2019/12/19(木)

【石川】山中漆器に極上の炎 浅田工芸のカップ 総理大臣賞

「変わり塗り」和ろうそくの技法駆使

 石川県を代表する山中漆器の浅田漆器工芸(同県加賀市)が企画、販売する「むらくもカップ」が、全国伝統的工芸品公募展で最高賞の内閣総理大臣賞に選ばれた。和ろうそくのすすで揺らめくような模様を付けた希少な技法が特徴で、同じものは二つとない。主催する伝統的工芸品産業振興協会は「揺らめく炎の表情と色合いは、主張しすぎず飽きのこないデザイン」と高く評価した。(阿部竹虎)

 古くから伝わる技法「変わり塗り」の一種で、山中漆器では唯一、塗師の清水一人(かずと)さん(46)=同市=が手掛けているという。揺らぐ火を直接器にあてるため、清水さんは「どんな模様が出るかは時の運。納得がいく仕上がりにならないのがかえって面白い」と話す。

 昨年十一月。浅田漆器工芸の浅田明彦(はるひこ)専務(31)が市内の見本市で清水さんの作品を見つけ、濃淡がある水墨画のような表現に一目ぼれし、協力を申し出た。

 カップは白と朱の二種類。漆を塗り重ねた厚みがあり、手触りが滑らか。口当たりが良いのも強みで、浅田専務は「忙しい現代人の癒やしとなり、ゆっくりした時間を過ごしてほしい」と話す。飲み物はもちろん、デザートカップなどの用途を提案。祝い事のグッズとしても売り込む予定だ。

 伝統工芸界では近年、後継者不足や生活様式の変化などで需要が縮小。公募展は現代の暮らしに合うような新しい消費を促す目的がある。浅田漆器工芸が出品するのは二年連続で、昨年出品したパステルカラーで四季を表した「うつろいカップ」は三位。本年度は百六十六点が出品された。

 むらくもカップはS-Lの三サイズあり、価格は税別八千~一万円。浅田漆器工芸の店舗「うるしの器 あさだ」(加賀市山中温泉菅谷町)で扱っている。

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