赤津焼~七つの釉薬で無限の魅力~

 赤津焼という焼物を知っていますか?焼物の名前としても、赤津の地名もピンとくる人は少ないかもしれません。赤津焼は瀬戸市内の赤津町というところで作られる陶器で、日本六古窯に数えられる大変歴史の長い工芸品です。

 

 名鉄線の尾張瀬戸駅から車で10分ほど走ったところに位置する赤津町は、狭い範囲に多くの窯元がひしめき合っており、現在は30軒ほどが制作をしています。

以前はろくろのあった所に商品が並びます 壁の穴は、成型したものを置く長い板を設置するためのもの

100年以上前に建てられたと見られる工房 以前はろくろのあった所に商品が並びます 壁の穴は、成型したものを置く長い板を設置するためのもの

 

 赤津焼の特徴は7種類の釉薬を使い分けることです。灰釉(かいゆう)、鉄釉(てつゆう)、織部(おりべ)、黄瀬戸(きぜと)、志野(しの)、御深井(おふけ)、古瀬戸(こぜと)、それぞれに魅力があり、茶道具、日用食器、美術品などが作られています。

 

 中でも人気の織部。よく「織部焼」と呼ばれますが、そのような名前の焼物の産地があるのではなく、織部という釉薬をかけた焼物が「織部焼」と呼ばれており、織部釉を使用した焼物は美濃焼や京焼・清水焼などにも見られます。
 この織部釉、焼けたばかりのときはうっすらとくもった鈍い色をしているのですが、栃渋(栃のかさを煮出した灰汁)に一昼夜浸けた後に、水洗いしてから、2日間天日干しにし、布でこすると、この鈍い色の膜が取れて、美しい緑色になります。昔は半年ほど風雨にさらすことによって膜を取っていたそうですが、安土桃山時代の頃からは、栃渋を使用するようになりました。半年かかっていた工程を1日に縮めてしまったのだから、昔の人の知恵と経験はすごいですよね。
 また、この栃渋は、貫入を入れるのにも役立っています。土と釉薬の収縮率のアンバランスから釉薬の層にひびが入り、そこに栃渋の色素が入り込むことによってひびの模様が浮かびあがります。この貫入は手作りならではの味です。

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赤津は小さな山を少し上った所に位置する静かな集落です

 普段は静かな赤津町ですが、赤津窯の里めぐり赤津焼祭せともの祭では陶芸ファンの方々を中心に多くの人で賑わいます。特に赤津窯の里めぐりでは、普段は訪ねて行きづらい窯元さんの所へもお邪魔できて、楽しいと評判だそうです。
 もし少しでも赤津焼に興味を持たれたなら、是非青山スクエアまで!赤津焼独特の色合いや絵付の素朴さを、手に取って楽しんでください。そのうちのいくつかが皆さんのおうちで活躍してくれれば幸いです。FullSizeRender

 また、オンラインショップでも赤津焼の商品を取り扱っており、これからも商品数は増える予定です。もっとよく知りたい!という方はぜひ赤津に足を運んでみてくださいね!!

 

赤津焼の商品をオンラインショップで見てみる

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