技術・技法
1「木地」の構造は、「ほぞ組み」による組立式であること。
2 宮殿造りは、「組物地板」を用いる「桝組み」によること。
3 塗装は、精製漆の手塗りとし、胴板の部分及び戸板の部分は、「ろいろ仕上げ」をすること。
4 彫刻は、「木地彫り」及び「箔彫り」によること。
5 蒔絵及び金箔押しをすること。
金沢仏壇の始まりは17世紀まで遡ることができます。
金沢で仏壇が作られるようになった背景には、室町時代に蓮如上人(れんにょしょうにん)という浄土真宗の僧侶が、北陸地方で教えを広めたため、この地方の多くの人々の間で浄土真宗が信仰されていたことと、加賀藩主によって完成された細工所から、優れた工芸技術者が育ったことがあります。また、徳川幕府の宗門改(しゅうもんあらため)にのっとって、加賀藩が各家庭に仏壇を持つように勧めたことや、加賀百万石と呼ばれる豊かな財力に支えられた華やかな加賀文化があったことから、厳かで美しい金箔や蒔絵技術をふんだんに使った金沢仏壇が作られるようになったのです。
工芸品名 | 金沢仏壇 |
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よみがな | かなざわぶつだん |
工芸品の分類 | 仏壇・仏具 |
主な製品 | 仏壇 |
主要製造地域 | 金沢市 |
指定年月日 | 昭和51年6月2日 |
金沢仏壇商工業協同組合
〒920-0855
石川県金沢市武蔵町8-2
瀬沢ビル2階
TEL:076-223-4914
FAX:076-232-6714
加賀は真宗王国とも呼ばれるほど浄土真宗の盛んな土地柄のため、他の地域に比べて仏壇の需要がありました。加賀藩細工所の蒔絵技術や、彫刻の技術が仏壇にも活かされたという伝統をもとに、金箔をふんだんに使った製品が特徴となっています。
木地、彫刻、塗り、飾り金具、蒔絵、金箔押し、仕上げの工程があり、原材料として、木材は主にイチョウ、ヒノキ、マツ、スギを用い、彫刻には象牙、珊瑚等が使用されています。蒔絵は、本金研出磨(ほんきんときだしみがき)技法を使い、鮮やかな仕上がりにしています。金銀の切金仕上げを施すことによって豪華さを表現するように工夫されています。