伝統工芸 青山スクエア

出石焼

兵庫県

江戸時代中期に地元で大量の白磁の原石が発見されたことから、藩主の援助を受け今の佐賀県有田町の陶工を招いて、出石の城下町で磁器作りをしたのが始まりとされています。
その後窯元の数が増えていき、産地を形成するようになりました。

  • 告示

    技術・技法


    成形は、ろくろ成形、押型成形又は素地がこれらの成形方法による場合と同等の性状を有するよう、素地の表面全体の削り整形仕上げ及び水拭き仕上げをする袋流し成形によること。


    素地の模様付けをする場合には、彫り、透かし彫り又ははり付けによること。


    下絵付けをする場合には、線描き、だみ又はつけたてによること。この場合において、絵具は、「呉須絵具」とすること。


    釉掛けは、「どぶ掛け」又は流し掛けによること。この場合において、釉薬は、「透明釉」又は「青磁釉」とすること。


    上絵付けをする場合には、線描き、だみ又はつけたてによること。この場合において、絵具は、「和絵具」又は「金銀彩絵具」とすること。

    原材料

    はい土に使用する陶石は、柿谷陶石又はこれと同等の材質を有するものとすること。

  • 作業風景

    出石焼ができるまでの主な工程を見てみましょう。

    工程1: 磁土作り

    磁器である出石焼の原料は陶石です。その陶石をすりつぶし、練り固めて磁土(いわゆる粘土)を作ります。昔は職人がしていましたが今は一括して依託しています。

    工程2: 成形

    成形の中でもさらに3段階に工程が分かれます。まずは「練る」こと。成形の前段階とも言えますが非常に大事な作業です。これにより磁土の中の空気を抜いていきます。約1~2時間丹念に練っていきます。次に「成形」。ろくろを使い思いを手にこめて、手先に意識を集中して作っていきます。3番目に「削る」工程です。底ならびに表面を綺麗にするためろくろで削っていきます。これで成形の作業が終わります。

    工程3: 乾燥

    家の中で、成形した作品を20日から1カ月間、乾燥させます。

    工程4: 彫り

    この作業は工程に入る場合とそうでない場合がありますが、表面にレリーフ状の模様を付けていく作業です。

    工程5: 素焼

    800~900度の火で12~20時間かけて作品をそのまま焼きます。その後、2日間さまし、3日目に窯から出します。素焼をする理由は(1)いったん素焼きをすると土に戻らない。(2)薬をかけても作品がこわれず、また薬がかけやすい状態になるからです。

    工程6: 絵付

    青色の絵付をする時は呉州(ごす)を塗ります。赤色のときは釉裏紅(ゆうりこう)などで絵付します。

    工程7: 釉薬(ゆうやく)をかける

    釉薬は、薬といっても素材は天然のもの。長石・陶石・石灰石などが原料です。釉薬には2種類有ります。一つ目はつやを出すための透明釉。二つ目は反対につや消しのための結晶釉(滑石を加えたもの)です。いずれも作品を保護する役目を果たします。

    工程8: 本焼

    1250~1300度の火で20時間前後焼きます。

    工程9: 窯出し

    本焼きから3日目に窯から出します。ようやく完成です。出来あがるまでに1カ月以上もかかるのです。

     

  • クローズアップ

    但馬の自然で育まれた新しい芽=出石焼の職人

    但馬の京都ともいわれる出石。今も風情豊かな城下町の町並みの中に歴史が息づいている。そんな繊細な環境の中で生まれたのが出石焼。しっとりとした磁肌と繊細さに心を奪われた青年に出会いました。

     

    伝統の大切さ

    「95%の古典と5%の新しい技術。いや99対1かもしれません」と組合の国村さんは語る。出石焼きは偶然が入り込む余地が極めて少ない焼きものなのだ。「あいまいは許されません。計算づくでないと成功しません。徹底した管理が必要なのです。」と話は続く。長い歴史の中で但馬の美しい自然と調和して、出石焼が伝統の元に研ぎ澄まされてきた。素人離れするのに10年以上の修行、プロと言われるには20年以上の修行が必要なのもうなづける。その結果、素地の白をいっそう引き立たせる美しい白磁、出石焼ができあがるのです。

    日展入選作「鉄釉扁壷」

    あくなき探求心

    国村さんは修行中、どうしても自分の窯が持ちたくて2年間のサラリーマン生活で資金を作り、9年前に自分の窯を持ち独立する事ができた。「品があって格調の高い作品を作っていきたい」と話す国村さんの目は熱い思いで輝いている。但馬の美しい自然を源として「美しいと感じる作品を作っていきたい。」言葉で表すなら「すがすがしさ」「華やかさ」「淡青」「緊張感」そして「安堵感」だという。それを表すには「作家自身の意識が肝心であり、技術と共に美意識をとことん追求していきたい」「自分自身に問い続け、自己修行を重ねる事が美しいと感じる作品には必要だ」という。

    ロクロ成形の作業風景

    新しいチャレンジ

    今後の活動としては、伝統を守り、さらに技術を磨いていくものの、他の技術の導入にも挑戦していきたいと考えている。例えば木の葉を柄としてとりこんだ「木の葉天目」や、油の滴が染み付いた文様になっている「油滴天目」などバリエーションを増やしていきたいという。「さらに美しいと感じる出石焼」を目指してますますの健闘を期待したい。

    • 木の葉天目

    • 国村広志氏と作品

    職人プロフィール

    国村 広志

    1964年生まれ。
    大阪芸術大学在学中から弟子入り。途中2年間サラリーマン生活により釜購入資金準備。27歳に独立。現在出石高等学校講師、出石陶砿協同組合役員。日本伝統工芸展入選2回、日本陶芸展入選2回。

    こぼれ話

    脈々と引き継がれる白磁・出石焼

    前衛的創作活動を続ける、山本工二氏作品

    • 永澤永信氏作品

    • 永澤永信氏作品

    • 永澤永信氏作品

     

概要

工芸品名 出石焼
よみがな いずしやき
工芸品の分類 陶磁器
主な製品 花器、茶器
主要製造地域 豊岡市
指定年月日 昭和55年3月3日

連絡先

■産地組合

出石焼陶友会
〒668-0214
兵庫県豊岡市出石町内町104-7
NPO法人但馬国出石観光協会内
TEL:0796-52-4806
FAX:0796-52-4815

特徴

磁器産地の中で、唯一「純白」を誇る白磁の産地です。また、その美しさを引き立てる彫刻の技術は、とても高度なものです。絹の肌を思わせる出石焼は清楚な風情を持ち、優雅で気品にあふれています。

作り方

地元の白い陶石を主原料とし、素地の模様付けに、彫り、透かし彫り、貼り付けの技法や絵付けを施し、焼き上げます。

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