2019.09.20

TOKYO職人展「江戸簾」のミニセミナーが行われました!

青山スクエアでは、今日から特別展「TOKYO職人展」と匠コーナー「赤津焼 宮地生成 陶展」が始まりました。

そして、15時からは、青山スクエアでは久しぶりにミニセミナー(トークショー)が行われましたので、

その時の様子を一部お伝えします!

 

今日のミニセミナーは「江戸簾」でした。

 

江戸簾は、東京都の伝統工芸品です。

 

東京都の伝統工芸品というと、何となく東京都全域に伝統工芸品が散らばっているイメージがありますが、

実は違います。

 

東京の伝統工芸品は、

江戸時代に人が100万人以上集まり、その人たちが生活をするために、

各地から様々な作り手が集まってきた時に形成されています。

 

そして、江戸に住む人たちは、川を使って水運で流通させていたため、

当時使っていた隅田川の近くに、

必然的に物づくりをする職人たちが集まりました。

 

そのため、東京都の東側に伝統工芸品を作っている産地が多いという特徴が、

今でも残っています。

 

東京都の伝統工芸品が作られている場所は、

一番多いのが台東区。二番目が墨田区だそうです。

 

 

江戸簾は、台東区で作られている伝統工芸品です。

 

現在、すだれは毎年中国から約1200万枚ほど入ってきていますが、

そんな中で、私たち職人は手作業ですだれを作っています。

 

江戸簾も、江戸時代に発展した伝統工芸品です。

100年前から、東京や京都で作られています。

 

作り方は、当時から変わっていません。

その時代に書かれた絵でも、その様子がわかります。

 

 

江戸簾は、どういった状態から作り始めているかというと、

竹を切るところからです。

 

竹藪に入って、ナタを使って竹を切り、

乾かして削ったり、細かくしたり、実演で皆さんの前で使っている大きさになるまで、

小さく切っていきます。

 

江戸簾は実用品としての伝統工芸品ですので、

私はいつもどうしたら、もっと使いやすくなるのかを考えながら江戸簾を作っています。

 

 

ただ、伝統工芸品は、二種類あると私は考えています。

 

実用品としての伝統工芸品と、

生活を豊かにするための伝統工芸品です。

 

TOKYO職人展では、実用品としての伝統工芸品を展示しています。

TOKYO職人展の後に行われる「東京の粋は、進化する。 東京手仕事展」は、

後者のタイプのものを展示することになっており、

デザイナーとコラボをして作ったり様々な形で現代のものに合わせ進化させています。

 

「TOKYO職人展」と「東京の粋は、進化する。東京手仕事展」の違いを見てみるのも、

面白いかもしれません。

 

 

というようなお話を、江戸簾の作り手である田中耕太朗さんが、されていました。

 

最後に、今回ミニセミナーを聞いていたお客さんから、

「すだれは使っていると、ずれてくるものがあるけれど、あれはどうしてなの?」

という質問に対して、

 

中国で作られている簾や、機械で作っている簾は、

竹を取ってきて、それをすべて量産型で作りだしています。

 

ですが、手作業で行っている江戸簾では、

すだれとして使える竹はどれなのかというところから吟味しており、

竹によっては簾にするのには弱いと判断したものは使っていません。

 

皆さんが思っている以上に、

手作業で作っている簾には時間がかかっているので、

ずれてくるような簾はでてきません。

 

と、答えていました。

 

このミニセミナーは、「TOKYO職人展」開催中、毎日行われています。

明日は、東京彫金の作り手によるお話が聞けますので、

青山にお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね!

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