技術・技法
1
献上及び変り献上にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)
「ジャガード機」又は「ドビー機」を用いる先染め又は先練りの平織りの変化織り(献上にあたっては、たてうね織りに限る。)とすること。
(2)
たて糸は、8本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において、筬の筬密度は、3.78センチメートル間72羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
(4)
紋は、「浮けたて」により表すこと。
(5)
献上の模様は、「独鈷」、「華皿」及び「縞」とすること。
2
平博多にあっては、次の技術又は技法により製織された無地織物とすること。
(1)
先染め又は先練りのたてうね織りとすること。
(2)
たて糸は、8本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において、筬の筬密度は、3.78センチメートル間72羽以上とすること。
(3)
よこ糸は、「手投杼」若しくは「引杼」を用い、又は「追杼」により打ち込むこと。
(4)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
3
間道にあっては、次の技術又は技法により製織されたしま織物とすること。
(1)
「ジャガード織」または「ドビー織」を用いる先染め又は先練りの平織りの変化織り又は綾織り、朱子織り若しくはこれらの変化織りとすること。
(2)
たて糸は、8本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において、筬の筬密度は、3.78センチメートル間72羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
4
総浮にあっては、次の技術または技法により製織された紋織物とすること。
(1)
「ジャガード織」を用いる先染め又は先練りのたての重ね織りとすること。
(2)
たて糸は10本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において、筬の筬密度は、3.78センチメートル間70羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
(4)
紋は、「浮けたて」により表すこと。
5
重ね織にあたっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)
「ジャガード織」を用いる先染め又は先練りのたてよこの重ね織りとすること。
(2)
たて糸は13本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において筬の筬密度は、3.78センチメートル間73羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
(4)
紋は、たて糸又はたて糸及びよこ糸で表すこと。
6
綟り織にあたっては、次の技術または技法により製織された搦み織物とすること。
(1)
「ジャガード織」を用いる先染め又は先練りのたての搦み織物とすること。
(2)
たて糸は、よこ糸の打ち込みに「手投杼」又は、「引杼」を用いるものにあっては5本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込み、その他のものにあたっては11本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において筬の筬密度は、3.78センチメートル間15羽以上、その他のものにあっては3.78センチメートル間60羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
(4)
紋は、「浮けたて」により、又は地糸若しくは絵よこ糸で表すこと。
7
絵緯博多にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とすること。
(1)
「ジャガード織」を用いる先染め又は先練りの平織りの変化織り又は綾織り、朱子織り若しくはこれらの変化織りとすること。
(2)
たて糸は6本以上を一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと。この場合において筬の筬密度は、3.78センチメートル間55羽以上とすること。
(3)
「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように調整しつつ、製織をすること。
(4)
紋は、よこ糸で表すこと。この場合において、平織りの変化織り以外のものの絵よこ糸は、たて糸を用いて裏とじをすること。