岩槻人形

埼玉県

江戸時代後期の雛祭りや端午の節句は、大切で賑やかな行事であり、そこで大きな役割を果たしたのが人形です。
岩槻人形は、その江戸時代後期から始まり、明治初期には、農閑期に地雛細工人が作っていた節句人形と、士族が内職的に作っていた人形の技術が合流してできたとされる雛人形が、本格的に岩槻で製造され、主に関東を中心に商われ、伝統を伝える人形の重要な供給源となりました。
さらに、明治時代には、五月人形等の岩槻人形は生産拡大の一途を辿り、国内有数の産地並びに江戸時代の面影を伝える貴重な人形の産地に発展しました。

  • 告示

    技術・技法


    「頭造り」は、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    「木彫頭」にあっては、彫刻刀を用い「荒削り」及び「小作り」を行うこと。

     
    (2)
    「木彫頭」及び「桐塑頭」にあっては、「地塗り」、「置き上げ」、「中塗り」及び「切り出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。


    「胴造り」は、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    「藁胴」にあっては、「藁胴寸法切り」をした後「台紙取付」、「足板及び脚付け」及び「腕取付け」をすること。この場合、膠又はこれと同等のもので接着し、固定すること。

     
    (2)
    「木胴」にあっては、鋸、小刀又はのみを用いて「溝彫り」をした後、「台紙取付」、「足板及び脚付け」及び「腕取付け」をすること。この場合、膠又はこれと同等のもので接着し、固定すること。


    「手足造り」は、次の技術又は技法によること。

     
    (1)
    木彫りの手足にあっては、彫刻刀を用い「荒削り」及び「小作り」を行うこと。

     
    (2)
    桐塑の手足にあっては、「地塗り」、「中塗り」及び「切り出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。


    「台付け」をする場合は、胴から足裏まで貫通した鉄線を用いて固定すること。


    「面相描き」は、面相筆、毛描き筆及び点付筆を用いて、「まつげ描き」、「まゆ毛描き」、「毛描き」及び「口紅入れ」をすること。


    雛人形の「髪付け」にあっては、小刀を用いて「毛彫り」をした後、絹糸を「植え付け」すること。この場合において、髪型は、「結上げ」又は「鬢かけ」とする。また、五月人形及び浮世人形の「髪付け」にあっては、「前貼り」及び「横貼り」をした後、「吹き返し」をすること。


    「衣裳付け」にあっては、襟を膠又はこれと同等の材質を有するもので接着し、胴の前後左右の中心にまっすぐ乗せること。


    「肉付け」にあっては、胸に綿や厚手の和紙を用い、脹らみを付けること。


    衣裳の「裂地」に裏打ちをする場合は、和紙を用い、「袋貼り」によること。

    原材料


    木彫り又は桐塑に使用する用材は、キリ、ヒノキ、ホオ又はこれと同等の材質を有するものとすること。


    衣裳に使用する生地は、絹又は綿織物とすること。


    髪に使用する糸は、絹糸とすること。

     

概要

工芸品名 岩槻人形
よみがな いわつきにんぎょう
工芸品の分類 人形・こけし
主な製品 雛人形、五月人形、浮世人形
主要製造地域 さいたま市
指定年月日 平成19年3月9日

連絡先

■産地組合

岩槻人形協同組合
〒339-0057
埼玉県さいたま市岩槻区本町5-6-44
さいたま商工会議所岩槻支所3階
TEL:048-757-8881
FAX:048-757-8891

http://www.doll.or.jp/

特徴

岩槻人形は、頭に取り付ける胴が大振りで、頭の輪郭も丸く、造作もはっきりとしたもの(目が大きく少し派手目な彩色)が多いのが特徴です。

作り方

岩槻人形の頭の材料は、柔らかく、脂が少なく、細かい加工がしやすい桐などの木材や、桐のおが屑に正麩糊を混ぜて練り込んだものを詰めて型抜きをし、それを乾燥させて作った「桐塑」を使用しています。それに膠と日光や熱に強く変色しにくい胡粉を塗って仕上げます。胡粉と膠の配合の妙技と長年にわたり伝承された職人の技により、仕上がりが美しく滑らかになり、人間の肌に近い感じに仕上がります。また、髪は人毛に良く似た仕上がりに近い生糸を使用し、胴には、細工が施しやすい藁胴を使用し、その藁胴を寸法切りしたものに、絹織物、綿織物で仕立てた衣裳を着付けて作られています。

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