紀州へら竿

和歌山県

紀州へら竿は、竿師の高い技術力で作られるへら鮒用の釣り竿です。
その製造技法は、明治10年代に大阪市で確立し、その後、原材料である高野竹(スズ竹)の産地に近い和歌山県橋本市に根付いて今日に至ります。昭和初期からのへら鮒釣りブームもあり、へら竿づくりは定着し、以後多くの釣り師に愛されてきました。

  • 告示

    技術・技法

    1 乾燥は、自然乾燥によること。

    2 製造は、次の技術又は技法によること。
    (1)あらかじめ継ぐ竹を決める「生地組み」を行うこと。
    (2)「火入れ」をし、「矯め木」を用いて「矯め」を行うこと。
    (3)「差し込み」は、「並継ぎ」であること。また、「玉口」は、絹糸を巻いた後、漆を塗布して水研ぎを二回以上行うこと。
    (4)穂先は角材状の竹を円錐状に削って加工すること。

     

    原材料

    1 使用する竹材は、真竹、黒竹、高野竹若しくは矢竹又はこれらと同等の材質を有するものとすること。

    2 持ち手部分を除く漆塗りの補強の下地には絹糸を使用すること。

    3 漆は、精製漆とすること。

概要

工芸品名 紀州へら竿
よみがな きしゅうへらざお
工芸品の分類 木工品・竹工品
主な製品 主にへら鮒釣りを目的とした釣り竿
主要製造地域 橋本市、伊都郡九度山町
指定年月日 平成25年3月8日

連絡先

■産地組合

紀州製竿組合
〒648-0041
和歌山県橋本市清水385-2
TEL:0736-32-4035
TEL:090-1892-0751
FAX:0736-34-1482

実店舗青山スクエアでご覧になれます。

特徴

三尺(約90㎝)程の3~5本の竹を「並継ぎ」し、竿先は円錐状に削って穂先 とし、持ち手はグリップのように太く、バランスの取れた調子と丁寧な装飾の調和が持ち味です。

作り方

紀州へら竿の工程は、
①原竹の乾燥
②生地組み
③火入れ
④中抜き
⑤込み削り
⑥絹糸巻き
⑦漆塗り
⑧差し込み
⑨握り
⑩穂先削り
⑪胴漆塗り(胴拭き)
⑫仕上げ

と、大きく分けて12工程あり、そのいずれもが手作業としての製造であり、これらの作業は通常、同じ竿師が一人で行っています。

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