江戸節句人形

江戸の人形製作は、京都の影響を受けて江戸時代初期に始まりましたが、江戸独自のスタイルが確立されたのは、約250年前の宝暦頃と考えられています。この頃から、雛人形や五月人形は、写実的で洗練された江戸前の姿となりました。江戸時代後期の文化文政期に江戸の人形文化は最盛期を迎え、江戸時代初期に戸外に飾っていた甲飾りは屋内に飾られ、五月人形や実物の甲冑をモデルにした精巧な飾りの江戸甲冑が作られました。
また、小さく、精巧に作られた人形や人気俳優そっくりに作られた風俗人形、市松人形などが町に溢れるようになりました。

  • 告示

    技術・技法


    人形にあっては、次の技術又は技法によること。

    (1)

    「頭造り」は、桐塑を用いる「生地押し」、白雲土を用いる「素焼き」又は「木彫り」によること。

     


    「胴造り」は、次の技術又は技法によること。
    ? 節句人形及び風俗人形にあっては、「藁胴造り」、桐塑を用いる「生地押し」又は「木彫り」によること。
    ? 市松人形及び御所人形にあっては、桐塑を用いる「生地押し」、白雲土を用いる「素焼き」又は「木彫り」によること。

     


    「手足造り」は、桐塑を用いる「生地押し」、白雲土を用いる「素焼き」又は「木彫り」によること。

    (2)
    「胡粉塗り」は、次の技術又は技法によること。

     


    「桐塑頭」及び「木彫頭」は、「地塗り」、「置上げ」、「中塗り」及び「切出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。

     


    桐塑又は木彫りの市松人形及び御所人形の胴は、「地塗り」、「中塗り」及び「切出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。

     


    桐塑又は木彫りの手足は、「地塗り」、「中塗り」及び「切出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。

     


    素焼きの頭及び胴の場合にあっては、「中塗り」及び「切出し」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。また、素焼きの手足の場合にあっては、「中塗り」をした後、三回以上の「上塗り」をすること。

    (3)
    風俗人形の「台付け」にあっては、相釘を使用して固定すること。

    (4)
    「面相描き」は、次の技術又は技法によること。


    義眼を用いるものにあっては、小刀による開眼の後、眉毛及び髪の生え際を面相筆又は細筆を用いて墨描きし、「口紅入れ」をすること。

     


    義眼を用いないものにあっては、面相筆又は細筆を用いて「墨描き」をすること。

    (5)
    「毛吹き」は、櫛と鏝を用いて「くせ直し」をした後、「植え付け」をすること。

    (6)
    衣裳の「裂地」に裏打ちをする場合は、和紙を用い、「袋貼り」によること。


    甲冑にあっては、次の技術又は技法によること。

    (1)
    「鉢づくり」は、「たたき出し」、「はぎ合わせ」又は「張子」をした後、鋲などを取り付けること。

    (2)
    「威板づくり」は、「小札割り」、「小札貼り」又は「小札綴じ」をすること。

    (3)
    威しは、「ほんとじ」によること。

    (4)
    塗装は、漆又はこれと同等の材質を有するものを用いて塗ること。

    原材料


    人形にあっては、次の原材料を使用すること。

     
    (1)
    桐塑又は木彫りに使用する用材は、キリ又はこれと同等の材質を有するものとすること。

     
    (2)
    衣裳に使用する生地は、絹、綿又は麻織物とすること。

     
    (3)
    髪に使用する糸は、絹糸、人毛又はヤクの毛とすること。


    甲冑にあっては、次の原材料を使用すること。

     
    (1)
    鉢は、鉄、銅、銅合金又は和紙とすること。

     
    (2)
    威板は、鉄、銅、銅合金、牛革、和紙又は和紙を裏打ちした紙とすること。

     
    (3)
    金具は、鉄、銅又は銅合金とすること。

     
    (4)
    「絵革」は、鹿革又はこれと同等の材質を有するものとすること。

     
    (5)
    「威し」に使用するひもは、絹製の組みひも又は鹿革製若しくは牛革製のものとすること。

     
    (6)
    漆は、天然漆又はこれと同等の材質を有するものとすること。

     

概要

工芸品名江戸節句人形
よみがなえどせっくにんぎょう
工芸品の分類 人形・こけし
主な製品雛人形、五月人形、飾り甲冑、風俗人形、市松人形、御所人形
主要製造地域足立区、荒川区他、埼玉県/さいたま市他
指定年月日平成19年3月9日

連絡先

■産地組合

東京都雛人形工業協同組合
〒111-0052
東京都台東区柳橋2-1-9
東京卸商センター 4階
TEL:03-3861-3950
FAX:03-3851-8248

http://www1a.biglobe.ne.jp/hina-ko/

特徴

江戸時代の伝統を受け継ぎ、色合いも自然であり、写実的で洗練された高品質な製品です。

作り方

雛人形などの主要素材は、木、紙、布など自然素材から作られるもので、木彫りや桐塑などで成形した頭と胴体に、手足を組み付け、その上から、別に仕立てた衣裳を着せ付けて製作します。また、江戸甲冑は、時代考証に基づき製作されるものも多く、使用される素材は木や紙、絹糸や皮革の天然素材と鉄、銅などで、主要工程は手作業によって製作されています。

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