2018.01.26

特別展「秋田県伝統工芸品展」のトークショー

青山スクエアでは本日より特別展「秋田県伝統工芸品展」が始まり、

14時からは恒例のトークショーが行われました。

 

まずは高島さんからお話をしていただきました。

 

角館工芸協同組合の事務局員でもある高島まち子さん

秋田県には国が指定している伝統的工芸品が、

川連漆器、秋田杉桶樽、大館曲げわっぱ、樺細工と4つあります。

 

髙嶋さんは樺細工を専門としていますが、

秋田杉桶樽、大館曲げわっぱについても話していただきました。

 

秋田杉桶樽は、その名の通り、

桶と樽があります。

 

桶には蓋がなく、

樽には蓋があるというのが特徴。

 

作り方としては、

天然杉の板を集め合わせて容器を作るというもの。

 

それに対して、大館曲げわっぱは、

天然杉の板を曲げて作るという違いがあります。

 

どちらも天然杉で作られていますが、

現在は天然杉の伐採を制限している為に、

材料を手に入れるのにも苦労があるとお話ししていました。

 

また使い終わった後は、桶も樽もわっぱも裏返しにせずに、

そのままの状態で乾かすのがベストだそうです。

 

樺細工は山桜の樹皮を使って作られています。

 

模様が出ている部分も、

赤茶になっている部分もどちらも樹皮で、

削りが浅いか深いかによって見える模様が変わるそうです。

 

樺細工で一番売れているのが茶筒。

下地に使っているものは金属ではなく、

桐やほうの木などの木地です。

 

花瓶などは水を入れることが前提となっているため、

茶筒とは違い、濡れても大丈夫なようにコーティングが施されています。

 

また良い商品の見分け方として、

ふしあいが広いものや赤色が均等に出ているものが上質な樺細工だと教えてくれました。

 

続いて、川連漆器の作り手さんにお話を伺いました。

 

川連漆器の佐藤史幸さん

川連漆器は、栃やブナをいぶして木質効果を上げて、

最後は花塗りをするというのが特徴です。

 

花塗りとは、漆を塗った後に研がずに乾燥させて仕上げることで、

高度なテクニックが必要と言えます。

 

川連漆器は分業制で、

木地作り、下地作り、塗り、加飾(蒔絵、沈金)の4つに分かれており、

佐藤さんは下地~塗りをしています。

 

この中で今一番少ないのが沈金なのですが、

深刻なのは木地を作る人が5名しかいないということ。

今、川連漆器の中で問題になっているそうです。

 

ここで佐藤さんが、

他の産地にはない面白いものを見せてくれました。

 

きのこ盃

きのこ盃と言われるもので、

これを分解していくと・・・

 

まずは頭の部分を外します

全部で5つの盃がでてきました

きのこ盃にかかせないサイコロも入っています

きのこ盃を、どういう風に使うかというと、

5つの盃をそれぞれの人が持ちます。

 

そして、誰かがサイコロを振り、

出てきた目に書かれている盃を持っている人がお酒を呑むというもの。

(ただし、小人数でも遊ぶ方法があります。サイコロを振って出た目の盃を取り、お互いに飲みあうという方法も。呑み過ぎには要注意です)

 

サイコロの目は全部で6つあるので、

そのうちの1つには「芸」と書かれたものがあり、

その目が出ると、サイコロを振った人が芸をするという遊びも入っています。

 

今は「芸」の文字が入っていますが、

昔は「詩(うた)」という文字が入っていて、

詩をうたっていました。

 

海外のお土産品としても人気があり、

国内でも売れている商品です。

 

川連漆器など漆を使っている商品の扱い方として、

一番いいのは普段からよく使うこと。

 

箱の中に入れて置きっぱなしだと、

傷むのが早くなってしまいます。

 

よく使い、柔らかいスポンジやアクリルの毛糸などで洗い、

しっかり乾かすことで、

だんだんと漆に磨きがかかり艶が出てくるそうです。

 

色味は朱や黒、溜塗、べんがらが多いですが、

最近は多色が増えてきたとおっしゃっていました。

 

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今回お話しして頂いたお2人は、

特別展「秋田県伝統工芸品展」で2月7日まで出展をしています。

 

会期中は実演や体験もあるので、

ぜひ青山スクエアまで遊びに来てください。

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