【一位一刀彫】猿好きなスタッフが出会ったのは、木彫りの熊!ではなく、木彫りの子猿でした。
スタッフ愛用の逸品をご紹介
木の国 “飛騨” で大成した工芸品
スタッフ・H
“猿” 好きなスタッフが出会ったのは、まろやかなフォルムとつぶらな瞳が愛らしい木彫りの子猿。「一位一刀彫(いちいいっとうぼり)」の職人、吉野 昌征《 雅号: 昌広 》さんの作品です。
「一位一刀彫」は、木の国とも言われる飛騨の地で育まれてきた岐阜県の工芸品。
もともと木彫の文化が育まれていた飛騨の地で、江戸時代後期の根付師である松田亮長(まつだ すけなが)が大成しました。その名の通り、イチイ(一位)という常緑針葉樹が材料として用いられます。
01.一位の木、ありのままの美しさ。
「一位の木」の語源は、かつて、天皇即位の折りに「笏(しゃく)」として献上したところ、他の材より美しく質が高かったので「正一位」という最高の位が与えられた等の説があります。この木は、赤太、白太の二つの色調を持ち、木目が美しく、時を経るにしたがって艶のある茶褐色に変化していくのが特徴です。
引用:高山市 公式webサイト「一位一刀彫」https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1000067/1002790/1002815/1002816/1002819.html
無彩色
「一位一刀彫」は、色を付けず、材料となる木を見て、どんな作品にするか決めるといいます。
この子猿にはじめて出会ったときに、二つの色調のコントラストによる豊かな表情に目が引きつけられました。
赤太と白太
一位の木ならではの赤太、白太の二つの色調が巧みに生かされています。
作者の吉野さんが一位の木と対話し、木目や色調を見極めて彫られたのだと思うと、その磨き上げられた審美眼にため息が出ます。
寒さに耐える姿
丸くなって寒さをやり過ごそうとしている子猿。
尻尾も丸まっていて寒さを感じますが、その姿になんともいえない愛嬌があり、日々癒されています。
02.ノミ跡の毛並み
いくつものノミを使い分け、ノミだけで仕上げる「一位一刀彫」。ノミの跡をあえて残すという技法を持ち、ノミ跡は写実的で迫力のある作品を生み出します。匠が施す繊細なノミの跡、一刀彫という名には、一刀一刀に心を込めるという意味もあると聞きました。
この子猿も、ノミ跡でその毛並みが写実的に表現されています。
撫でたくなる毛並み
ノミ跡に沿って撫でてみると、柔らかい木の質感と相まって、本当の子猿を撫でているような錯覚を起こします。
背中の模様は木の個性が生み出したチャームポイント。
03.本棚の守護神として
春も近づいてきた今は、寒さに耐えることもなく、本棚の守護神としておだやかな日差しの中でお気に入りの本を守ってくれています。
心なしか春の日差しに表情もほころんでいるような。
「一位一刀彫」は材料となる木ごとに個性があり、その個性から生まれた作品との出会いはまさに一期一会。これから時を経て、艶のある色合いにどう変化していくのか見届けていくのが楽しみです。
一位一刀彫 「子猿」 吉野 昌征《 雅号: 昌広 》
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