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TRADITIONAL CRAFTS

新潟・白根仏壇Niigata Shirone Household Buddhist Altars

江戸時代中期に、伽藍師(がらんし)という寺院を建てる専門家が、京都から技術・技法を取り入れて京形の仏壇を作り、さらに、自分の手で簡単な彫刻を施した「白木(しらき)仏壇」を完成させたのが始まりです。
18世紀後半にはこの産地独特の技術・技法が生み出され、各部門ごとの分業化による生産の体制が出来上がりました。

A specialist, who was responsible for building a temple, introduced various skills and techniques from Kyoto to the area in the middle of the Edo period (1600-1868) and made Kyoto style household Buddhist altars. He also made a plain wooden altar, carving it in a simple manner himself. This was to be the forerunner of Niigata Shirone household Buddhist altars. In the latter part of the 18th century, skills and techniques characteristic of the area were born and a production system was set up, each operation being carried out by a skilled person.

Because household Buddhist altars are built to last it is important to achieve an overall harmony. It is also important whether or not an altar possesses that majestic dignity which comes from the overall finish. This has a lot to do with the balance between the shumidan and the kuden--the outer and inner sanctuaries-the design of the carving and lacquer work decorations, the quality of the lacquer, the finish of the gilding, and the attachment of the fittings. There are now 72 firms employing 365 people, among whom there are 15 government recognized Master Craftsmen.

  • 告示

    技術・技法


    「木地」の構造は、「ほぞ組み」による組立式であること。


    なげしは、「一文字型なげし」、「弓型なげし」及び「わらび型なげし」とすること。


    宮殿造りは、「桝組み」又は「肘木桝組み」によること。


    塗装は、精製漆の手塗りとすること。


    蒔絵及び金箔押しをすること。

    原材料


    木地は、ヒメコマツ、ヒノキ、ケヤキ、ホオ若しくはサクラ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。


    金具は、銅若しくは銅合金又はこれらと同等の材質を有する金属製とすること。


    漆は、天然漆とすること。

  • 作業風景

    製造工程は木地づくりにはじまって最後の組立てまで大きく分けて6つの工程に分かれます。もちろん、それぞれの工程がさらに複雑な工程を重ねているのは言うまでもありません。

    工程1: 木地

    木地にはゴヨウマツ、ホウ、ケヤキ、ヒノキ、ヒバ、サクラを使用します。まず、原木を板目の木目を生かして製材します。その後乾燥させ、長い一本の棒「かねばかり」を使って寸法取りし切断していきます。この「かねばかり」に記されている何種類もの数字や文字を基準に木地職人は寸法を測っていくのです。こうして寸法通りに切られた材をカンナやノミなどで加工していき、最終的にはホゾ組みにして仕上げます。同時に宮殿(くうでん)づくりが行われます。

    工程2: 彫刻

    彫刻では立体感を出すために圧板を表裏から透かして彫る「丸彫り」や、薄手の板を1枚ずつ彫って重ね上げる「重ね彫り」、薄板に厚材に見えるように彫る「平彫り」と技法を使い分けています。こうして人物や花鳥などが全て手作業で彫られていきます。

    工程3: 金具

    銅板および真ちゅう板による打ち出し作業などを行い、着色して製作します。

    工程4:

    木地の工程でホゾ組みされた仏壇を分解し漆を塗ります。これを湿度で乾燥させ、表面を研いでさらに漆を上塗りしていきます。これら一連の作業を最低3ヶ月繰り返します。塗の場合は、木目を鮮やかに出す「木目出し塗り」、つやを抑えた「呂色(ろいろ)塗り」、金や銀、すずの梨子地粉をまいて仕上げる「梨子地塗り」、あわび貝のかけらをちりばめる「青貝塗り」、砂をまぶしてザラついた表面に仕上げる「砂粉塗り」などの種類があります。漆本来の深い光沢を生かしているうえ、変り塗りの活用によって豪華さと気品を生み出しています。

    工程5: 蒔絵

    花や鳥、および人物などが描かれていきます。技法としては「平蒔絵」や「漆盛蒔絵」があり、特に何度も漆を塗って絵柄の部分を盛り上げる「漆盛蒔絵」は立体感を作るだけでなく、より荘厳な雰囲気を演出するのに効果的な技法です。

    工程6: 金箔押し

    漆塗りが仕上がったものに純金箔をはっていきます。一枚ずつ丁寧に作業が行われます。金箔押しには「艶出し押し」「艶消し押し」「金粉蒔」とあり、その使い分けにより適度な華やかさと気品のある高級感を作り出しています。

     

  • クローズアップ

    深い信仰が育んだ荘厳な風格漂う 新潟・白根仏壇

    独特の技法で仕上げられた宮殿、永久に変化することのない本金蒔絵、本漆。300年の伝統に培われ、常に洗練されてきた新潟・白根仏壇は荘厳優美な品格を備えている。

     

    深い信仰のもと生まれた新潟・白根仏壇

    越後は浄土真宗の始祖親鸞や、日蓮宗の始祖日蓮が配流をした地でもあり、その布教活動によって信徒も多く、古くから仏教信仰が盛んであった。江戸中期の元禄年間、京型の仏壇に工夫を重ねて生まれたのが新潟・白根仏壇だ。また、高温多湿な白根の風土が漆の乾燥に適していたなど、仏壇づくりの基盤となる条件が揃っていたという点も、白根が仏壇の一大産地になった理由として挙げられる。その後、白根独特の技術が生み出され、木地、彫刻、金具、蒔絵、塗りの5つに分業して、完全な産地形成が確立されていった。今回は、仏壇づくりの最初の工程である木地づくりを専門とする職人、古川光男さんを訪ねた。
    古川さんは木地づくりの技を鍛えて50年になる伝統工芸士。「新潟・白根仏壇の特徴は、反りのある笠、仏壇内部の宮殿(くうでん)が三ツ屋根であることです。原材料は主にベイヒバ、ロシヤゴヨを使用しています」反りの入った笠は、重厚荘厳な仏壇全体の風合いの中で、ひときわ華麗さを放つアクセントとなっている。また、宮殿は「平桝型」という独特な技法が用いられ、桝組の小部分まで全てホゾ組みつくりとなっている。

    材料の乾燥が木地づくりの基本

    木地づくりは製材所で原木を切るところからはじまる。仏壇に使用される木材を切るためには、数十種類にも及ぶ細かな寸法の指示が必要となる。こうして切られた木材をそのまま彫刻などに使用することはできない。最低で6カ月もの屋外乾燥を経なければならないのだ。「野積みにはしますが、雨にはあてません。こうすることで長持ちする木材ができていくのです」水分の比率が16%ほどになったら乾燥は終了し、ようやく古川さんの作業場に運ばれ、加工される。

    精巧な仏壇づくりの決め手、かねばかり

    木材を丸ノコなどで木取りしていくのだが、その際に用いる道具が「かねばかり」である。新潟・白根仏壇に設計図というものは存在せず、木地職人はこの「かねばかり」に記された寸法を基準に仏壇のサイズを決めていくのだ。「仏壇づくりに図面は必要ありません。全て頭に入っていますから。言い換えれば、「かねばかり」は、頭の中にある図面をとりだしてくれる道具なのです」熟練の職人ともなれば、この棒を見ただけでこれから作る仏壇の大きさが分かるそうだ。

    ホゾ組みされた仏壇の前に並んでいるのが仏壇の設計図「かねばかり」

    木材に命を吹き込む職人の妙技

    寸法どおりに切られた木材は、手押しカンナ、自動カンナで表面を整えられ、ホゾ組みによって仏壇の形があらわれてくる。ただし釘は一切使わない。次の工程「塗り」で一度解体されるからだ。そして、カンナやノミ、小刀、各種工具などを使った細かな彫刻によって、仏壇内部の柱や宮殿が形作られていく。単なる木材が職人の手が入るたび、荘厳優美な命を宿っていくこの作業は、まさに熟練の技の見せどころである。

    一本の木材が、職人の手によって神聖な仏壇の一部へと変容していく

    朝晩手を合わせる仏壇への誇り

    「仏壇は先祖を祀るもの。宗派の違いこそあれ、日本の家では仏壇を祀ります。自分が今生きてこれまで育ってきたのも先祖のおかげであると、感謝の思いを伝える対象でもあります。朝晩手を合わせるものは、仏壇と神棚だけですよね。このようなものを作るということに対して、末代まで使ってもらえるようなものを作っていきたい、と思いながら仕事に向かっています」と、古川さんは仏壇づくりへの誇りを熱く語ってくれた。

    仏壇の洗濯で末代まで伝統を伝えぬく

    この新潟・白根仏壇は、本体はもちろん全ての部位は分解が容易なため、長期間の使用によるくすみや汚れには分解・掃除・洗浄による化粧直し、いわゆる「仏壇の洗濯」が可能となっている。そのため、作られてから100年、200年経っても新品同様に再生することができるのだ。300年の伝統に培われた技が生きる新潟・白根仏壇は、荘厳さと優美な品格が愛されている。

    職人プロフィール

    古川光男

    昭和8年新潟県白根市に生まれる。仏壇づくりは2代目。今後は各職部の力を結集して新しいデザインの仏壇を手がけていきたい、と意欲を見せてくれた。

    こぼれ話

    荘厳な仏壇の世界を創り出す道具たち

    新潟・白根仏壇は様々な工程を経て完成します。そのためには熟練の技はもちろん、道具が不可欠。今回は仏壇の最初の工程、「木地づくり」に使われる道具をいくつか紹介しましょう。
    まずは鉋(カンナ)。使う用途によって数十種類にもおよぶ数の中から最適なものを選んで使います。アーチ型の外丸鉋、U字型の内丸鉋、細かい部分を削るための小鉋(別名、細工鉋とも言います)、独特の削り面をつくり出す銀杏面鉋、面取り鉋など多種多様です。他にもノミや小刀、木工ミシンなどを使って仏壇の各部位をつくり出していきます。
    そして、仏壇の設計図とも言えるのが「かねばかり」という一本の長い棒。この棒の表面には何種類もの数字や文字が記されており、素人目には何に使われるのか分かりません。木地職人は、材を切る際に、このかねばかりを当て、ここに記された寸法を基準に仏壇のサイズを決めていきます。
    上記に挙げた以外にも、一つの新潟・白根仏壇を仕上げるためには、それぞれの工程で多種多様な道具が必要となります。熟練の職人は、このような先人の知恵がつまった道具たちを使い、荘厳な仏壇の世界を創り出していくのです。

    • 木工ミシンによってくり貫かれた部材。切断面は鉋や紙やすりを使って整えられていきます。

    • ノミの数々。左から丸ノミ、三角ノミ、平ノミ3種です。

     

概要

工芸品名 新潟・白根仏壇
よみがな にいがた・しろねぶつだん
工芸品の分類 仏壇・仏具
主な製品 仏壇・仏具
主要製造地域 新潟県/新潟市
指定年月日 昭和55年10月16日

連絡先

■産地組合

白根佛壇協同組合
〒950-1217
新潟県新潟市南区白根1240-3
白根商工会内
TEL:025-373-4181
FAX:025-373-4199

新潟仏壇組合
〒950-0324
新潟県新潟市江南区酒屋町547-3
友坂佛壇店内
TEL:025-280-2236
FAX:025-280-2236

■関連展示場・施設

特徴

仏壇は耐久性と、全体の調和が大切です。須弥檀(しゅみだん)、宮殿(くうでん)等のバランス、彫刻や蒔絵の図柄、漆の塗り具合や金箔の仕上がり、金具取り付け等、全体の仕上がり具合から生まれる荘厳優美な品格を備えているかどうか等が大切です。

The essence of a household Buddhist altar is durability and balance. The balance of key pieces such as the Shumidan base and Kuden palace, the design of the engravings and Maki-e gold lacquer paintings, the condition of the lacquering and gold leaf finishing, and the quality of the gold finishings all play an important role in creating the majestic beauty fundamental to a household altar.

作り方

ヒノキ、ヒメコマツ、ケヤキ等の木を用いて、木地、宮殿を作り、その寸法に合わせて彫刻、金具を作ります。完成した彫刻、木地、宮殿は漆を塗り、蒔絵、金箔押しをして金具を取り付け組み立てて仕上げます。

Using wood from Japanese cypress, white pine, and zelkova, the wooden base and Kuden palace are made. The sculptured decorations of the altar and gold finishings are also made according to the design. The finished base, Kuden and wooden sculptures are then lacquered, Maki-e gold lacquer pictures are painted, gold leafing is applied, and then gold finishings are set to complete the Butsudan altar.

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