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TRADITIONAL CRAFTS

大阪仏壇Osaka Household Buddhist Altars

聖徳太子が四天王寺を建てた際、朝鮮半島の百済から技術者を呼び寄せ大阪に住まわせたことから、仏壇、仏具の産地が形成されたと言われています。その後、仏教が広まるのとともに、大阪独特の優れた製作技術・技法も府下一円に広まりました。
仏壇の原形は、農人橋のお祓橋(はらいはし)の仏師が考案し、ほぞ組みに仕上げ、扉、障子を付け、移動に便利な型になっており、現在まで受け継がれています。

Household Buddhist altars and other items associated with the religion were first made in Osaka by specialists who came from Paekche on the Korean peninsular, at the time that Shotoku Taishi built the Shiteno-ji temple in the late 6th century.
Subsequently, the skills and techniques developed in Osaka spread throughout the area. The original form of household Buddhist altar was developed by a woodworker who was a specialist carver of images of Buddha. He conceived the altar as a moveable item with bracketing, doors and screens, a form which is still being made.

Household Buddhist altars to suit the idiosyncrasies of each Buddhist sect are on offer. Care is taken to see that the wooden structure of the interior is not damaged by the fittings. The gilded columns and carving are exceptional and are of a beautiful hue. One thing particularly special to Osaka Butsudan is the way in which a style appropriate to each sect is achieved with the decorative fittings on the doors.

  • 告示

    技術・技法


    「木地」の構造は、「ほぞ組み」による組立式であること。


    宮殿造りは、「肘木桝組み」によること。


    欄間の彫刻は、「篭彫り」、「欠き彫り」又は「寄木彫り」によること。


    塗装は、精製漆の手塗りとすること。


    蒔絵及び金箔押しをすること。この場合において、「段金物」(宮殿柱用を除く。)にあっては、高蒔絵によること。


    戸に使用する金具の着色は、硫酸銅及び酢酸銅を用いて「宣徳仕上げ」をすること。

    原材料


    木地は、スギ、マツ、ヒノキ、ヒメコマツ若しくはベニマツ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。


    金具は、銅若しくは銅合金又はこれらと同等の材質を有する金属製とすること。


    漆は、天然漆とすること。

  • 作業風景

    仏壇が出来るまでの行程は細かく、分業によって行われています。それでは、大阪仏壇ができるまでの工程を見てみることにしましょう。

    工程1: 木地

    充分に乾燥した木材より選定された材料で、熟練した木地師により、お仏壇を作り始めます。

    工程2: 屋根

    木材から木の節などを取りのぞき、屋根、破風、タルキ、桝、肘木、手先、鬼板、平桁など細かく切削し加工します。

    工程3: 須弥段(しみだん)

    小割りした木の材料を、面鉋、彫刻刀などで、勾蘭、海老束、前卓のくり物を作り、ニカワ、ソクイなどで接着します。

    工程4: 前机

    須弥段用の道具を使って、地覆、胴、天板の順に載せ、木釘、竹釘で止めた後、筆返しをのせます。

    工程5: 彫刻

    彫刻用材は、姫小松、紅小松などの節、やに、ひび割れを取り除いた物を使います。熟練された彫刻師により彫り上げられます。

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    工程6: 漆塗

    木地に砥の粉、ご粉で下地を整え、適した湿度とほこりのない場所で、中塗、上塗と何回も繰り返し仕上げます。

    工程7: ろ色磨

    漆で出来た凸凹を炭で入念に研いだ上、角粉を用いて、手の平、指先を使って磨き、美しく、光沢あるものに仕上げます。

    工程8: 蒔絵

    大阪仏壇の場合、高蒔絵が最大の特徴となっています。大阪独特の技法であり、段金物を用いないで、金物型を描く技法です。

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    工程9: 金箔押

    繊細で高度に熟練された箔押し職人の手先の妙技が必要とされ、最高純金箔、一枚一枚を丁寧に、竹箸で張り付けていきます。

    工程10: 彩色

    彩色には木地彩色と箔彩色があります。上品な色彩で荘厳で美を描き出す、技術者の優れた感性が求められます。

    工程11: かざり金具

    銅また真鍮版を目的に応じた寸法に切り、タガネを用いて打ち抜き、切断面のひずみを修正し、周囲をヤスリ、きさげなどを用いて面を滑らかにし、彫り入れをします。

    工程12: 組立

    最後に、各部品の組立作業です。傷を付けないように細心の注意で組み立てられ、厳しいチェックの上、完成されます。

     

  • クローズアップ

    仏教とともに愛された大阪独特の優れた技術

    飛鳥時代、仏教の伝来とともに百済から仏工・造寺工が難波津に渡来。その地から芽生えた大阪仏壇は、やがて、漆金仏壇と唐木銘木仏壇の二部門が製作されるようになった。今でも変わらぬ伝統工法による仏壇は、人々に安らぎを与えてくれる。

     

    荘厳さを追求した豪華な作りの漆塗金仏壇

    西暦552年、百済より海上交通の要津であった難波津(今の大阪)に経文とともに6人の仏工(仏師)・造寺工(大工・細工師)などが遣わされてきた。また、西暦593年、聖徳太子が四天王寺建立の際にも、百済から技術者を呼び寄せ、現在の上町台地に住まわせた。後に、これらの技術者が仏壇仏具の製造に力を入れ、大阪の天王寺周辺が仏壇の産地として形成されていったのである。その後、仏教が広まるとともに、大阪独特の優れた製作技術・技法も大阪府下一円に広まった。
    漆塗り金仏壇の特徴は、内部上段の前面に高蒔絵の技法を施してあること。これはまるで段金具を打ち付けてあるかのように見える。この技法により、金具による木地の損傷が防げるのだ。

    金箔の輝きが優美な漆塗り金仏壇

    堅牢性を誇り重厚な造りの唐木銘木仏壇

    江戸初期の頃から各家庭に仏壇を安置する習慣ができ、これに応えるため、船場御堂前の仏壇調整処や、付近に住んでいた指物師たちが、杉・松・桧などで簡単な戸棚仏壇を創るようになった。
    江戸中期には、紫檀、黒檀、花梨材は唐(から)の木と呼ばれ輸入量も増え、唐木細工専門の職人も生まれ、独特の技法をあみ出した。
    江戸後期には唐木・桑・桜・拳などの素材で、寺院様式や、漆金仏壇を模した扉付き仏壇が大阪で作り出されたのだった。

    江戸後期、大阪で生まれた唐木銘木仏壇

    豊かな色使いが美しい、女性彩色師に聞く

    春場所の力士たちの色とりどりののぼりがはためく大阪府立体育館の裏手。伝統工芸士、井村佐和子さんの自宅兼仕事場がある。日当たりの良い三畳ほどの小部屋には、彩色用の面相筆や、顔料や仏壇の部品がところ狭しと並べられている。「初めは近所に住む彩色家の方がおられたので、お手伝いをすることでこの世界に入りました。修行というより、初めは見よう見まねで習いました。あれから30年、たくさんの彩色を手がけることでバリエーション豊かな彩色を施せるようになりました。きれいな作品が仕上がるととても楽しい気分になります。」どの作品も女性らしい柔らかな色調となっている。彩色を施す部分は、よく見なければ分からないような仏壇の奥にまではめ込まれる。たとえどんな裏側にまわる部分であっても、決して手は抜いていないのだ。

    • 「拝む方のために心を込めて彩色してます」と語る井村さん

    • 面相筆で細かい模様を描く

    • 飾り部分は細かなパーツに分かれており、彩色後に組み込む

    伝統の技術と心は娘さんが受け継いで・・・

    嫁いだ娘さんが毎日、彩色を手伝いに来る。彩色の技能を母から娘へと教え伝えていくのだ。「ここ3年思った色づくりが出来るようになって、だんだん仕事として楽しめるようになりました。最初は顔料の溶かし加減がつかめなくて苦労しました。」と語る娘の光子さん。欄間彩色用には濃いめに溶き、柱にはゆるめに溶く。色加減の顔料何グラム、にかわを抑えるために胡紛を何グラムといった化学式で作り出せる色ではないから、長年で培う「勘」が大切なのである。「娘には、初めのうちは失敗は付き物だよ。だけどみなさんが、毎日拝む物なのだから、心を込めて塗りなさいねと言っているんです。それはもちろん自分にも言い聞かせる言葉ですけどね。」出来上がった作品から、塗り手の暖かな心が伝わってくるようだ。

    顔料や部材が所狭しと並ぶ工房

    こぼれ話

    お彼岸

    お彼岸という言葉は古代インド語の「パーラミター」を「到彼岸」と訳したことに由来します。これは極楽浄土という真実の理想の郷・悟りの世界を意味しています。迷いや苦悩に満ちたこの世の「此岸」(しがん)に対して、理想の彼方の処「彼」をさす言葉です。仏教では、彼岸にたどり着くことが出来るとされています。このことからも、仏教行事の中でも、もっとも仏教思想をふまえた行事といえるでしょう。しかし、彼岸の行事は仏教発祥地であるインドにも、中国にもない、日本独特の行事なのです。

    みなさんご先祖の供養をしていますか?家族や先祖のことを思わなあかんDE実行委員会(後援:全日本宗教用具協同組合、大阪宗教用具商工協同組合、仏壇文化研究所)が吉本新喜劇癒しバージョンを上演し、家族や先祖の大切さを吉本流に伝えるというものです。今年が第1回目、2001年5月26・26日、なんばグランド花月にて開催。

     

概要

工芸品名 大阪仏壇
よみがな おおさかぶつだん
工芸品の分類 仏壇・仏具
主な製品 仏壇
主要製造地域 大阪府/大阪市、八尾市、東大阪市、堺市、岸和田市他
指定年月日 昭和57年11月1日

連絡先

■産地組合

大阪宗教用具商工協同組合
〒587-0062
大阪府堺市美原区太井355
不動堂(株)内
TEL:072-363-2160
FAX:072-363-2170

http://www.osakabutsudan.com/

■関連展示場・施設

特徴

大阪仏壇は各宗派用にそれぞれ違った型の仏壇を製作しています。また、内部上段の前面には、高蒔絵(たかまきえ)の技法により段金具を打ち付けたように見せ、金具による木地の損傷を防ぐ工夫を凝らしています。 金箔を押した柱や彫刻の表面には優美な彩色を施しています。この他、扉前面の飾り金具八双(はっそう)に各宗派の違いを出しているのが特徴です。

Osaka butsudan comes in different shapes according to which Buddhist sect they are meant for. Also, by ingeniously using the taka-maki-e technique for making raised gilt lacquer works, the metal brackets are made to look as if they were nailed, thus preventing the brackets from damaging the wooden base. An elegant color finish is then applied to the surface of the statues and to the gilded pillars. Another distinctive feature is that the decorative metal brackets (hasso) on the front door reflect the differences between the various Buddhist sects.

作り方

大阪仏壇は、マツ・スギ・ヒノキ等の木材を用いて、漆塗、箔置きした仏壇で、11の工程を分業して製作されます。木地・宮殿(くうでん)・須弥檀(しゅみだん)・飾り金具等に各宗派の違いを反映させています。

Osaka butsudan is made from pine, cedar and cypress woods to which lacquer and gold leaf are applied; they are completed in the course of 11 stages which are entrusted to different craftsmen. The wooden base, Kuden, the Shumidan (dais for Buddhist images) and all ornamental fittings reflect the differences between the various Buddhist sects.

産地からの声

直射日光が当たらないように注意し、金箔部分はできるだけ触れないで下さい。塗りの部分を拭く場合は、乾いた布を用い、動物繊維・化学繊維は避け、化学ぞうきんや化学洗剤は絶対に使わないように注意して下さい。