伝統工芸 青山スクエア
青山スクエアブログ
2018/4/6(金)展示会情報

「名古屋伝統工芸」と「東京手描友禅」のトークショー

青山スクエアでは今日から特別展「名古屋伝統工芸 わざもん衆まつり」と匠コーナー「東京手描友禅 小倉貞右・隆 親子展」が始まりました。

 

まずは、わざもん衆のリーダーでもある名古屋提灯の伏谷さんに話をしていただきました。

 

名古屋提灯の作り手、伏谷さん

伝統工芸品は、後継者不足、格安の中国製品の輸入や生活様式の変化による消費者離れなど、

問題を多く抱えています。

 

このままではいけないと誰もが思っているものの、

1人ではすぐに限界を迎えてしまい行動ができません。

 

だからこそ、同じ問題を抱えていても、

行動ができるようにという意味も含めてわざもん衆ができました。

 

わざもん衆は名古屋を中心に活躍する、

新しいものを作っていく集団です。

 

現在は8社が参加しており、

今回はその中の5社が青山スクエアに来ました。

 

今年で5年目になり、活躍の場も増えて、最近では名古屋城の城外にある、

金シャチ横丁のオリジナルグッズも作るようになったそうです。

 

そして伏谷さん自身は、

名古屋提灯の作り手としても工芸品を作り続けています。

 

名古屋友禅とコラボをして新しい形の提灯を作ったり、

お祭り用の提灯を作ったり、

照明器具としての提灯を作ったりと、

実は提灯の受注は増えてきているとのこと。

 

ただこれは嬉しい反面、

提灯の作り手が減ってきているということでもあるので、

問題も含んでいます。

 

今現在、若い人たちが提灯づくりをしているが、

10年後、後継者として育っているかどうかが重要だそうです。

 

また伏谷さんは今後、伝統的なものを基本に起きつつ、

今の生活に違和感のない物を作っていきたいとおっしゃっていました。

 

次にお話をしていただいたのは、名古屋友禅の赤塚さんです。

 

名古屋友禅の作り手、赤塚さん

友禅の中でも型染めは、インクジェットで行ってしまう人が増えている中、

手作業で友禅を作り続けています。

 

手作業とインクジェットの違いは、

手作業で作った型染めの方が立体感があるということ。

 

インクジェットで染めると、色も形も均等で全体的にベタッとした感じがあります。

ですが手作業で染めると、線の太さが微妙に違ったりして、

それが遠くから見ると立体的に見えて味のある友禅になるとおっしゃっていました。

 

また最近、型染めの技法を使ったスカートを作っていますが、

こちらも手作業でしか表現できない形で人気です。

 

次に瀬戸組子の山田さんに話をしていただきました。

 

瀬戸組子の作り手、山田さん

瀬戸組子は、釘を使わずに木をはめ込んで作っていく工芸品です。

 

山田さんはもともと家具を作っていましたが、

木工の技術を深く追求していくうちに、

お店などにある組子に興味を惹かれるようになりました。

 

初めは自分が作れるようになると思っていなかったものの、

段々と作るようになり、

現在に至っています。

 

デザインも全て自分で行っていますが、

オーダーを受けることもあり、

その時は決められたサイズの中で、どうデザインしていくのかを考えて作るそうです。

 

商品としては、鍋ひき、コースター、文房具類、テーブル、アクセサリーなど様々あります。

 

瀬戸組子の木は、染めることなく使っています。

アクセサリーで黒っぽい色と白っぽい色の木があったとしても、

それは本来の色をそのまま使っているだけなので、

自然色だそうです。

 

以前はカラフルな組子を作ることが多かった山田さんですが、

最近はシンプルでカッコいいものを作ることが増えたとおっしゃっていました。

 

次に尾張七宝の原田さんに話をしていただきました。

 

尾張七宝の加藤七宝に勤める原田さん

この世界に入ってまだ3年しかたっておらず、

まだ見習いの状態だとおっしゃっていました。

 

そんな原田さんは、

七宝町が出身で子どもの頃から学校で七宝に触れていたそうです。

 

大学は文学系を出たのですが、

やぱり七宝をしたいという気持ちが強く、

加藤七宝店に入ることになりました。

 

元々絵を描いていたわけでもないので、

絵を描くことも難しいそうです。

 

七宝は、金属をベースにして釉薬をかけ、

焼いたもののことを言います。

 

原田さんは、そんな七宝の中でも、

省胎七宝(しょうたいしっぽう)をいつか作れるようになりたいそうです。

 

現在、省胎七宝は作れる人が限られており、

原田さんが所属している七宝店でも、

先代のみが作ることができました。

 

省胎七宝は最終工程で、

七宝の金属を酸を使って溶かしてしまいます。

 

そのため作るのが非常に難しく、

10個作っても3個ほどしか完成しないそうです。

 

立体のステンドグラスに似ていると、

おっしゃっていました。

 

次に名古屋黒紋付染の武田さんに、話をしていただきました。

 

名古屋黒紋付染の作り手、武田さん

名古屋黒紋付染は、

今でこそ喪服のことを指していると思っている人が多くいますが、

最高礼装でお祝い事の時にも着るものでした。

 

とある有名な学校でも、

名古屋黒紋付染と袴をはいて卒業式をしたりもしています。

 

黒紋付染の中でも名古屋の特徴と言われているのは、

紋当金網(もんあてかなあみ)を使うところ。

 

紋当金網を使うことで長時間染めることが可能になり、

堅牢な色を出すことができます。

 

ただ現代の人は、

自分の家紋が何かを知らない人が多くなってきました。

 

ただ紋は自由に作ってもいいものではあるので、

家紋にこだわらず遊び心を持って自分の紋を作るのもおしゃれです。

 

また武田さんは、

男の着物を定着させたいという考えを持っており、

今回もトークショーの間に、

青山スクエアの現在の館長に着物を着せたいとおっしゃっていました。

 

最後に東京手描友禅の小倉さんにお話をしていただきました。

 

東京手描友禅の作り手、小倉さん

友禅は京友禅、加賀友禅など様々なものがありますが、

東京の友禅は、遊び心のある粋なものをベースに作られています。

 

去年の12月に行われた染芸展で、

小倉さんの友禅が100点ある中の3番目に選ばれました。

 

そこで描いていたのは、

宝づくしの絵だったのですが、

玩具づくしというものもデザインしたそうです。

 

この玩具づくしのデザインは自分でしたものですが、

今回は小倉さんのお父様が染めました。

 

70代のお父様が染めると、

同系色の着物になり、自分で染めた時とは雰囲気が違うそうです。

 

小倉さん自身は、

現代的なものや唐草でモダン、

そして躍動感のあるデッサンを心がけているので、

40代以上の方がお客様につきやすく、

お父様が作られた着物は70代の方がお客様につきやすいという傾向もあります。

 

今後は、

色はお父様のもので、デザインは自分で描いたものや、

色は自分のもので、デザインは伝統小紋にしたものを作っていきたいとおっしゃっていました。

 

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今回お話しして頂いた作り手の方たちは、

特別展「名古屋伝統工芸 わざもん衆まつり」は4月18日、

匠コーナー「東京手描友禅 小倉貞右・隆 親子展」は4月11日までの期間中は、

青山スクエアにいますので、ぜひ遊びに来てください。