庶民に愛される強固な甲州印伝
山梨県の伝統的工芸品の一つ甲州印伝は、江戸時代後期に書かれたと言われている「東海道中膝栗毛」の中にも、「旅人が腰に印伝の巾着をつけて~」というくだりがあり、その時代から庶民に使われていました。
甲州印伝が旅人にも愛用されていたのは、他の巾着に比べるととても頑丈だったからだと言われています。
頑丈だった理由の一つが、素材です。
江戸時代、日本には鹿の皮を剥ぐことを専門にした職人がいました。
(日本は古来より鹿革を愛用していたという背景もあります)
甲州印伝の作り手は、その職人から鹿革を買って、商品を作っていたため頑丈な袋ものが出来たというわけです。
鹿革は強度が高いだけではなく、軽量でキメも細かかったため加工しやすいという利点もありました。
ですが、明治11年に神鹿殺傷禁止区域ができ、明治23年にはその区域が縮小されたものの、
天然記念物の申請があったりと様々なことがおき、日本で鹿の皮を剥ぐことを専門にしていた職人が減少し、現在ではいなくなってしまったという背景があります。
そのため現在の甲州印伝の素材「鹿革」は海外からの輸入でまかなっているそうです。
甲州印伝は袋物から名刺入れ、定期入れ、印鑑入れ、バッグ、小銭入れなど、様々なものに転換されています。
図柄は伊勢形紙で作られたものを使っているものもあるので、伝統的なものが多かったのですが、現在は様々な作り手によって、今の人に合わせた新しい試みも行われています。
また甲州印伝は、様々な場所に置かれているので、現在も一般の人たちの間で愛着のあるものとして浸透しています。
青山スクエアでも店頭での販売の他に、オンラインショップでの販売も行っています。
この他にもさまざまな甲州印伝の品があります。
甲州印伝にはどこか、懐かしさと温かさがあります。
あなたは、どんなタイプの甲州印伝がお好きでしょうか?
お気に入りの逸品を探してみるのも楽しいかもしれません。