどんと入ってきてくれるのではないか、
というのが狙いのようです。
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今回お話をいただいたお二人の作品が出ている特別展、
「京焼・清水焼特別展」は、
4月27日まで青山スクエアで開催中です。
ぜひ遊びに来てくださいね。