技術・技法
1 成形は、ろくろ成形、押型成形、手ひねり成形又は素地がこれらの成形方法による場合と同等の性状を有するよう、素地の表面全体の削り整形仕上げ及び水拭き仕上げをする袋流し成形若しくは「二重流し成形」によること。
2 手描きによる絵付をすること。
3 上絵付には、「九谷五彩」の全体又は一部を使用すること。
4 上絵付をしない場合の下絵付に用いる顔料は、呉須とすること。
九谷の鉱山から陶石が発見されたことと、加賀藩の職人が、今の佐賀県有田町で磁器作りの技術を学んで来たことによって、17世紀の半ば頃、九谷の地で始められたのが古九谷焼(こくたにやき)です。古九谷は加賀百万石文化の、大らかさときらびやかさを合わせ持つ、独特の力強い様式美を作り上げましたが、17 世紀の終わり頃突然作られなくなってしまいました。その後、19世紀に入ると再び九谷焼が焼かれるようになりました。
それが再興九谷です。春日山窯の木米(もくべい)風、かつての古九谷の再興をめざした吉田屋窯、赤絵細描画の宮本窯、金襴手(きんらんで)の永楽(えいらく)窯等数多くの窯が現れ、それぞれ特有の画風を作り出し、九谷焼の産業としての地位を築きました。
工芸品名 | 九谷焼 |
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よみがな | くたにやき |
工芸品の分類 | 陶磁器 |
主な製品 | 花器、食器、茶器、置物、酒器 |
主要製造地域 | 金沢市、小松市、加賀市、能美市 |
指定年月日 | 昭和50年5月10日 |
石川県九谷陶磁器商工業協同組合連合会
〒923-1111
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石川県九谷会館(九谷陶芸村)内
TEL:0761-57-0125
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■映像
手技TEWAZA「九谷焼」
九谷焼は多色の絵が描かれる上絵付けに本来の持ち味があります。豪快で濶達な線書きの上に、緑、黄、赤、紫、紺青の五彩で施される和絵具の、重厚な輝きが、九谷焼の特徴です。九谷独特の、やや青みを帯びた素地がその落ち着いた色調で、上絵付けを一層引き立てます。
地元の陶石から磁器作りのもととなる粘土を作り、ろくろや鋳込(いこみ)等の技法で素地を作ります。色付けはより細かい絵を丹念に描き入れます。力強い白と黒の水墨画のような絵に、まだ色が出ていない状態の色絵具をそっとのせるように置きます。この絵具が炎により美しく発色し、ガラス質に変わって、白地の磁器が色鮮やかに生まれ変わります。線書きの筆使いの鋭さと、上絵具の重厚さから九谷焼が生まれます。